報酬による還元は最終手段!?
仕事と報酬は密な関係にあります。
しかしながら、経営者としてはランニングコストを管理することも重要なファクターです。
つまり、現場で働く介護士により高い報酬を支払うと言うのは、もっとも簡単で最終的な選択肢でもあります。
また、高い報酬を支払う場合、どのような労働を求めるのか明確でなければ、期待したような成果には繋がりません。
かと言って、一度上げた報酬を安易に引き下げることになれば、現場は混乱し、今以上に回らない状況が続くでしょう。
介護士にとってのやりがいとは?
介護の現場は、決して楽しいことばかりではありません。
それは、入所している利用者の「人生」に向き合い、楽しさと同時に「悲しみ」にも関わるからです。
「キレイゴト」では語れることではなく、向き合えば向き合うだけ利用者の立場や心情に触れていくからでしょう。
そのためには、介護士として介護スキルが有る無し以前に、利用者とどれだけ懸命に関われるかがポイントになります。
ある意味では、「そのような関わり方」を施設として求めているのか示す必要があるでしょう。
中高年から介護士になったこみちとしては、敬語やビジネスマナーのような形式的なことも取っ掛かりとしては良いと思いますが、相手の人生観に歩み寄ることができるのかが問われると思うのです。
その意味では、医療を扱う看護師とは異なるスキルが求められますし、心身機能の回復改善を担当するリハビリの先生とも異なるでしょう。
ところが、介護士がそのような「専門性」を発揮させるのではなく、看護師や作業療法士のマネごとに終始してしまう現状こそ、介護方針の徹底化が行われていないからだと感じます。
一方で、介護士になりたい人というのは、とても様々な背景を持った人たちです。
こみちのように中高年になって再就職を迫られ、結果的に「介護士」となった人も少なくありません。
「介護とは何か?」さえ十分に理解できないまま、オムツ交換のような目の前にある仕事に取り組んでいる人も少なくないでしょう。
今、こみちの施設では、定時のオムツ交換に加えて、利用者の要望や介護士の判断でオムツの確認や交換を行っています。
そのきっかけは、不快感から排せつ物を触ってしまう利用者が入所したからで、完全とは言えないまでも症状が改善してきました。
同時に、介護士にとって「オムツ交換」は仕事という位置づけではなく、声掛け並みに当たり前のことで、時間さえ確保できれば「確認して来ます」と伝えて、何度でも行う作業になっています。
つまり、衣類の着脱やトイレ誘導に関しても同じことで、介護そのものが特別な作業ではなく、介護士が目指すのは利用者への「寄り添い」に変化して来ました。
実際、オムツ交換ができることが介護士のやりがいではありません。
高い介護スキルを身につけて、その先で何をどうして行くのかが、「やりがい」に繋がると思います。
つまりは、利用者を知り、過去の経験や今の想い、これからのことを介護士が少しでも共有できることが求められるでしょう。
現場を回すだけの介護士にならないために
多くの介護施設では、人手不足が深刻です。
その背景には、介護士の役割やその対価が見合っていないと思うからです。
しかしながら、介護士にも様々なタイプがいて、そもそも介護スキルに乏しい人や、一応のスキルはあっても利用者に寄り添えない人もいます。
とても難しい部分ですが、利用者に向き合うということは、言葉やサービスでは対応できません。
結局は介護士の思いやりなので、その人の考え方や人への理解で変わってしまいます。
例えば、多くの本に触れた人は、いろんな人生を擬似体験したはずです。
利用者に読書好きがいれば、介護士がそんな話題を提供した時に、何らかの共感が生まれるでしょう。
きっかけは何でも良いのですが、逆に何もない場合には施設が示す介護方針に沿って利用者と接することになります。
日常的な話題が中心でも、時には深い話ができると、その場では解決できないにしても利用者の気持ちは癒されると思います。
まるで物を扱うような介護なってしまうと、それを敏感に感じ取り利用者は施設での暮らしに複雑な思いを感じるでしょう。
こみちは、自宅以上に安らげる場所はないと思っています。
しかしながら、いろんな理由でそれが難しくなり、施設で暮らすことになった利用者には、少しでも自分らしく過ごして欲しいのです。
同情しているのではありません。
なぜなら、これから数十年後にはこみち自身も施設を利用しているかもしれません。
その時に、介護士から暴言や心ない振る舞いを受けながら、余生を過ごしたくはないのです。
しかし、人手不足もあって、多くの介護士は寄り添いもできずに、日々の作業に追われています。
同時に心が疲弊し、介護士としての意義や役割見失ってしまうかもしれません。
だからこそ、介護士のやりがいが見つけることが大切で、そのためにも業界を通じた改革が求めれるのです。