「良い人」と「悪い人」の違いを考える

 「良い人」って何だろう?

いろいろな言い方ができると思いますが、「良い人」とは他人から信頼される人ではないでしょうか。

しかし、少し別の言い方で「人がいい」になると印象が変わります。

こみち自身信念として、「良い人」が最終的には幸福を得ると思っていますが、そもそもなるのも大変ですし、嫌な役回りも多いはずです。

「悪い人」って?

逆に「悪い人」ってどんな人でしょうか。

「良い人」の反対と考えれば、信頼されないとか、信頼できない人。

つまり、その人と距離を置きたいなぁと思わせる人になるでしょうか。

社会生活における「良い人」と「悪い人」

会社や学校など、ある一定数人間が集まる「社会」の中では必ず「良い人」や「悪い人」が現れます。

規模に関わらず、社会は運営されるものなので、必然的に「信頼」が求められるからでしょう。

「約束を守れる人」や「誰からも好かれる人」というのは、天性のものもありますが、後天的に身につける「教育」によって培われることもあります。

特に「環境」というのは大切で、親子間や友人関係などでも「信頼できる人」がいるかどうかは、精神的な成長に深く関係して来ると感じます。

大人社会にみる「良い人」と「悪い人」

ある意味、この記事の本質はここからです。

介護職として支援が必要となった高齢者を支援していると、その人の「人柄」を知ることになります。

多くの人は、とても「良い人」だと思います。

逆に「悪い人」にあったことはありません。

というのも、高齢者だからと言って全くの遠慮や駆け引きがない訳ではなく、むしろ介護施設のような場所では何かと気を使わなければいけないほどです。

「無駄口には注意している」と言う人は、他人との適度な距離感がどれだけ大切かをよく理解しているでしょう。

一方で、介護職における役回りは、時には理不尽な要求をして来る利用者であっても、無下にはできません。

中には早々に察して、そのような状況に陥いる前に回避する介護職もいるほどです。

「面倒なこと」には近づかない。

「良い人」や「悪い人」が信頼できるか否かにあるとしたら、その場面を回避してしまうのです。

しかし、回避しても「問題」は解決していません。

「良い人」は自ら進んで、もしくは避けることなく、そんな問題を解決しようとするでしょう。

一方で、「悪い人」は問題解決の本質と向き合わずに、例えば「何で必要なの?」と要求する相手に問題を諦めさせたりします。

別の言い方をすれば、「良い人」は他人から好かれます。

もちろん、好かれるとは、「人として愛している」ではなく、「自分にとって都合が良い」と言う相手です。

信頼できる人だから、任せておけば仕事をしてくれると言うのもその一つでしょう。

一般的な社会では、信頼され、実績が認められると出世ができます。

なぜなら、出世は信頼できる人同士の集まりだからです。

ところが、もう一歩踏み込めば、「良い人」ではなく「信頼される人」になれば良いと考えて、社会的地位のある人だけを大切にする人も現れます。

確かに社会的地位ある人にとって「良い人」なら、出世できる可能性があるからです。

同じ人なのに、良い人だったり悪い人だったり、人はいろんな「顔」を持っていて、上手に使い分けるからこそ、自分を壊さないで生きていけるのでしょう。

つまり、ここで言う「悪い人」は、信頼できない人を指していますが、「私には難しいことです」と要求を回避することで「悪い人」を演じることも必要になってきます。

人との距離感が上手に取れる人は、「良い人」ではなく、「器用な人」なのでしょう。

すべてにおいて「良い人」を続けようとしても、無理が募って自分が壊れてしまいます。

一方で、「悪い人」だけでは、社会的信頼させずに「孤独」になったり、近づいても「避けられてしまう」と言う状況になるでしょう。

不器用な人は、「良い人」や「悪い人」のどちらだけに偏る傾向が強く、状況を先読みして「事前に回避」したり、自分の性格や好みを小出しにして相手からも分かりやすくアピールした方がいいでしょう。

「悪い人」と思われたくない一心で、嫌な役回りを全部引き受ける必要はありません。

なぜなら、そこまでしても「良い人」ではなく、「都合の良い人」になるからです。

引き受けるべきか否かを考えて、「必要な時」に力を発揮すれば信頼される「良い人」になれます。