それでも親を在宅介護しますか?

 現役介護士だから思うこと

中高年世代の我々が、高齢者と呼ばれる年代になった時を想像すると、どんな風に暮らしていたいと思うでしょうか。

その際に出てくるのは、経済的な側面と健康問題でしょう。

中高年から肉体労働である介護士として働いて、今から10年後も同じペースで働き続けることはできないと感じます。

つまり、職種による差も起きますが、高齢者となる65歳を過ぎる頃には健康維持のためならまだしも、暮らして行くために働き続けるのは厳しい話です。

また、健康面でも、身体のあちらこちらが痛みだし、気づけば日常生活も昔のようにはできません。

少しずつ簡略化し、気づけば二階部分に上がることも無くなって、一階の居間だけが生活スペースになってしまうこともあるでしょう。

昔のように手の込んだ料理をする気力はもとより、買い物に出掛けるのさえ足腰が悪いと大変です。

父は杖を使った方がいいくらいですし、母の方も受け答えを見ていると認知機能が低下していると気付かされます。

まだ両親ともに日常生活の面では大きなトラブルを抱えていませんが、これから五年後、十年後と経過すれば、介護に直面します。

こみち自身の考えとしては、自身でトイレを済ませられるまでは在宅介護をし、それが厳しい状況になると施設入所に切り替えるでしょう。

ただ、施設入所をすると、感覚的な話をすれば、3ヶ月が別れ目で、それ以上長くなると一時的には可能でも長期的に自宅で介護することは難しくなります。

つまり、施設入所に踏み切った時点で、別の施設に移動することはあっても、家に帰ることはありません。

でも、それを親不孝と思い、子どもたちが自身の仕事や生活を犠牲にして在宅介護を続けても、その後二十年もすれば、今度は自身の介護に直面します。

そう思うと中高年になる頃から考えると、1日だって無駄にはできません。

父親は自身の老後を自分からはあまり話したがりません。

それだけに、今の継続できない暮らし方を家族はとても心配しています。

でも、いずれは施設に入り、そこでお迎えを待っているという認識があるなら、現状の生活に無駄があったとしてもそれをやめさせる理由はありません。

70代と80代では雰囲気が違いますし、90代になると日々お迎えと背中合わせです。

というのも、施設にいる利用者も、昨日まで元気だったのに、今朝急に体調を崩して、ベッドに寝たきりとなってしまうことも少なくありません。

その後、回復することもあれば、さらに一段階進み、食事量が減ってしまえば、ターミナルケアが始まります。

例外なく誰しもが通る道ではありますが、どんな風に迎えるのかをまだ判断できる時に決めておくことは有益です。

しかし、誰しもがそこまで決められるものではなく、こみちとしては在宅生活が難しくなったら施設入所で良いと思います。

父親の場合なら、早いと五年後、一般的には十年後くらいしたら、施設での暮らしになるでしょう。

できれば、まだ健康なうちに施設を見学させてもらい、どんな暮らしが待っているのかを知っておいた方がいいでしょう。

というのも、いずれ行くことになる場所を知っておけば、残された時間の過ごし方が違うからです。

それでも日々の過ごし方が変わらないのなら、もうそれが本人の望む生き方ですから、まわりでとやかく言う話ではありません。

こみち自身だって、脳梗塞にでもなれば、半身麻痺になってしまうことも想定できますし、歩いてトイレに行けませんから、介護サービスも視野に入ります。

まして70代を過ぎた年齢なら、好きに生きた方がいいですし、家族の手に負えなくなったら施設入所して介護士に支援を頼みましょう。

でも、入所するのも月額10万円くらいは必要ですから、簡単に老後を迎えることはできません。

健康維持同様に、しっかりと資金を蓄えておかないと家族が苦労します。

中高年と呼ばれる年代になったら、一度は施設見学をした方がいいですよ。

自身の未来がはっきりと見えてきます。