サラリーマンと個人事業主

 あなたにはどちらの生き方が合っているのか?

サラリーマンと個人事業主の違いは、「スピード感」でしょう。

もちろん、サラリーマンの中にも、「時間」を意識して仕事している方もいらっしゃいます。

納期という時間ではなく、入社して何年目に何をしているか?という意味での「時間感覚」です。

例えば、どんな業界で働いていたとしても、法律や税務に関する知識は無駄にはなりません。

つまり、サラリーマンをしながら、「司法試験」や「司法書士」、「社会保険労務士」などを目指す意識がある人は、「時間感覚」を持っているでしょう。

また、それぞれの業界にいると、いくつか資格を取る機会がありますが、それが「縦方向」なら、「横方向」になる資格を意識することも大切です。

こみちは介護士として働いています。

つまり、縦方向で言えば、「介護福祉士」や「介護支援専門員」が縦方向の資格でしょう。

横方向を挙げると、「行政書士」や「ファイナンシャルプランナー」「建築士」、「普通自動車第二種免許」などがあります。

ある意味で、縦と横に強くなれば、個人事業主として活躍できるチャンスは広がります。

逆に縦のみや、横のみというと、サラリーマン向きなるでしょう。

資格ではなく、キャリアでも同じようなことが言えます。

例えば、語学力は横方向に強く、海外でもチャンスがあれば動ける人と、国内に残りたい人では「フィールド」が違います。

特に技術系に強い人が、交渉にも強くなると活躍できるチャンスは増えます。

理系出身者が、営業マンを会社から勧められた時に、「オレは専門家だ!」と思うのか、「チャンスが広がるかもしれない!」と思えるかは、後々に差が出ます。

中高年に限らず、働く人はどんな分野であれ「専門家」になることです。

広く使える知識や技なら活かしやすいですが、そうでなくても、横方向を意識することでポテンシャルは拡大します。

つまり、「原点」となる部分を早い段階で作ると、それを拠点に伸ばしていけるでしょう。

一方で、「そこそこ」をいくつも作るのは、器用貧乏と呼ばれ、仕事では使えないスキルになってしまいます。

例えば、「アイスクリーム」の専門家になるとしたら、数多くのアイスを食べるのはもちろんですが、時代や世代、地域差などで売れ筋を分析したり、アイスクリームを製造する技術や各企業のこだわりまで掘り下げていければ、専門家と呼ばれるでしょう。

場合によっては、一般企業が何らかの理由で製造に踏み切れない「味」を自社プロデュースで展開することも可能です。

それはつまり、アイスクリームで原点を作ったからこそ、状況に応じて展開できるようになるのです。

脱サラして「喫茶店」や「蕎麦屋」を始める!?

これまで飲食関係の仕事に関わっていなかった人が、いきなり脱サラして「喫茶店」や「蕎麦屋」を始めるのは無謀でしょう。

それは喫茶店や蕎麦屋も個人事業主であり、サラリーマンとは異なる儲け方をしているからです。

まず大きな誤解が、「美味しいか否か?」という意識です。

言い方を変えれば、「美味しくないもの」は売れません。

しかし、「美味しい」から売れるのでもありません。

つまり、その価格なら「買いたい」と思ってもらえることが不可欠です。

もっと言えば、価格設定をすることは、これからどんなサービスでもてなすかも決めることで、地域や年代、趣味嗜好をどこまで分析して店舗を出すかも重要です。

気軽に入れる店を目指すのか、少し高級な路線で勝負するのかでも、店作りやメニューまで変わってきます。

言うなれば、横方向の意識がないと個人事業主は続きません。

縦方向が求められることが多いサラリーマンになれると、専門知識だけでいつでも起業できると思ってしまいます。

しかし、勤務先の看板がなくなると、これまで親しくしてくれた会社からそっぽを向かれることだってよくあります。

というのも、サラリーマンとして親しくなった相手企業を個人事業主になったからと言って営業を仕掛けるのはご法度だからです。

個人事業主になるとは、これまで勤務してきた会社と対等になることでもあり、与えられた環境を無駄で使い続けることはできません。

それが組織を抜けるということだからです。

サラリーマン時代に覚えた知識や技術をそのまま、個人事業主になってからも使い続けるべきではなく、だからこそ地域を分けたり手法を変えるなどして、迷惑を掛けないようにしましょう。