高齢者の「生きがい」とは?
先に質問させてもらうと、「貴方は熱中できる趣味」がありますか?
中高年と呼ばれる年代を迎えると、趣味のあるなしって意外と明確に分かれてくるのではないでしょうか。
このブログは、介護士や転職をメインに扱う中高年向けの記事が多くあります。
そんなブログを覗いてくれる人も、こみちの年代に近いのでしょう。
仕事を辞めて、次の仕事が見つからなかった頃、こみち自身は趣味どころではなかった記憶があります。
特に40代になって求人募集で気なる仕事を見つけても、電話で年齢を伝えたい時に担当者が一瞬止まって「そうですか…」と言うセリフがあると、こみちとしては「難しいのだろう」と想像してしまいます。
特に最近は、いきなり電話で応募する方が珍しく、Webサイトからということも多く、氏名や年齢、経歴などを求められます。
つまり、意気込みや人柄の前に、採用する企業の想定内でなければ、そもそも「面接」まで辿り着けません。
実際、当時も何社かは連絡さえありませんでした。
いろいろな事情も重なったりしますが、「Webサイトから応募させてもらったこみちですが…」と伝えて、「すいません。採用が決まりまして…」と言われるのもそれはそれで凹んでしまいます。
つまり、そんな心境が就活中は続くので、趣味を楽しむことってなかなか忘れてしまうものです。
しかし、就活時期が結局、半年にもなった(実務者研修を受けることにしたので)こみちなので、後半はもう趣味を楽しむしかなかったほどです。
では、仕事から離れ、自身の生活を主体に、でもそれさえままならない問題を抱えた高齢者の場合、自宅での生活を継続できるかがポイントになります。
そのような場合でも、その人らしい「趣味」を持つことが有益で、いつもで簡単に楽しめるものならなおさらおすすめです。
こみちが勤務している介護施設の利用者を思い出すと、趣味と言えるような何かを持っているのは全体の1割程度ではないでしょうか。
テレビを観るとか、歌を歌うなどを含めると3割くらいにはなるでしょう。
しかし、残り7割には終日寝たきりの利用者も含まれるので、こみちとしては何か些細な時に話しかけるなどを心がけています。
目だけが動くこともあれば、全く変化がない時もあります。
だからといって、一日中ベッド上で過ごす利用者は、誰かが意図的に話しかけなければ、誰とも接点は生まれませんし、その人の脳内で起こること以外は起こりません。
自宅で過ごす高齢者の場合は?
これはこみちの自宅のケースです。
コロナ禍もあって、外出が億劫な父親はテレビを観て過ごします。
施設にいる男性利用者もそうですが、洋物のドラマが好きみたいで、いつもテレビからはエキサイティングな音声が鳴っています。
思うに、画面に変化がなく、考え過ぎる内容は疲れてしまうのではないでしょうか。
その意味では、暴走する車で逃げる犯人を追い詰めていく主人公やヒロインのやり取りは分かりやすくて気楽に楽しめるのでしょう。
家でも将来的な悩みがない訳ではありません。
自宅で過ごすにしても、今は自分でトイレにも行けますから、特に介護というような話はありません。
しかし、運動機能が今よりも低下してくると、さらにその対策に迫られるでしょう。
もっとも、「健康維持のために運動を取り入れる」ことが、その人にとっての「生きがい」となるのかが問題です。
腰が痛い。膝が痛いと口癖の父なので、自分から動こうとはしません。
介護士の立場からすれば、「少し手すりを使って歩きましょう!」と誘うレベルです。
しかし、トイレに行けない状況が来たら、自宅で家族が全面的に支えるのは難しい話です。
運動して5年先にすることと、そのために「ストレス」を抱えることを天秤にかけたら、こみちとしては自由に好きなことをして過ごせば良いと思うのです。
ただ、知らないが故に選択肢を失うのはもったいないので、運動が健康維持に効果があることえお伝えているなら、もうそれ以上は周囲がとやかく言う話でもないと考えています。
本当は、実際の介護施設での暮らしを見て欲しいと思うのですが、そこで暮らすことの覚悟があれば、それまでの期間を自分らしく過ごしても悪くありません。