中高年の仕事選び
現役介護士として介護施設で働いていますが、これまで経験したどんな仕事よりも帰宅後は何もしたくないほど疲れます。
40代と言う年齢も関係していると思いますが、心の片隅では「これだけ頑張っているのに…」と労働に対する報酬額がとてもアンバランスに感じます。
こみちとしては、パートでも時給1500円くらい欲しいですし、常勤スタッフとして夜勤まで行うなら月給40万円は要求したいくらいです。
しかしながら、その金額に手が届かない理由も分かっています。
介護士の給料がなかなか上がらない最大の原因は、「人の世話をするのが仕事」だからです。
ビジネスを考えると、仕組みを作ることも仕事ですし、それを運用管理するのも仕事です。
さらに、与えられた業務を目標に向かって成果を上げるのも仕事です。
つまり、仕事と言っても、ビジネスのどの部分に加わったかで、仕事の方法も得られる報酬も異なります。
そんな例に合わせるとすれば、介護士が担うのは施設から示されたスケジュールに沿って、自身の身体を使うことが仕事です。
これがもしも、利用者を呼び込むためにのPR動画を作るのが仕事であれば、モデル役の利用者相手に介助することで十分です。
しかし介護現場では、いろんな利用者からお声が掛かり、慌ただしく動き回ることが必要になります。
もちろん、声を無視したり、介護士の判断で開始時間を変更すれば、もっとマイペースに仕事ができますが、施設全体で見ると利用者は心から笑わないようになるでしょう。
小説家や漫画家は、マイペースでも黙々と仕事を続けます。
締め切りもあるので、好きな時間だけを仕事に回すことはできません。
でも、介護士と違うのは、「今は急いで先に進もう」とか、「ここは見せ場だからじっくりと時間を掛けて」と、自身の判断で仕事の進め方を変えることができます。
しかしながら、介護士にはそんな権限はなく、あったとしても極力少なくしなければ施設全体の雰囲気に影響が現れます。
ここは介護特有の難しさであり、やりがいにも繋がる部分ですが、「効率化」に進めない根拠にもなっています。
つまり、ある介護士が必要とされる全ての介護スキルを身につけたとしても、勤務時間内にできることは大きく差が生じません。
これが、商品開発であれば、流行やPR戦略によって、大きく売り上げを伸ばすことも十分に考えられるのです。
現場で基礎を学び、企画や戦略にも関われると言う流れがある業界なら、下積みが後々の開花に繋がることもあるでしょう。
しかしながら、介護の場合には現場はいつまでも現場です。
それが大きな特徴であり、自身のスキル磨きにくい部分とも言えます。
こうして考えると、中高年が採用枠の広さに着目して介護士を選ぶのは間違いとは思いません。
一方で、現場での経験をどう活かしていけるのかも視野に入れるべきでしょう。
介護現場から抜け出す理由
こみちは、介護業界関われることを決めた時から、「介護現場からの脱出」を視野に入れてきました。
逆を言えば、介護現場で学ぶべきことは率先して経験するようにもしました。
そうでなければ、「介護現場がどんな所なのか?」答えることができません。
介護士として働いている間に、どれだけ介護現場を深く掘り下げられるかがポイントだと感じます。
介護現場を脱出する方法 その1
ケアマネになることです。
現実を言えば、ケアマネでも介護士として介護現場で働く人は少なくありません。
と言うのも、介護士からケアマネになることはスキルアップなのですが、報酬額としてみると「ダウン」するケースが多く、現状維持を果たすためにも「介護士」として働き続けるのです。
それでも、ケアマネとしての仕事を増やせれば、介護現場から抜け出すことは可能です。
介護現場を脱出する方法 その2
それは、介護の知識や技術を教える講師になることです。
初任者研修の場合には、多くが未経験者です。
そんな人たちに、介護のイロハを伝えるのが役目となります。
知識や技術を教科書によって教えるだけなら、現場経験は必要ありません。
しかし、現場経験を伝えることは、これから介護士として働きたい人には大切な情報です。
老健と特養の違い。特養と有料、サ高住との違い。
知識としての区別ではなく、どんな介護サービスを行うのか、経験者だからこその言葉に意味があるはずです。
介護現場を脱出する方法 その3
異業種に転職する。
中高年の方が採用枠の広さを考えて介護士を選ぶのはとても理に適った選択肢でしょう。
しかし、入職する際は昇給や待遇面、有給休暇やサービス残業の有無など、長い目で見た比較検討が欠かせません。
こみちが勤務する施設でも、サービス残業があります。
多い時は40分くらいになることも珍しくないのです。
この40分って、出勤前の20分と退社後の20分と言う感じで、とても微妙な時間です。
なぜなら、残業代として請求するにはどこか中途半端で、多くの介護士が「サービス残業」として扱っています。
すでに紹介しましたが、介護士の仕事は、時間が掛かることが基本です。
誰かを介助している間は、別の人を介助できません。
つまり、二人分したい時は時間も2倍必要なのです。
スケジュールが終わらない時は、流れでキリのいい所まで残るのが暗黙の了解になっていたら、「時間なので帰ります!」とはなかなか言い出せません。
よくあるのが、突然の休みが出て、勤務時間が延びることでしょう。
朝から働いて午後3時に終わる予定が、日勤帯で休職者が出て、夕方5時や6時まで延長になると言うのは突発的ですが起こります。
同様に夜勤明けで帰れる時間になっても、フロアが落ち着かない時には午前10時になってもまだフロアでサポートしていたりします。
ここでも、求められるのは介護スキルではなく、介護士の存在です。
もちろん働くことには変わりありませんが、誰かが二人分も三人分も働けない以上、「頭数」として必要とされます。
それが時に、個々の介護士に疲労を蓄積させ、介護現場が質の向上よりもるルーチンワークに追われるのです。
意外とそんな介護施設は少なくないでしょう。
その脱却策が、介護士主体の働き方で、利用者がどんどん置き去りになってしまいます。
テーブルに座る利用者たちが、ぼんやりと元気なさそうに座っている施設を見たことないでしょうか。
「ここに居て利用者は楽しいのだろうか?」
そう感じた時は、その理由を考えましょう。
中高年の方が介護士を選ぶなら
先ずは3年を一区切りとして、介護福祉士を目指しましょう。
介護福祉士を取得すると、「講師」への道が拓けるからです。
専門職として、作業療法士や理学療法士という選択肢もありますが、時間とコスト、見返りを考えると、中高年からの挑戦は強い志しが不可欠です。
長く働けるので、基本スキルを身につければ、副業としても有効ですし、派遣社員として稼ぐことも可能です。
経験しておいて損はないキャリアだと思っています。