きれいごとをいうつもりは無いけれど
介護業界の平均賃金が、異業種よりもまだまだ評価されていない理由があるとしたら、どのような人が介護士を希望して仕事を始めるに至ったのでしょうか。
例えば、広告デザインの仕事に就くと、最初は見習い期間があって、先輩について客先周りから紙面のレイアウトなど、一連の仕事を学びます。
その過程の中で、一人でもできる仕事はできるだけ自分で、まだ不安がある部分は先輩の指示を受けながら、段々と一通りのことを覚えて下積みは終了です。
一般的に「一人前」と呼ばれる段階になるのは、一通りの作業を終えたうえで、客先からの個別注文にも独自の工夫を凝らして収めることができるようになったらでしょう。
しかし、介護施設で働く介護士の場合、一緒に配属されたその日のスタッフ間で納得できる割り振りが行える時はいいですが、時にはそもそものスキルがなかったり、あっても断片的だったりで、面倒な作業ほど特定のスタッフが担当するという流れが起こります。
とは言え、施設側から見れば、個別の作用量など把握できていないので、踏ん張ったところで評価される訳でも感謝される訳でもありません。
問題があるのは、自分の力量を過信したり過大評価したりして、「カバー」されていることにも気付いていないことです。
確かに頑張ってくれる時もある。
でもそれは、みんなの関心が集まっていて、それだけをすることが仕事となっているような場合に限られます。
そんなに「事故報告書」を書きたくないのか?
今日、ある利用者が転倒したのか、床に座り込んでいました。
こみちはいうというと、別の仕事を終えてフロアーに戻って来て、書類に記入しようとステーションに入ったところです。
視界には数名のスタッフがいて、もちろん作業中ですが、その先に利用者が倒れていました。
なのに、一名も気づかないことなどあるでしょうか。
例えば、車イスから何らかの理由で立ち上がった利用者に気づかないならまだ理解できます。
しかし、転倒した利用者が、無音だったなら仕方ないにしても、異変に気づかないものでしょうか。
結果的に、第一発見者のこみちが、事故報告書を書くことになりました。
介護士になった頃は、「事故報告書」というと公にミスを公表しなければいけないものと思っていましたが、今は「起こってしまった「事故」を報告する書類」と考えて、少しも躊躇う気持ちはありません。
むしろ、書くことを避けたいがために、利用者に気づかないふりをしてしまうスタッフの気持ちの方がどうかしていると思っています。
ぶっちゃけます!
勤務している介護施設が変わっているのか、介護業界が特殊なのかは分かりませんが、こみちのこれまでの社会経験からすると、「なぜ?」と感じることがあまりに多すぎます。
ただ、介護業界は介護保険によって運営されていることを考えると、それこそ異業種のような自由度は限定的で、非効率な作業を抜本的に改善することが後回しになりやすい職場です。
つまり、先にも書きましたが、現場の遅れを誰かが頑張って回しても、それを評価するようなことはありません。
かと言って誰かがしなければ、作業ばかりが遅れてしまいます。
こみちの勤務する施設は、常勤スタッフは月額で1000円に届かない程度のベースアップがありますが、パートスタッフには一切の昇給はありません。
つまり、初年度よりも二年目、三年目と仕事を覚えたとしても、仕事が増えるだけで報酬には反映されないようになっています。
「それでやる気が起きると思いますか?」
パートスタッフの中には、オムツ交換も移乗もしないスタッフがいます。
周囲からは仕事ができないと言われていますが、そのスタッフの報酬は大半のパートスタッフと同額です。
過去にはあまりに仕事が出来なくて、クビになったスタッフもいましたが、今になって思えばあの人はクビで今の人はクビにしない理由が分かりません。
ある意味、それで介護士の報酬を異業種並みにというのは、現役の介護士であるこみちからは到底言えません。
それこそ、オムツ交換の方法を勉強会として学んだなど、最初の一歩にもならないでしょう。