なぜ、ケアプランなのか?
現行の「公的な介護」を考えるには、「介護保険制度」に立ち返る必要があります。
我々介護士は、「介護保険制度」に基づいてサービスを提供しているからです。
同時に、「介護」という壮大な意味を持つ言葉も、方法性を持って理解することができるでしょう。
多くの介護士が見つめているのは?
介護現場で働いていれば、日々の出来事に追われます。
そこには大きな要求もあれば、それほど大きな要求でないこともあるはずです。
しかし、介護士はそこにどれだけ重大な意味があるのかよりも、日常的な習慣に基づいて行動しているのが現場です。
つまり、「ケアプラン」に沿った行動を意識しているのかと問われたなら、全ての介護士が意識できているとは言い切れません。
「ケアプラン」とは何か?
公的な介護サービスを受けるには、認定調査を行う必要があります。
この認識調査は、どれだけの公的な介護サービスを必要としているかを考える最初の一歩です。
私財が十分で、人を雇い入れることができるのであれば、例えば「住み込み」でお手伝いさんを使うこともできるでしょう。
その際に行う内容は、民間の雇用契約に従うもので、「公序良俗」に反しなければ大きな問題にはならないでしょう。
ここでいう公序良俗とは、雇い入れる立場の者が一方的に優位となり、相手の同意なく強制させるような働き方を指します。
残念なことですが、「大人になった社会」では、本来の評価がそのまま反映されるものではなく、過大評価によって虚勢を張る人もいれば、逆に秘めた才能を誇示することもなく社会の日陰で細々と生きている人もいるはずです。
少し話が外れてしまいましたが、限られた国の予算(国民から集められた税金)で、高齢者の福祉をどう構築するべきかは、政治的な側面もあるでしょう。
その上で、介護業界をどうルール付けし、運営して行くべきか示す必要があります。
その方向性こそが「介護保険制度」であり、その中で重要な役割を担うのが「ケアプラン」なのです。
ケアプランで重要なこと
ケアプランは、これから目指す目標や方針が示された計画書です。
特に介護施設に入所する場合、「自宅復帰」と「自身に合ったケア」は大きな意味を持ちます。
つまり、介護施設になぜ来ることになったのかは、利用者となった本人にとって重要なポイントです。
というのも、施設で働いていると多部署から迷い込んでいる利用者がいて、その多くは自宅に帰りたくて出口を探しています。
なぜ、そのようなことになってしまうのでしょうか。
残念なことですが、認知機能が低下すると、今ここにいる理由を理解できない時があるかもしれません。
だからこそ、思い出深い自宅で少したくなるのでしょう。
しかしながら、自宅に戻れないのは利用者本人の介護度だけで決まるのではなく、核家族化が進んだ現代社会では容易に高齢者を受け入れられないこともあるのです。
そのような場合、施設の役割は少し変化し、利用者が以前のような暮らしを取り戻すことよりも、安全で安心した環境を受けながら暮らせることを目指します。
介護士として求められることは、その人らしさに合わせた介護サービスとなるでしょう。
特別養護老人ホームなどは、そんな高齢者に利用していただき、余生を楽しみながら過ごしてもらえるサービスを提供します。
一方で、介護老人保健施設のように、治療などで入院していた人が自宅復帰を前提に介護サービスを提供する施設もあります。
しかし、現状は必ずしも「自宅復帰」を目指したものとは言えず、また介護士の応対もケアプランに沿ったものとは限りません。
本来なら、ケアプランで「自宅復帰」が明示され、それに基づいたサービスを考える必要があります。
残念なことですが、現状ではケアプランが形式的なものになり、十分に機能していないことも少なくありません。
ケアプランの問題点
ケアプランには大きな問題点があります。
と言うのも、ケアプランは利用者に必要とされる介護方針を示すものに過ぎず、地域にそれを提供できる介護施設が存在しなければいけません。
しかしながら、介護施設は今も変革時期であり、介護保険制度に変化してからも現場で働く介護士までその意識が届いていないからです。
一方では、初任者研修などで「ケアプラン」の重要性を学ぶなど、意識改革も行われています。
事件や事故とは呼べないまでも、例えば介護士による利用者への暴言や暴力に近い、又は利用者にはそう感じたような行為が、「介護」であると誤認された現状が残っているのです。