「介護士」を経験したから思いつく「介護予防」の新提案とは!?

 例えば健康寿命を伸ばす体操ですか?

いいえ、全然違います。

コロナ禍でなければ、介護施設の見学ツアーを60代の夫婦を対象に提案したいのです。

介護施設内の様子は、YouTube で検索すると雰囲気は掴めるコンテンツもあるでしょう。

でも、介護士をしているだけに、そこで公開される内容のほとんどは「元気に楽しく過ごしています」と印象付けるものが多いでしょう。

実際、コロナ禍で自粛もありますが、定期的に行われるカラオケのレクリエーションでは、歌好きはもちろん、こみちのような音痴さんも一緒に楽しめるような時間を過ごしています。

特に認知症の利用者でも昔に聴いていた歌は、どこか思い出すようで、歌おうとしたり耳をそば立てたりしてくれます。

途中でリクエストなどを募れば、それぞれの方が懐かしく感じる歌があって、順番にその曲を楽しむようにしています。

中高年のこみちでも、美空ひばりさんの曲は知っていても、今まで耳にしたことがない曲も少なくありません。

「この曲は有名ですか?」と参加している利用者に聞いてみると、当時の思い出などを教えてくれます。

一緒に楽しめるようなレクリエーションができたら、たとえひとときだとしても、時間を忘れて懐かしい思い出に浸りながら、みんなと騒ぐことができます。

もしも、プライバシーなどの制限が許されるなら、言葉ではなく実際に見て「介護士」って面白い仕事だと未経験の方にも感じてもらえると思います。

ただ、音痴のこみちみたいに、歌が好きではなかったり、人まで歌うことに抵抗があると、「カラオケ」と聞いただけで尻込みしてしまうかもしれません。

でも利用者の大半は本当に大人で、音痴を指差して笑うような人はいませんし、照れながら歌うこみちにも「少し歌えるようになった」と励ましてくれたりします。

他の施設ではどうしているのか気になりますが、毎回、最後のようになると結構声を出してくれる人が増えて、室内に歌声が響きます。

もっと「音楽」を楽しめるようにもできますが、気軽に参加できることを忘れないで、レクリエーションは行っています。

でも、そこを見てほしいのはこれから介護士になりたいと思う人であって、多くの60代の方々にはそれこそもう少しディープな施設の「姿」です。

言い換えれば、介護施設の限界や得意としている部分と、抱える課題面を知って欲しいのです。

みんなで楽しめる「カラオケ」にも、心肺機能の維持や向上の他、リズム感や姿勢の保持、さらには感情をコントロールする自制心まで身につけられます。

伴奏をよく聞いて、それに合わせて歌うことは、健康維持に有益なのです。

とは言え、「カラオケなどくだらない」とか、「歌は嫌いだ」と拒絶反応を示される利用者は必ずいます。

しかし、介護士のサポートによって、会の半分だけ参加できるようになったり、懐かしい曲を一緒に聴きながら思い出話をしてくれるなど、「歌」の力はとても人を豊かにしてくれます。

別の言い方をすると、若い頃にしていた全てのことを高齢者になっても続けることはできません。

できるものの一つが「歌」だったということです。

つまり、60代になった時に施設を見学し、自身の今後の何が起こり、だからこそ介護予防がどれだけ有効なもので、何のために行っているのかを知って欲しいのです。

その上で、自宅での生活が困難になった時に、例えば生活の一部を訪問介護士が補ったり、施設に住まいを移し、全面的に介護士によるサポートを受けたりと状況に応じた選択をします。

なぜそんなことを思いついたのかというと、定年後に仕事を失ってしまったら、人は急に老けてしまいます。

それだって自然の流れと言えばそうなのですが、70代はまだまだ元気ですし、80代90代になっても自分らしく生活されている方はたくさんいらっしゃいます。

介護士の仕事は、介護施設でサービスを提供することばかりではありません。

つまり、介護予防についても携わることができます。

半日体験とか一泊二日体験などをしてみると、それによって施設の役割や良いところも見えてきるでしょう。

老後に同じく施設を使うとしても、どんなサービスが必要になるのかや、実は気づいていないけれど大切なサービスなどが分かります。

そうして施設の役割を明確にできれば、そこで働く介護士の苦労ややりがいにも光が当たり、業界全体の底上げにもつながるはずです。