中高年の仕事探し 一般論としてではなく現実から考えること

 貴方の何が問われているのか?

こみちは介護士として働きながら、商品を製造している会社にも在籍しています。

ものづくりをする方が介護士よりも馴染みがあって、本来ならダブルワークで副業に当たる方が介護士かもしれないと思っているくらいです。

とはいえ、ダブルワークという腰掛け程度の働き方では、当然ですができる仕事や任せてもらえる範囲も限られています。

そして、今日、その製造の仕事をするために出勤してみたら、新しいスタッフが採用されていました。

実は前回、上司ともお世話になった先輩がいきなり退職し、どうしたものかと思っていたのですが、いつの間にか新たな人材を迎える運びとなっていたのです。

詳しくは知りませんが、多分20代後半から30代前半くらいの人で、とても優しそうな方です。

何よりも、すでにこみちが任されている仕事を平然とこなし、しかもその手際も驚くほど手早くて驚かされます。

こみちは、家では高齢の両親、介護士として仕事場で会うのもスタッフの半分が中高年で、利用者に至っては親や祖父母の年代です。

それだけに、若い人の記憶力や手際を目の当たりにして、どこか目からウロコのような気づきがありました。

興味深いのは、70代くらいの人も見学に訪れていて、こみちたちの仕事ぶりを別のスタッフが案内しながら作業について説明されていました。

若い人と比べて短期間で同じ仕事を覚えるのは厳しいかもしれませんが、70代になってもこうして仕事を探し、現場を見学しに足を運ぶことは口でいうほど容易くできるものではありません。

実際に採用となるのかは別にしても、例えば家にテレビばかり観て過ごす父親と比べて、どれだけ前向きかと思います。

その一方で少し現実的な話をすると、20代から30代で製造業に入るつもりなら、「スピード」が重要です。

こみちの場合、仕事を教えてもらった時に、その会社が求めているクオリティを見極めるまで、とにかく丁寧に作業しました。

それは少し手が遅いと思われるペースですが、適当に作って質が悪くなるよりも、慣れるまでは少しオーバークオリティを意識するくらいで丁度いいと思ったからです。

実際には、品質管理の担当者からは、結構細かい指摘を受けて、そこまで意識しないといけないのかと思ったくらいです。

しかし、入社した若者は、それこそこみち以上の手際ですが、こみちが行っている工程のいくつかは省いているようにも見えます。

当然ですが、工程が少なければ全体の作業時間を短縮できますが、それだけ品質面では問題も出てくるでしょう。

しかし、様子を見ていると品質管理の担当者も若者に特に指摘をしている様子もなく、ある意味でこみちが学ぶまでに掛かった時間はなんだったのかと思えるほどです。

そして、厳しい指摘がその会社の品質になり、やがては実績となると思っていたこみちの想いはなんだったのでしょうか。

最初からあの程度でも良いという話なら、実はこみちが想像していた製造業とは異なります。

思えば、頭打ちにならない仕事をどうやって見つけるかはとても難しいことでした。

製造の仕事で言えば、商品の組み立てではなく、設計の方へ担当が移れれば経験値もさらに上がるはずです。

こみちにしても、介護士を辞めたらこの製造業をメインに考えたかったのですが、今になっては副業だから続けられるように思います。

というのも、設計担当者がいるので、今の担当から異動できそうにないからです。

つまり、こみちのような副業感覚ならまだしも、20代や30代でこみちと同じ仕事を長くしていても次に活かせるキャリアにはなりません。

ある意味、それが現実的な話で、大卒で大手企業に入った時のように、研修期間を経て全国各地の支店や営業所に配属されるのとは異なり、中途採用している中小企業の場合にはなかなか思うようなポストが待っているとは限らないことも覚悟しましょう。

まして、そこで得た経験を次の会社で活かすという魂胆なら、尚更、仕事選ぶ時には仕事内容には慎重になるべきです。

例えば、今の製造業の会社を20代や30代に進められるかと考えると、それこそしっかりとした説明が不可欠です。

その理由はとてもシンプルで、経験が退職後に活かせない可能性が高いこと。

それはつまり、介護業界にも言えますが、中高年になってからでもできてしまう仕事内容だからです。

もちろん、高度にスキルアップする余地は残されていますが、退職後には活かせないことが明確なら、その職場で定年まで勤めるつもりでもないと、中高年になって厳しい転職を迎えることになります。

今まで、中高年の仕事探しという視点で考えていましたが、20代や30代の可能性がたくさん残されている年代ほど、頭打ちになってしまう職種に手を出さないことでしょう。

とはいえ、理想的な仕事になれば、それこそ一定の学歴や職歴、資格などを条件に挙げ、応募するのも容易ではなくなりますから、どちらにしても厳しい現実には変わりません。

会社がコストを掛けて人材育成を行ってくれるのが理想ですが、どうしても現場でOJTという手法が多く、根本的理解までできないことが大半です。

今日は本当に考えさせられました。

自分の強みで仕事をしていけるように意識しないと、中高年になって苦労します。

こみち自身も介護士が合っていないと感じることが多々ありますが、今の製造業の会社を経験して、確かに以前から馴染みがある雰囲気ですが、ポストという意味では先がある訳ではありません。

稼ぐためだけの仕事になってしまうことも否定できません。

だからこそ、こみち自身で定めた品質を維持して仕事をしています。

そうでないと、製造なのにやっつけ仕事になってしまい、面白さが半減してしまうのです。