先輩介護士との衝突!?

衝突はこうして起きた

ある利用者の誤認から、「何で取り残されるんだ!」と言い出したのです。

ちょうどフロアーには他の利用者も集まっていて、リハビリを終えて戻って来た利用者は、昼食を食べられなかったと勘違いして怒り出しました。

問題は、怒り出した利用者のことを放置し続ける先輩介護士の対応でした。

今まで、何かとこみちたち後輩介護士に面倒な雑用を当然のように押し付け、楽な仕事ばかりを選んでいた先輩介護士ですから、本心としては怒った利用者の対応に行かないことも分かっています。

ですが、「こみちさん、電話ですよ!」とこみちが怒っている利用者と向き合い、事情を確認している時に口を挟んで来たのです。

先ずはなぜ、その利用者が怒ったのか。

簡単に言ってしまえば、昼食の時間を過ぎてフロアーに戻ってきたら、自分の食べる食事が片付けられていたと思い込んでいました。

それで、「何で取り残されるんだ!」と吹っ掛けて来たのです。

一方の先輩介護士は、怒っていたとは気づかなかったと言います。

少し耳を疑うことですが、ある意味でそうだったのかも知れません。

そこで、利用者との話し合いを中断し、「電話って誰からだったんですか?」と先輩介護士に聞きました。

すると、「ウソだよ。大変そうだったから」と先輩介護士が笑いながら答えます。

「だって仕事もあるし!」と続けた瞬間、ずっと我慢して来たこみちの感情が爆発してしまいました。

「介護士の仕事って何ですか?」

つまり、こみちにすれば、誤解だったとしても怒り出した利用者と向き合い、その原因を共有する中で信頼関係が生まれると感じます。

実際、別の部署で扱えなかった利用者も、こみちの所ではみんな生き生きと過ごしています。

それは、「介護」への理解やアプローチの柔軟性、さらには利用者のサポートをすると言う意識の違いでしょう。

ショート入所してくれた利用者の家族から、介護施設を経験できて良かったと言ってもらえたのも、まだまだ手探りではあっても「利用者ファースト」を心がけた結果です。

先輩介護士の理解では、決められた項目を果たすことが仕事だったようです。

怒った利用者は、説明しても理解できない人で、でも事前に決められたサービスは提供しているという認識なのです。

「これ以上、何をしろと?」

そんなやり取りを経て、こみちが言ったのは「違いの介護の認識が異なるのでしょう。もうこんな時間なので話すのをやめます」でした。

午前中も、タオルの束をカウンターに投げ置いて、「畳んで!!」と後輩をいつもアゴで使います。

先輩なので仕方ないかと思う反面、介護士なのに「相手の気持ちが分からないのかな?」という印象でした。

介護士の給料は安いの?

介護士の給料は、異業種と比較してもまだまだ十分ではありません。

その理由の一つが、「雑用係」の域を超えられないからでしょう。

これが看護師や薬剤師なら、大学などで専門教育を受けた人として、社会的にも一定の評価を得られます。

しかし、介護士と言うのは、未経験でも始められるほど、裾野が広く、それは逆に「介護士って誰でもできるんでしょう?」と思われても仕方ありません。

言い換えれば、そこから脱する努力を介護士個人が行うべきなのです。

例えば、国家資格である「介護福祉士」を取るのも、資格としては業務独占もないので、効力は強くないかも知れません。

でも、それさえ取得しないで、独自の価値観で「介護士って評価が低い」と言っても業界は変わりません。

接し方次第で利用者の表情が柔らかくなることに気づけば、必要な介護ってあるように思うのです。

これは、医療知識のある看護師でも簡単には踏み込めない領域で、だからこそ介護士の専門性を発揮できるチャンスなのです。

利用者と関わること、関わるための時間をどう作っていけるかが重要です。

つまり、ルーチンワークばかりしていても、介護士の社会的地位は変わりませんし、専門性もなければ、雑用係と呼ばれるままでしょう。

先輩介護士が後輩介護士に面倒な仕事を押し付けて、自分は楽をする。

そのために介護士があるとは思いたくありません。

例えば、日頃は後輩をこき使う先輩介護士でも、利用者との向き合いでは尊敬や勉強になる一面を見せてくれたらいくらでもアゴで使って欲しいくらいです。

それが、普段はアゴで使い、肝心な時は何処かに消えてしまうでは、ちょっと「???」になってしまいます。

現役の介護士として、どうしてこんなにも大変な仕事なのに「社会的に評価されないんだろうか?」と思うのです。

しかしながら、まだまだ介護士が「社会から求められている介護」を理解していないのかも知れません。

家族の面倒を見ていると言う認識だとしたら、介護士を辞めて欲しいくらいですが、まだまだ介護士の仕事が変化して来たことに気付いていないのでしょう。

「安いから…」

その意識を変えようとしないで、給料ばかりを理由にしても、現場では浮いた存在です。

でも、これまでの我慢が爆発させてしまったことに、大人気なかったと反省しています。

面白いもので、やり取りに気づいた利用者たちからは「大丈夫なの?」とか「ありがとう」と言う言葉をもらいました。

これから、その先輩介護士がどんな対応を見せるのか、ちょっと気になります。