ケアを身につけることで

正しいケアなら相手の心を掴める


少しショッキングな「見出し」かも知れません。

その発端は、先週に入所された男性利用者で、こみちのケアに不満を訴えた方が現れたことでした。

「なぜ、分からないんだ!」

こみちにすれば、利用者の言葉は少し不条理な言い掛かりに思えます。

まず、中高年のこみちにとって、70代80代はちょうど親世代でもあります。

親世代からすれば、子どものすることなど、「危なかしい」と感じるのでしょう。

だからこそ、介護士と利用者の信頼関係を構築することがケアのポイントです。

具体的に実践したことを書き出してみると、最初に行ったことが「あなたを拒絶していません」アピールです。

実はとても重要なことで、「拒絶感」は必ず相手にも伝わります。

言い換えれば、二枚舌や手のひら返しなども、どこかのタイミングで相手に気づかれ、場合によっては絶妙なタイミングで「仕打ち」を受けます。

だからこそ、先ずは相手に敵意がないことを示す意味でも、「笑顔」や「明るい話し方」、「目つき」などが意味を成します。

次に心掛けたことは、「秘密の告白」です。

つまり、「貴方にだけ」を作ることで、両者には特別な関係性が生まれ、短期間に信頼関係を構築できます。

もっとも、相手の心が開き出したタイミングでなければいけません。

まだ心を閉ざしている段階での「秘密」は、逆に「弱みにつけ込む」ネタとなってしまうからです。

相手に告げたことで、その事実が足かせとなり、自分自身の身動きを制限させることにもなるでしょう。

最後が、ストレスフリーの「もてなし」です。

具体的には、膝掛けやメガネなど、その人が必要としているものを絶妙なタイミングで差し出します。

行動にリズムが出ることで、自然と相手の気持ちまで満たされるでしょう。

「待たせてしまった!」と感じさせるのではなく、「手を伸ばしたところにあった」がポイントです。

早く出し過ぎては、相手に窮屈な気持ちにさせてしまいます。

これは介護士というよりも、営業マンが使うテクニックです。

接待ゴルフなどで、相手との信頼関係を作るには「ヨイショするのがポイント」だと思うのは誤解で、大切なのは「相手が心を開いてくれる」きっかけなのです。

だから、時には「相手にズバッと指摘すること」も重要なテクニックになります。

指摘は緊張を生み、共感は緩和に繋がります。

どちらか一方では、相手が信頼感を持てません。

「アイツなら間違えたことをしないだろう!」という感情が信頼関係を作るので、単なる「言いなり」では信頼してもらえないのです。

こみちの場合、共感が芽生え始めた頃でしょうか。

ここから、言えば動いてくれる介護士から、間違えたことはしない介護士に評価が変わることを目指します。

ただ、営業マンが「契約を取る」だけなら、「動ける人」で十分でしょう。

気になることがあれば電話一本で対応してくれたら「良い営業マン」と呼ばれるからです。

「あの営業マンに言えば何とかしてくれるだろう!」と言わしめるのは、本当に手放したくない大切な顧客でしょう。

一回の取引で、通常の数倍を注文してくれるような相手です。

ただ、介護士の場合、どんなに密な関係となっても、介護士の報酬には反映されませんし、その利用者が多くのサービスを使ってくれるワケでもないのです。

その意味では、介護士と利用者の信頼関係も、ビジネスとしては成立し難いでしょう。

どこまで行っても行き着くのは、世話してくれる介護士がいれば、利用者として毎日が過ごしやすいということに過ぎません。

その意味では、介護士としてのやりがいは、見返りを求めない感情と言えるでしょう。

単純に介護施設で働くだけなら、大きなミスをしない介護士で十分かも知れません。

ただ、実際に働いてみて、現場主義を貫くのは簡単なことではないでしょう。

特に中高年の場合、施設での経験を踏まえて、そこからどう発展させるのかがポイントです。

「介護」を自身のライフスタイルに取り入れるなら、「本業」を持っていても良いくらいです。

本業でしっかりと稼ぎ、「介護では人間らしい繋がりを求める」くらいでいいでしょう。

相談員をなっても、利用者一人にどれだけ時間を使えるでしょうか。

結局は既存のサービスを紹介するに過ぎません。

そして、既存のサービスの中に隠された「求めたいサービス」を見抜けるかがポイントです。

ただ、現状としては、同じ介護施設でも介護士それぞれの力量はまるで違います。

誰を見て、その施設のサービスレベルを判断するのかは、とてもできないでしょう。

また、良い介護士が次のステップを目指して職場を辞めてしまうことだって十分にあります。

長く勤める介護士の中には、働きやすさを理由に挙げる人もいるでしょう。

しかしこみちが一回の勤務を終えて、「もう歩けないくらいに疲れた」と感じるのも、それだけサービスを提供した結果です。

とても割に合っているとは思えません。

でも利用者の方々が満足して笑顔になってくれたらと思うからです。

単純に稼ぎたい人は、介護以外の仕事を検討しても良いくらいです。

ただ介護の経験は、人間の根底に直結しているので、幅広く活かせます。

介護と異なる経験を持つ人ほど、価値が出るでしょう。

いずれにしても、正しい「ケア」によって、相手からの信頼を得ることができます。

介護士として働くうえでも、やりがいや達成感に繋がるポイントです。