自宅介護の難しさを理解しよう!

 そもそも「介護」とは何か?

現役の介護士として介護施設で働くこみちですが、「情報」と「実体験」には差があることを知るべきです。

例えば、「要介護認定」とか「公的な介護サービス」をネットで調べると、その手続きや制度に関する詳細が分かるでしょう。

しかし、根底に覚えておくべきは「介護とは?」に対する答えでしょう。

正直なところ、現役の介護士も一番苦労する部分ですし、逆を言えばその困難な部分にどれだけ向き合えるかが介護士や介護施設の使命です。

未経験の方を対象に紹介を続けるなら、衣食住に関する部分で、今から全く異なる環境に移動して始めることを想像してみましょう。

そうすると、3食きちんと食べられるのか、寝る場所はあるのか、洗濯や風呂はといろいろ疑問が浮かぶはずです。

もっといえば、爪切りはとか、耳掃除、娯楽に新聞やテレビは使えるのか。

その全てにおいて、答えを見つけることが「介護」と言っても過言ではありません。

つまり、自分のことなら「まぁいいか!」と諦めたり、後回しにもできますが、介護するとなると「必ず答えを求められる」からです。

自宅での介護となれば、相手は家族でしょう。

その意味では、仕事としてではなく、愛する家族の一人と言う意識が、よりその答えに高いハードルを与えます。

つまり、どんなにネットの情報で「〇〇すればいい」と書いてあっても、その通りにして良いのかを決めるのは介護する人の判断しかありません。

真剣に向き合うほど難しいのが介護なので、だからこそ信頼できる相談者の存在が大切です。

介護士として働くと

こみちの場合、1日の勤務を終えると、心底疲労します。

具体的どれくらいかと言うと、帰宅すれば足がパンパンで、一度腰掛けたらもう立ち上がるのも嫌なほどです。

なぜそうなるのかといえば、それだけ利用者(施設を利用している高齢者)からいろいろ要望を受けるからで、もちろん「今はできません」と断ることも可能です。

しかし、利用者から連続してお願いされるのではなく、一人から言われて別の誰かとなるので、やっと声かけてくれた利用者のお願いに「無理です」とはなかなか言えるものではありません。

できる限りは応えてあげようと思うと、勤務時間中は動きっぱなしで、あれこれと仕事ができます。

これが自宅介護になると、全部叶えていたら、きっと介護している人が潰れます。

ニュースなどで介護疲れで事件や事故が発生していますが、それだけ一生懸命に「介護」と向き合おうとして起きた残念な社会的な問題です。

もしも、こみちが自宅介護をする(すでに両親と同居中で、段々と老いてきていることもあり、いずれは自宅介護なども始まるでしょう)なら、介護予防、デイサービス、ショートステイ、介護施設に入所という段階で自宅介護とのバランスを確保するでしょう。

感覚的な話をすれば、まず何時間くらいなら親と一緒に過ごせるでしょうか。

つまり、自宅介護だけ行う場合、一人が12時間連続で介護できても、実際には2名、もしくは3名がいないと365日は難しい話です。

でもこの12時間、例えば朝の6時から夕方6時までとしても、洗濯中から3度の食事、掃除に買い物までずっと気にかけて続けていることがどれだけ大変なのか分かるでしょう。

そして、より密接に介護しなければいけなくなると、トイレもちろん、風呂、そして食事を食べさせることも全て介護になってしまいます。

感覚的に言えば、介護士は一人で8時間を大体4名から8名くらいの間で担当しているくらいと言えるでしょうか。

ほとんど手が掛からない人ばかりの時と、ほぼ寝たきりで寝返りも打てないとでは介護の量も質も変化します。

自宅介護では、介護予防と言って、できるだけ自分のことは自分でできるように維持することが重要です。

そこで、日常的に歩くとか、これまで行っていた家事を続けることが大切で、それは上手にできるかと言うことよりも、自分らしさを保つためにも、継続した方がいいのです。

時に我々がすると3分のことも、高齢者は10分以上も掛かったりします。

しかし、そんな様子に苛立つ必要はありません。

むしろ、それが介護になっていると信じて、見守るようにしましょう。

それこそが「介護予防」ですし、自宅介護の始まりとも言えます。

デイサービスを利用する!?

デイサービスとは、自宅から数キロくらいの場所にある昼間だけ預かってくれる高齢者の「集会場」みたいな場所です。

基本的には、公的な介護サービスなので、それこそ要介護認定を受けた後に利用がスタートします。

自宅介護との関係で言えば、デイサービスを利用する時間帯は、イメージとして朝の8時くらいに家まで施設のバスが迎えに来てくれて、家族を送り出します。

バスはその後も何軒か家を周り、デイサービスの介護施設に到着します。

施設には介護士が待っていて、バスから降りて施設内に移動させ、テーブル席に案内し、約束20名前後の高齢者が集められます。

もちろん、ほとんど何でもできるくらいの高齢者もいれば、車椅子の人、寝たきりに近い人もいます。

そして、入浴組み、またはレクリエーション組み、などに別れて、約6時間程度の滞在を過ごします。

その間、昼飯、オヤツなどもあり、みんなでゲームをしたり、カラオケをしたりしてすごします。

顔見知りのスタッフや利用者ができると、将棋を指して過ごしたり、館内を散歩して足腰の運動を兼ねたり、またリハビリを受けることもできて、専門家によるレクチャーも受けられます。

介護予防の観点からも、動き難いと感じ始めた手足等を最適な運動やマッサージで対応してくれるのは嬉しいサービスです。

その間、自宅は自宅介護から解放された状態です。

家族のリラックスにも繋がりますし、その後の自宅介護にも準備できるでしょう。

356日続くとなると、継続するための工夫も必要です。

その意味では、介護予防では補えないと感じたら、デイサービスの利用も検討しましょう。

ショートステイ、施設入所

ショートステイとは、昼間だけのデイサービスが、丸一日に延長されたサービスで、原則30日以内を指します。

施設入所がそれ以上ということになり、実際、4週間(28日)毎に自宅に帰る利用者もいます。

再び「介護とは?」に戻る!?

自宅介護を始め時も、介護士として働く時も、「介護とは?」から始まります。

つまり、「そうされたいのか?」に考えが及ばないと、無意識にモノ扱いしてしまうことだって起こり得るのが介護の難しいところ。

そして、自身が介護するのと同じように、利用する介護施設の「介護」への取り組みを実際に見ることが大切です。

特に、表面的な言葉遣いよりも、利用者から話掛けられた時に足を止めて向き合っているかような部分がポイントです。

なぜなら、実際に自宅介護をして、自身が大変だと感じた部分は、施設で働く介護士も同じように感じていて、でも仕事として経験を重ねているに過ぎません。

だからこそ、時に利用者を軽視した振る舞いになってしまうことも起こり得ます。

と言うのも、施設でなぜ働こうと思ったのか介護士それぞれの動機は様々です。

そして、異業種のパート勤務とほとんど変わらない金額で働く介護士の全てが自宅介護を経験している訳ではありませんし、ボランティア精神の豊かな人とも限りません。

自身の生活費を稼ぐ手段として介護士になった人もいます。

つまり、「介護とは?」に対する答えも、全ての介護士が同じレベルで感じているものではなく、施設からの勉強会などに参加する中で作られるものでもあります。

だからこそ、サービスを利用する前に、相談員に話を聞いたり、実際の介護の様子を見学させてもらいましょう。

豪華なサービスは予算次第ですが、心のこもったサービスは従業員の教育や育成によるものです。

「ここなら利用してみたい」と思える施設に出会えたら、自宅介護でも選択肢が増えますし、相談にも乗ってもらえるでしょう。