中高年にとって目指すべき「理想的な介護職」とは

 未経験から始めて分かったこと

転職やリストラなどの理由で職を失った中高年が、次の仕事を探すのは簡単ではありません。

特に、正社員として雇用されるとなると職種も限られてきます。

その限られた職種の一つが介護士になります。

しかし、やりがいがある仕事ではありますが、肉体的にも精神的にも厳しい面があり、報酬という面でも異業種同様とはなりません。

ただ、中高年でも比較的採用されやすいことが利点で、実際、こみちが勤務している施設でも60代や70代の人がたくさん働いています。

中高年で仕事探しをしている人が、これから10年が経過して60代や70代になった時を考えると、今からの仕事選びがどれほど重要かは想像できるでしょう。

例えば、安いと言われる介護士を嫌って、別のもっと割のいい仕事を見つけてたとしても、60代になってからでは介護士として働く場合でも大変さは倍増します。

つまり、本気で成りたい職業が決まっているならまた別の話ですが、リストラや急な転職などで仕事を早く見つけたいと考えるなら、採用されやすい介護士は魅力的です。

介護士を副業的に活用する!?

こみちが推奨する介護士の働き方は、2パターンあります。

1つ目が、それこそ常勤スタッフとして、月に8休や7休のペースで働くスタイルです。

簡単に言えば、週休2日のサラリーマン時代と変わらない労働で、ただ介護士の場合には夜勤帯や早出、遅出と通常勤務以外にも様々な時間帯があって、ライフスタイルをコントロールするのが大変です。

目安としては、そこまでガッツリと働いて、年収350万円くらいなので、中高年の方々の認識では少なく感じるのではないでしょうか。

もちろんボーナス込みの金額なので、月収では20万円を少し超えるくらいです。

つまり、ガッツリと介護士一本でガッツリと満足な金額を稼ぎ出すのは難しいでしょう。

そこで、介護士という職を保険的に使い、正社員となる常勤スタッフではなく、休日や勤務時間帯を選びやすいパートスタッフや、派遣スタッフを選ぶのです。

というのも、パートや派遣スタッフを選んで最もデメリットになるのが、賞与や昇給の部分でしょう。

だいたい賞与4ヶ月分と言われた時に、月収×4ヶ月を想像しがちですが、多くは基本給×4ヶ月です。

月収とは、基本給にさまざまな手当が加算されていて、例えば月収20万円の場合でも基本給は15万円くらいに設定されていたりします。

つまり月収換算なら20万円の場合には4ヶ月分なら80万円ですが、基本給ベースなら60万円になります。

これが、4ヶ月分ではなく、2ヶ月分と短くなれば、さらに振り込まれる金額は減ってしまいます。

そう考えると、拘束される時間帯が増える常勤採用を諦めて、自由に働けるパートや、時間が決まっている派遣スタッフを選ぶことで、副業化することも可能です。

そう考えるに至った理由は、30代ならまだしも、50代や60代で夜勤も早朝もと言われるままに生活リズムを変えて働けないと思ったからです。

もちろん、50代や60代でも夜勤をこなすスタッフはたくさんいます。

例えば、20代や30代から働き続けて来て、年収がそれなりにアップしているなら中高年でも継続するメリットはあるでしょう。

しかし、中高年からの採用となると、すべてこなして月給20万円。手取りで16万円となると、正社員の利点って何だろうかと感じます。

パートスタッフでも社会保険には加入できますし、その意味では賞与とベースアップがどれだけ期待できるかがポイントです。

こみちがパートスタッフにした理由

こみちはパートスタッフにしたことで、夜勤帯勤務から解放されました。

16時間の拘束は、実質的には18時間超えもあるほどの激務です。

夜勤手当というものがあって、施設によって異なりますが、5000円とか7000円とか、給料とは別に支給されます。

もっとも、深夜や夜間勤務の場合、法律で加算が義務づけられているので、「手当無し」ということは認められていません。

いずれにしても、夜勤明けのフラフラ状態で帰宅することを経験すれば、手当欲しさにいつまで粘れるのかと考えたりもします。

これがまだ30代や、遅くても40代前半なら、頑張れるかもしれません。

しかし、中高年から転職して、慣れない仕事で長時間労働をこなしてをこの先も10年続けられるとは思えませんでした。

だったら、介護士を副業として、もう一つ別の仕事を見つけて、必要に応じてそのバランスを変えれば良いの考えたのです。

ポイントは「介護福祉士」の条件を満たすこと

介護士としての報酬は、勤務年数以上に所持している資格が重要です。

だいたいの目安として、介護福祉士は、実務者研修修了者(介護福祉士の受験資格を持ちながらまだ試験には合格していない人を含む)の時間給で50円くらい差があります。

つまり、月収換算で1万円くらいの差になるでしょうか。

さらに初任者研修とを比べてば、さらに50円くらいの差なので、月額で2万円違うことになります。

逆に、初任者研修で働き始めて、月収換算で1万円のベースアップを果たすことは不可能かもしれません。

あるとすれば、パートから常勤採用となり、夜勤勤務の回数を増やすことでしょう。

もちろん、介護福祉士の資格者が同じことをすれば、さらに2万円上乗せされるので、長く介護士として働くなら「介護福祉士」になることが大切です。

介護福祉士として働くことで、派遣スタッフとして採用される際も時間給の上乗せが期待できますし、採用してくれる可能性も高まり、より安定した就労ができます。

そこで、常勤採用やパート採用を問わず、先ずはトータル3年以上の勤務を週4日ペース以上で継続しましょう。

そして、介護福祉士の資格を得たら、その後はガッツリでも副業でも自分の希望で選べば良いのです。