振り出しに戻る介護現場

休み明けに見る利用者たち


休み明けに出勤すると、利用者の表情が違っていると感じます。

朝、スタッフに挨拶する傍ら、利用者にも「おはようございます」と告げます。

その時、「おはよう」と言ってくれた利用者の多くは、出勤したばかりでもこみちと話をしたいような雰囲気です。

トイレ誘導する時に、「風邪などはひいていませんか?」と些細な質問を投げかけて、利用者の反応を確認するのですが、答えもそこそこに流暢に長話をする人も多いのです。

思うのは、休んでいる間にどんな対応をしていたのかということ。

事務的な応対に嫌気がさせば、利用者がこみちに話続けるのも分かる気がします。

そんな経験は今に始まったことではありません。

もう半年くらい前から、休み明けの利用者は別人なのです。

いつもしっかりと化粧をする利用者がいて、部屋には若い頃の活動的だったその姿が写真に飾られています。

そんな利用者に声掛けしようと居室を訪れると、ベッド上で不審な動きをしていました。

「〇〇さん!」

「あら!?」

とても驚いていたのは、休み明けだからと思っていました。

「お茶のご用意ができましたよ! どうしたんですか?」

まだ朝だと言うのに、パジャマ姿で今にも寝つこうとしている状況でした。

「何時なの?」

時間を伝えると、とても驚いた様子で身体を起こしはじめました。

その利用者には、軽い認知機能の低下が見られていましたが、昼夜を間違えてしまうことはありませんでした。

もちろん、こんな状況がこみちの休日期間と関連しているかははっきりしません。

しかし、「何かが違っている」と言う感覚は確かに以前からあったのです。

いつもなら半日ほどで…


今日は勤務を終える頃になっても、どこか利用者の落ち着きは戻りません。

さらに言えば、スタッフの中にも「いつもより仕事が進まない!」と訴える人もいました。

介護現場の仕事は、区切りよく進んだ場合と、やり残しが出た場合ではスタッフの疲労も変わります。

勤務の後半にもなれば、ますます苦しい状況となるでしょう。

いつもは騒がない利用者がソワソワし、前触れもなく立ち上がるような「ヒヤリハット」まで出てしまいます。

結局、1日の勤務を終えても利用者の安心した様子を確認できないままでした。

介護サービスの提供によって、利用者の表情は天地ほど違います。

こみちも体力と気力が完全ではないこともあって、利用者に安らぎを届けることができませんでした。

焦ったくもあり、動けない苛立ちもありで、利用者が落ち着かないままなのはとても辛く思えました。

休み前まではあんなにも笑っていたのに…。

たった数日でこの変わり様なのですから、半年や1年も経てば別の施設にいるようなものでしょう。

今日は本当に疲れました。