「 寄り添い」とは何か?
「寄り添い」という言葉は、介護の仕事に就くと何度も耳にするはずです。
それだけに「寄り添い」の意味や目的に関心を寄せる人もいるでしょう。
しかし、介護現場に立つと、それぞれの介護士が「寄り添う」限界値が異なることに気付きます。
というのも、利用者も人なので、好みや相性があり、この人だから話すとか、この人に頼みたいと言う異なりがあるからです。
徹底的に「寄り添い」を実践してみると
介護現場に立ち、利用者たちとできる限り寄り添うことで、休日明けに感じていたよそよそしさは感じなくなりました。
一方で、利用者の中には「オレはこみちの負担になっていないか?」とか、「もっと私の所にも来てよ!」とか、「来てくれて嬉しい!」といろいろな人から温かい言葉をもらいました。
ただ、中高年になったこみちにとって、十年前なら継続できたであろうボリュームを抱えるには限界があります。
誰かにサポートしてもらったり、組織化しなければ克服できないと実感するのです。
なぜ「寄り添い」が重要なのか?
質の高い「寄り添い」は、利用者のホンネや抱える問題点を見つけるきっかけになります。
なぜなら利用者は多くの場合で言いたいことをグッと我慢しているからです。
もちろん、利用者だって言えないことや言いたくないことがあるでしょう。
それを無理に、例えば「寄り添い」のテクニックで聞き出そうとする必要はありません。
でも、言えずに溜め込んでいる「不満」や「孤独感」は、できる限り吐き出してもらえたら気持ちが楽になれるでしょう。
そのためには、相手は誰でもいいのではなく、「この人になら話してもいい!」と思ってもらえる存在でなければいけません。
「寄り添い」をしないとどうなるのか?
事務的な介護を続けていると、利用者は多かれ少なかれ消極的になってしまいます。
例えば、同じフロアに他の利用者がいても、一日中誰とも話をしないことが起こり得ます。
無口になると、言葉が出来てこないだけでなく、感情をコントロールする能力も衰えてしまいます。
我々中高年だって、長期間の就活を経験すると、自身の価値や存在意義を段々と否定する傾向にあるのは、社会とのつながりがどれだけ大切なのかを表しているでしょう。
ある車イスを使う利用者が、「立ちたい」と訴えるようになりました。
他の介護士たちは、どうしたんだろうと不思議がります。
例えば、その利用者が、施設での暮らしに不満や戸惑いを感じていて、でも車イスだけにどうすることもできなくなっていたら、「立ちたい」と思うのではないでしょうか。
結局のところ、表面的な現象だけを追うと、真実は見えてきません。
しかし、見方や観察を変えることで、ある時に「真実」に気づけることもあります。
できない人には、とても困難なことですが、それをしなければ利用者の心身能力は減少の一途をたどります。
「なぜ、こんな短期間に?」
しかし原因もなく起こることではありません。
介護士のちょっとした行動や声掛けによって、利用者の生き生きとした表情は作られるのです。