介護現場を改革せよ!?

 介護現場では何か起きているのか?

介護未経験者にとって、介護士の仕事場がどのような場所なのか知りたいでしょう。

こみちも未経験者だった頃、思うのは「オムツ交換をする」というようなイメージでした。

結論を言ってしまえば、「我々が暮らしている社会」と同じです。

多分、それではピンと来ないと思うのでもう少し補足すると、同じライフスタイルを持たない人同士が肩寄せ合って暮らしている場所なのです。

例えば、目の前に5人の利用者が座っていたとします。

目安として、要介護3以上(4や5)の人は、車イスを使っています。

まれに要介護3で歩くことができる人は、認知機能に低下が見られるなど、日常生活を送るうえでの支障を抱えていたりします。

もちろん、精神的な面でサポートが必要な人もいれば、肉体的に手足が不自由になっている人もいます。

つまり、それぞれの人が介護施設を理由するに至った理由は異なります。

そんな利用者たちに規定されたサービスと個別のサービスを提供するのが介護士の仕事というわけです。

ということは、「オムツ交換」も仕事なのですが、こみちとしては全体の10%程度という認識でしょうか。

介護士のスキルを数値化することができたとしたら…

もしも介護士のスキルを数値化できるとしたら、「80」以上の人が一定数集まった介護現場は平穏そのものです。

利用者が何かを訴えたとしても、そこにいる介護士が瞬時に対応してまたすぐに平穏になります。

しかし、「70」や「60」の介護士が多くなると、一歩二歩遅れて対応します。

それが段々と全体としてずれ込み、平穏には戻らないで、少し慌しい雰囲気になります。

それも処理が済めばの話で、応対できない事態になると、一気に介護現場が統制を失った状態に変わります。

具体的には、いろいろな利用者が「お願いします!」と訴え、中には痺れを切らせてテーブルなどを叩いて騒ぎ出すようなイメージでしょうか。

外部からみれば、介護現場がうまく回っていないと分かります。

興味深いのは、未経験者ばかりだから介護現場が回せないのではないことです。

例えば、「オムツ交換」や「トイレ誘導」など、介護士がよく行う行為ができる場合でも、メンバーによっては騒がしい雰囲気になってしまいます。

実際に働いている時に気づいたのですが、利用者の要求が分かってから動き出すまでの「時間」がとても重要です。

ソワソワした利用者がいたら、言葉ではうまく説明できない時でも、何かして欲しいことがあるからこそ落ち着かないのです。

立ち上がったり、騒ぎ出してから「どうしたの?」というのではちょっと遅くて、もっと早い段階で対応することが、不穏さを連鎖させないコツでしょう。

イメージとして、オムツ交換ができる介護士は、もう「60点」になっているはずです。

そこから身につけるべきことは、「利用者への寄り添い」になります。

「寄り添い」とは、利用者の人生観や性格、生きる目的や嗜好など、その人がその人らしく暮らしていくためのアセスメントや支援を指します。

そばにいることが「寄り添い」ではなく、話相手になるだけでは本当の意味で「寄り添い」ではないでしょう。

利用者の心が動き、安らぎや癒しを感じられた時が、「寄り添い」に基づいた会話をしていることになります。

つまり、目で見える作業をマスターすれば、介護現場で働くことができます。

一方で、「寄り添い」ができる介護士がいると、介護現場はとても穏やかで、のんびりと寛いだ雰囲気が漂います。

もちろん、介護士たちの表情にも焦りがなく、穏やかな表情で利用者に接しているでしょう。

介護の学校に通っていた時、利用者の目線に合わせることを教えられました。

もちろんそれは、今まで「寄り添い」を意識していなかった人にわかってもらうための「表現」で、実際は「場のコントロール」をすることでもあります。

介護士同士でオムツ交換のスピードを競っても、3倍は変わらないでしょう。

しかし、介護現場の雰囲気づくりの違いで、利用者自身が「ここにいて楽しい」という人がいる場合もあれば、「ここには居たくない」と感じる人も出てきます。

施設での暮らしがとても辛いと感じながら、それでも仕方なく我慢している利用者が多い職場ってどうでしょうか。

介護士としてオムツ交換が得意で速いと自慢できても、関わった利用者は無表情でどこか悲しげです。

そんな介護現場であっても、スケジュール通り働いているから問題ないと感じる介護士もいます。

ある意味で、介護士の社会的地位や報酬額が上がらないのは、「寄り添い」ができないからでしょう。

つまり、その介護士に支援されても、利用者にとっては事務的なサポートに過ぎず、日常生活に満足を得られるものではありません。

逆を言えば、機械によって代わっても良いのか、オムツ交換のようなサポートでしょう。

なのに、そこに介護士としての意義や存在価値を見出そうとしても、待遇改善には繋がりません。

今後介護現場で求められるのは「寄り添い」をして、利用者の満足度や幸福感を支えようとして働ける介護士です。

一般的な会社で言えば、「マネジメント」となるでしょうか。

どんな風に支援を打ち出すことで、より利用者に快適な環境支援が行なえるかに意識がないと、規定のスケジュール通り支援し、最低限のサポート体制になるでしょう。

それならどこの介護施設でも行っていて、社会的にも「介護施設って…なところだね」の域を超えられません。

それでは、介護士の報酬額が上がるはずもなく、ハードで大変なのに「安い」という評判になってしまいます。