第34回介護福祉士国家試験対策 「こころとからだのしくみ」を勉強する パート3

 2020年に開催された国試で「こころとからだのしくみ」では何が問われたのか?

第33回の介護福祉士試験を振り返り、試験でどんな問題が出たのか改めて確認しましょう。

問97 心的外傷後ストレス(PTSD)に関する問い

最近、よく耳にする症状でもあり、問われている内容も基本的であるために正解できたのではないでしょうか。

正解は1。

問98 健康な人の体温に関する問い

「こころとからだのしくみ」で学んだというよりも、これまでの学習から正解に到達できました。

また、他の選択肢が間違えていることも分かったので、安心して選ぶことができました。

正解は4。

問99 義歯を使用した時の影響

正解は2。

これも介護職なら経験から正解できたでしょう。

問100 1週間の安静で筋力がどれだけ低下するか?

正解は3。

今回も異なる選択肢を選んで間違えてしまいました。

「1ヶ月の安静で筋力の半分が失われる」ことを改めて記憶しておきます。

問101 栄養素の動きに関する問題

選択肢4と5で悩みました。

カルシウムの吸収に効果的な栄養素は「ビタミンD」です。

血圧の調整にナトリウムが関係していることは知ってしましたが、選択肢4を切るのに自信が持てませんでした。

問102 眼鏡が壊れたことで受ける食事のプロセスを問う

正解は1番。

勘の良い人なら勉強しないでも答えることができたでしょう。

嚥下の行程は5つあって、目の前の食べ物認識する「先行期」、それを口に入れて咀嚼する「準備期」、飲み込む「口腔期」、咽頭を通過する「咽頭期」、最後が食道を通過する「食道期」です。

眼鏡が壊れたことで起こり得ることは、目の前にある食べ物を認識する部分でしょうから、今回の問題で正解となるのは「先行期」だったということでした。

問103 入浴の効果に関する記述で正しいものはどれか。

以前なら、それまでの経験や知識を呼び起こして考えていた問題ですが、自律神経の交感神経と副交感神経の違いや役割に照らせば、より簡単に正解できると気付きました。

入浴とは、決して興奮状態を強いるものではなく、むしろリラックス状態を作る環境です。

つまり、神経は「副交感神経」優位な状況だと言えます。

この時に起こる生理現象として、心拍数は減る方向に進むでしょうし、血管も膨張して血圧も下がるでしょう。

また、脳は危険を察知しないのでリラックスになりますし、筋肉も緊張して収縮するよりも緩和しているはずです。

内臓についても、副交感神経が優位になれば排便や排尿を催しことを考えても、活発化するでしょう。

その様に考えていけば、正解である4番を必然的に選べたはずです。

問104 咳やくしゃみによって失禁してしまう状態を何というのか?

正解は2番。

この種類の問題も度々出題されている様に感じます。

機能性尿失禁とは運動機能や認知機能などによって「排尿」できない状況から起こる場合。

腹圧性尿失禁とは、お腹に力が入ったことで尿漏れしてしまう場合。

いつ流性尿失禁とは、基礎疾患の影響で起こる失禁。

反射性尿失禁とは、マヒや意識障害によって大脳との伝達を経ずに起きてしまう失禁。

切迫性尿失禁とは、尿意が突然起こることで排尿まで間に合わない状態となる失禁。

くしゃみなどで不意にお腹にも力が加わって、出てしまうような失禁は、「腹圧性尿失禁」ということになります。

問105 便秘の原因となるもの

便秘の原因が、水分不足や運動不足、食物繊維の不足と考え、選択肢の中から最も当てはまる5番が正解となります。

問106 高齢者の睡眠の特徴

高齢者になると安定した睡眠ができないなどは、様々な場面でも耳にします。

そのスタンスから各選択肢を比べれば、自ずと4番を選ぶことになるでしょう。

問107 睡眠に関する基本知識を問う問題

レム睡眠とノンレム睡眠は、睡眠に関する出題でも問われる内容です。

先ず、レム睡眠の「レム」とは、「rapid eye movement sleep」の頭文字から出来ていて、英単語を和訳すると「急に目が動く」ことから命名されていることが分かります。

確かに人の睡眠をよく観察すると、起きる時間に近づくと目を閉じた状態でも目がよく動いていることに気づきます。

つまり、起きる前にはレム睡眠状態ということが分かります。

また起きた時に「夢」を見ていたと感じられるのも、「レム睡眠」から覚めたことと関連します。

すると、脳はある程度活動状態にあると分かるでしょう。

逆を言えば、「ノンレム睡眠」は脳もしっかりと休んだ状態で、目も動かなければ複雑な夢も見ません。

そして、高齢者になると若者と比較して熟睡した感覚が減ってしまいます。

それは脳や体が休まる「ノンレム睡眠」の状態が短くなることも関係します。

ではレム睡眠状態が長くなるのかというとそうとも限りません。

と言うのも、高齢者の場合、夢を見ている浅い眠りではなく、「本当に目が覚めてしまう」からです。

つまり、深い眠りも少なく、浅い眠りも増えることはなく、その代わりに目が覚めてしまう状態が増えるのです。

選択肢を改めて見比べると、「レム睡眠状態で夢を見る」と言う1番が正解です。

入眠時はレム睡眠状態とは呼びませんので、2番は不正解。

ノンレム睡眠で筋緊張が消失することもないので、3番も不正解。

ただし、実務者研修用のテキストでは、「筋緊張がなし」と表記されていて、そのまま記憶していると3番で迷うでしょう。

眼球の動きが確認できるのはレム睡眠なので、4番は不正解。

最後の高齢者の睡眠でレム睡眠が増加すると言う選択肢も、起きてしまうということなので、不正解です。

明らかに1番が正解なので、それを信じて選べば良いのですが、少しでも記憶が曖昧だと他の選択肢を選んでしまう嫌な問題とも言えるでしょう。

問108 死斑が出来始めるまでの時間を問う問題

これは雑学レベルで、死後20分から30分と覚えるしかありません。

さらに言えば、死斑ができるのは血液循環の停止がもたらすので、死後それほど経たない間に起こると予測できます。

つまり、選択肢の3番以降はありません。

一方で5分程度ではまだ何も起こらないので、2番が正解と予測できるでしょう。

以上が「こころとからだのしくみ」で問われた問題です。

こみちの場合、12問中8問と正解率も高くありませんでした。

特に失禁に関する問題や睡眠に関する問題で迷ったこともあり、しっかりと復習したいと思います。