第34回介護福祉士国家試験対策 「医療的ケア」を勉強する パート2

 医療的ケアを復習しよう!

「人間と社会」を学ぶにあたり、個人の尊厳と自立についてもう一度学習しましょう。

「個人の尊厳」とは、一人ひとりの人間がかけがえのないものとして尊重されることです。

そして「自立」とは各人が自分らしく生きられることと言えます。

その上で、法的にはどのように扱われているのでしょう。

社会福祉法は、社会福祉事業に関する法律を定めていますが、福祉サービスが個人の尊厳とその有する能力に応じた自立した日常生活を営めることを支援するものと定めています。

さらには、介護保険法や障害者総合支援法、医療法などにも同じような記述が認められ、それだけ個々の人を厳格に扱おうとしていることが伺えます。

日本国憲法13条は「幸福追求権」とも呼ばれ、人として国や社会から自身の尊厳や自立を妨げられないことを示してくれます。

医療の倫理

介護士等に喀痰吸引や経管栄養を行えるように法改正が行われてこともあり、介護士として働く際に「生命」について理解も必要です。

そのためには、医療とは何かという倫理観に触れなければいけません。

同じ介護士であっても、「介護福祉士」という資格を保持すると、「日本介護福祉士会倫理綱領」や「社会福祉士及び介護福祉士法」にて、定められた利用者に対する信頼関係や公正性などが求められるとあります。

その意味で、利用者自身の「自己決定権」をいかに確保するのかが大切になります。

特に医療従事者などが、適切な助言を行うことが利用者の「自己決定権」と矛盾するのもではないことを理解しなければいけません。

介護士として働く場所も、介護サービスを提供するうえで利用者の自己決定権を尊重しながらも安全性や安心感にどう寄り添い支援するのかが問われることになるでしょう。

また、個人情報の保護、説明と同意も重要です。

利用者やその家族の気持ちを理解するために

人は元来、口から食べ物を摂取し、その栄養素を身体に取り込み「生命活動」に生かしています。

病気や老化などの理由で、口から食べられなくなった時、その人は栄養素を得る手段を失います。

しかし、経管栄養をという医療支援を使うことで、その代用を行うことができます。

ただし、利用者の立場、その家族の立場になると、「生きているとは?」をどうしても考えさせられる機会が増えるでしょう。

その時、介護士の存在が心強いものにもなれば、時に懸念材料となることもあり得るのは、利用者もその家族もそして我々介護士も人間という生き物だからです。

つまり、当事者はそんなつもりではなかったとしても、不安を抱える人にとっては些細な言動が発端となって不安や拒絶感を感じてしまうことがあります。

特に経管栄養や喀痰吸引などの医療行為を必要としている利用者にとっては、より慎重な対応が求められるでしょう。