介護士である前に覚えておきたいこと

介護士である前に「ひとりの大人」


介護施設で働いていると、度々レクリエーションの場面に遭遇します。

歌を歌うこともあれば、体操やダンスなどをして、利用者の心身機能の改善に一役かっているのです。

施設によっては、司会は当番制だったり、勤務実態に合わせて選ばれることもあるでしょう。

人前で歌ったり、話したりが得意な人もいれば、できることならわき役でいたい人もいるはずです。

仕事としての話ではなく、「大人としての振る舞い」として、司会役が決まるまでの流れを見ていると顕著に「人間性」が浮き彫りになるのです。

例えば、司会役を決める状況になって、急に仕事を思い出したようにその場を去ってしまう人がいます。

一度や二度なら分かりますが、毎度のこととなれば「人間性」が分かるでしょう。

一方で、疲れているのに「自分から手を挙げる人」もいます。

司会役が苦痛でない人もいるでしょうし、なかなか決まらない状況にしびれを切らした人もいるはずです。

こみち自身は、「余裕が無くなった時」や「焦り出した時」に人間性が現れると思っています。

中には、マイペースを貫き、焦ることが全くない人もいますが、そんな人は「カリスマ性」がある人か、「変わった人」と呼ばれるのかもしれません。

マイペースというのは、周囲から受ける期待や希望を感じても、自分が決めた順序を変えないことです。

そのペースが平均よりも早いなら、「達人」と呼ばれるでしょう。

しかし、期待に応えるほどの結果を出せない時には、「孤立」した存在になってしまうこともあるはずです。

仕事をしていると、自分の感じる限界近くまで仕事を抱えてしまうことがあります。

神経を集中して、段取りを考えて、ベストな方法で熟すことが必要でしょう。

時には自分だけでは解決できない内容で、相手に催促したり、意見やアドバイスを受けることも含まれます。

自己解決しない内容ほど高度な仕事と言えるでしょうし、単純な条件の仕事ほど誰にでもできる仕事となります。

介護士のスキルで言えば、個別の介助サービスではほとんど差がありません。

そこだけを評価すると、一般的なアルバイトの相場と大差はないでしょう。

しかし、介護士のスキルで差が出るのは、利用者の安心感を抱いたり、幸福を感じることができた時です。

トイレ誘導そのものに差がないとすれば、どこで差が出るのでしょうか。

それはつまり、利用者が「トイレ誘導」をどう理解しているかに尽きます。

用を足すためであれば、安全に行うことがポイントです。

一方で、安らぎや息抜きも兼ねているのならば、介護士とのちょっとした会話が大切だったりするでしょう。

結局のところ、利用者の好みや心地よさに合わせられるか否かが重要で、知らず知らずのうちに介護士は評価や区別をされています。

利用者も大人ですから、「あの介護士はイヤです!」とは言いません。

ただ、気づけば配属先が変わったり、できる仕事が固定されるようになったりするのです。

実はこみち、いろいろな利用者から話を聞かされます。

苦情の場合もあれば、嫌な気持ちになったことなど、幅広い内容です。

ここではその詳細には触れませんが、「質の高い介護施設とは?」の答えが導き出せるほどです。

ではなぜ、そうできないのかと言うと、結局は介護士である前にひとりの大人」と言うことで躓いているように思います。

介護士は、「大きな声を出せばいい」とか、「明るく元気に」とか、そんな単純なことではないことくらい察するでしょう。

結局は振り幅の問題で、パターンや価値観に柔軟性がないと、対応できない介護士になってしまいます。

以前、介護施設の見学をしている時に、「大卒」と「高卒」で入職後のコースが異なることを紹介してくれた所がありました。

当時は、「介護士に学歴?」と思ってり、「動ける人が必要なのでは?」と感じていました。

しかし、実際に働いて気づいたことは、「学歴」そのものではなく、「多様な価値観を咀嚼して自分なりに理解する力」が求められていたのです。

今になれば、「なるほど」と感じる部分があります。

中高年になり、雇ってくれるだけでも感謝しなければいけません。

ただ、自分の時間を「お金」に変えていると言う意識も強く感じます。

介護施設で、決められた仕事をワンパターンで熟すことに、「無駄はないのだろうか?」と思ってしまいます。

利用者の要望や希望を踏まえて、試行錯誤してもなかなか結果に結びつかないと言うような経験ができるなら、介護士に強いやりがいも感じるでしょう。

ところが、適当に理由をつけて、聞こえないふりをしたり、面倒な仕事は難易度に関わらず手を出さなかったりする様を見てしまうと、「介護士のどこに面白味を感じているのか?」を聞きたくなります。

介護士に関わらず、どんな仕事を選んだとしても、その仕事にやりがいを感じなければ、いつかは「壁」が現れるでしょう。

その時に、「自分の歩んで来た道」がなんだったのかと思うでしょうし、急に小さく感じるかも知れません。

自分の評価を人任せにせず、今の収穫が次の何に繋がると考えて進みたいものです。

そのためにも、「大人としての振る舞い」を意識して、そこで言うべきなのかどうかも含めて、考えることが求められます。