介護士を始めてこみちの人格がどう変わったのか?

 そもそも「こみち」はどんな人間なのか?

誤解のない範囲で触れるなら、こみちという人間は幼少期から複雑な家庭環境の中で生きていた。

特にその中で身につけた能力があるとするなら「顔色」を伺い、相手の気分を察するということだろう。

その部分が「エンパス」の特徴に合致するかは別として、ある意味で生きていくためには不可欠な能力だったということだ。

勉強の方はというと、数学や理科など科学系の科目は得意だった。

得意と言うとテストでの成績を思い浮かべるが、小学校の低学年の時にsin cosが計算できる電卓や、月のクレーターがはっきりと見える望遠鏡を欲しがったりするような子どもで、「テスト」を受けることよりも思いついたことを調べて実験をするのが好きだった。

一方で、暗記することが求められる科目は苦手で、九九も半分しか覚えないから、8の段や7の段はそれまでの公式を言い直していた。

例えば8×4などは4×8を使うなどして、ツールはコンパクトにしたいと考えた。

しかしながら、他人から天然疑惑を掛けられるが、こみち自身は誤解や勘違いだと思って止まない。

ある時、天然の人を見て、「アイツってホントに天然だよなぁ! 普通、あのタイミングでする?」っと得意気に言ってみたら、「お前もだよ!!」と言われて本気で凹んだこともある。

でも未だに「天然」の本質が理解できず、こみち的には天然の人を苦手にしている。

理由はとても簡単で、よく分からない言動が多くて理解に困ってしまうから。

若い頃は、没頭しやすくて、始めると何時間でも続けられた。

今はそんな気力もなくて、絵を描く時も途中で「まぁいいか!」とやめてしまうことも多い。

特に記憶力の低下は甚だしく、片手間で覚えておくようなことは大体忘れてしまう。

以前は大学の共通テストも、遊びで解いたりしたこともあるけれど、今はそんな気力もないし、多くの公式も覚えていないし、昔のような科学的な興味も失せた。

介護士になる少し前なら、いくつかの条件が与えられたら、それらを軸に情報を深掘りして、新たな展開を提案するようなことを得意としていた。

でも、そんな気力も無くなってしまった。

介護士になってどう変わったのか?

まず、介護現場にいる先輩たちの考えを尊重することから始まった。

見方を変えると、単純なイエスマンで、時にはマウントや軽い嫌がらせの対象にもなっていた。

でも、天然疑惑があるように、それを特別な不快とは解釈しなかったし、ただどうしてそんな行動を取ってしまうのかには興味も出た。

一方で、今年の春頃には、出社するのが困難になるほどの介護士疲れ状態も経験した。

別の記事に書いたこともあるが、介護現場の介護士は与えられた仕事をこなすしか能力はなく、改善や変更の提案はケアマネの裁量に従うしかない。

つまり、職場での不条理な出来事も絶えるしかないところがあって、後々に問題が大きくなるなら、我慢すると言う態度が増えた。

もっともそんな行動がストレスを蓄積させて、こみちという人格を崩そうとしてしまったとも言えるのだが。

プライベートでも、依存が強くなったと言われることが多い。

依存の内容は、自身の好みや考えで選択することができず、理由や動機が与えられないと決められないことが増えた。

「好きな方を選んでください」という何でもないものほど、どうして良いのか困ってしまう。

そこで、何かで見た方法を真似て、手間から選ぶという自分のルールで選択している。

そうそう、あと物凄く妄想癖がある。

だから欲しいものができても、あれこれと考えているだけで満足できて、本当に買うまで半年とか一年以上も掛かったりする。

自分から進んで買ったものといえば、ギターだろうか。

お茶の水の楽器屋に立ち寄り、「買うよ!」と言ってそのまま家に持って帰った。

今でも毎日欠かさずに弾いていて、5年くらい経つだろうか。

気になるモノはいくつかあるけれど、結局は悩んだ末に買わないだろう。

介護士になって気づいたのは、利用者というよりも人が親切にしてくれることが多い。

男女問わず、心底から拒絶されることがほとんどないから、それは介護士として働くうえではありがたい。

実は以前に、男性の利用者で、こみちを嫌っているというか、避けている人がいた。

でも、その人は会社の社長さんで、こみちの外見が従業員たちを重なったようだ。

そんな目下の者に、オムツ交換をされたくないと思う気持ちは男性特有の心理だと思うし、それは年齢差による避けられないことだから理解しているつもりだった。

ただ、結局は介護士として利用者から打たれまくっても、何も変えられないし、変わらないことが分かって来た。

ストレスを発散してくれたらと思って、我慢していることもあるが、ふとどうでもいいと思ってしまうこともある。

むしろ、計画や手段を一緒に考えて、現状を打破するなら興味も出るが、それだって昔ほどは熱っぽくなれない。

端的に言ってしまえば、介護士の仕事に飽きてしまったのだろう。

ダブルワークを始めて、意識を分散させて介護士を継続しているけれど、もうそれだけの仕事ではデメリットしかないような雰囲気なのだ。

それはつまり、現場仕事として介護士を続けることへのストレスで、以前ならそれでも続けられたものの、何となくでも面白くはない。

ただ、介護士の仕事を知っていて損はないから、仕事を探していて、なかなか見つからないと思う人は、介護施設を見学してみたらいいだろう。

人材不足もあって、採用されやすい業界だし、ひと通り覚えてしまえば全国どこでも働けるはずだ。

こみちとしては、もう現場仕事の介護士はお腹がいっぱいで、継続するとしても方法を考えたい。

とは言え、コロナ禍の影響は少なくなく、なかなか行動に移せないところもある。