リーダーが指示を放棄した時
こみちもサラリーマン時代、少数でしたが部下を持っていました。
上司と言う立場になれば、「チームとしての成果」と「部下としてのやりがい」を両立させなければいけないと分かります。
すべての方針を上司のこみちだけで決定しても、部下に丸投げしても思うような結果には結びつきません。
常に部下のスキルを考慮しつつ、チームとしての課題に取り組まなければいけないからです。
そのためには「かつて自分が得意としていた方法」だけでなく、「その人にあった方法を探すこと」もポイントです。
それはつまり、介護でいう「アセスメント」だったりします。
そもそも、介護で学ぶ手法の多くも、一般的なコーチング理論などをアレンジしたもので、理論的には目新しいものではありません。
ただ、未経験者にとっては介護現場の状況が分からないので、利用者がどんな反応を示すのかも未知数でした。
つまり、サラリーマン経験が長い中高年の方ならたとえ介護未経験だったとしても、ある程度仕事を覚えてくると働きやすい環境を築けるでしょう。
そして、リーダーが若い世代の場合には、利用者をサポートするように、彼らとの距離も程度に保ちながら一緒に成長していけばいいのです。
時には「それを今考えるの?」と思うことが出てきたりします。
若い頃なら瞬発力もあったのですが、中高年になると無理を押し切るような仕事はできません。
判断やタイミングを損なう指示に戸惑いや疑問も感じでしょう。
固定給より成果給が嬉しい!?
一回の勤務で、こみちは何回トイレ誘導をしたでしょうか?
誘導する度に記録簿に記載するのですが、「こみち」と言う名前が続きます。
仕事をするだけ新たな仕事が増え、複数の利用者から頼まれごとを受けてしまいます。
本来なら、そんな状況を見てサポートに入るのが普通ですが、動けない先輩介護士が目立ちます。
あと、ミーティングというか思いつきの打ち合わせが長過ぎます。
手足を動かしながらなら理解もできますが、結論の出ないことを延々と話すのは時間の無駄です。
深刻そうな顔をして難しいことを真剣に考えているのも分かりますが、サラリーマン時代にあった意味のない会議同様に、そんな時間の使い方は必要ありません。
1日数時間の労働で報酬を決められるよりも、どれだけの結果残したかで報酬を得る方がいいと感じます。
介護支援の方法はいろいろあって、どれが正解なのかは一概に決められません。
しかし、「そのタイミングではない!」と言うのは分かります。
思いつきで始めるくらいなら、今しなければいけない仕事を先にして欲しいのです。
寄り添いなのか、傾聴なのか、自分の手に負えない状況で利用者の側に居続けるくらいなら、その場を離れる術も身につけるべきでしょう。
「していること」が大切なのではなく、「できたこと」に価値があるからです。
相性もあるので、利用者の波長に合わせられないと気づいたら、その場を一度離れて、別の方法や先輩介護士に支援を仰ぎましょう。
利用者が怒り出したり、完全に不穏状態になってしまったりすると、そこから寄り添う方が時間も手間もかかるからです。
「できないこと」が悪いのではなく、「できないままに場を荒らすこと」が悪いのです。
さっきまで笑顔だった利用者が、休憩をあけて戻ってみると不機嫌で騒いでいるのを見つけると、「何をしたの?」と思ってしまいます。
「お茶を飲ませようとしただけ!」と言うものの、完全に拒否されていると感じたら、介助を中止することも大切です。
それを判断できないなら、先輩やリーダーが指示を出し、場を保つ配慮も必要です。
「自分の失敗ではないから」
そんな気持ちで、見て見ぬふりをすると、全体の作業効率が低下します。
リーダーと言うポジションは、介護現場でもサラリーマンでも同じで、いろんなことを考えて行動できる人が担う役職です。
それなりの報酬を得られるのも、リーダーがいることでチームとして効率的に作業が進むからです。
しかし、介護現場でのリーダーは、手当て無しと言うことも多く、形式的なものだったりします。
それ故に、指示や判断も遅れ気味で、「もっと早く指示を出して欲しい」と言う気持ちになってしまいます。
アットホームな介護が良いの?
少なくとも、アットホームな介護を実現するには、介護士のスキルが一定水準以上でなければいけません。
アットホームとは、形式的ではなく、自由度を維持しながらも結果を出すことなので、個々の介護士がいろんな場面に対処できなければ、施設として破綻してしまいます。
逆に、マニュアル化された形式的な介護は、堅苦しさもありますが未経験者が介護の基本をマスターするのには適しているでしょう。
中高年の方で、「決まりごとが多い施設は…」と思うかもしれないが、自由度の高い環境でスキルを身につけるのは想像以上に大変です。
事実、1年以上経ってもオムツ交換だけでなく、トイレ誘導さえもできない介護士がいるほどです。
利用者の支援の大部分に関わらず、お茶くみやレクリエーションで手拍子を打つだけの人になってしまうと、折角介護業界にいるのにスキルが身につきません。
入職する前に、「この施設で〇〇を覚えるまで辞めない!」と決めるくらいの気構えが必要です。
洗髪の方法を研究する!?
介護の仕事は、ひと通り覚えるのに3ヶ月くらい必要です。
ひと通りとは、排せつ、入浴、食事、レクリエーション、雑務、書類作成など、一般的な介護業務のことです。
しかし、3ヶ月で一周しても、2周目には別の気づきがあります。
入浴で手順を覚えるのが最初だとしたら、「心地よくしっかり洗髪する方法は?」と、新たな着眼点が出てくるでしょう。
そんな風に、やればやるほど、介護の仕事はいろんな場面が見えてくるので、面白くなって来ます。
お茶をどう入れたら美味しくなるだろうか。
配膳する時に茶碗をどこに置くべきか。
利用者が好きな歌はなんだろうか。そしてその頃の出来事やニュースはなんだっただろうか。
そんな風に少しずつ掘り下げていくと、介護スキルではなく、介護のタネが出来上がってきます。
それは誰かに教えられたものと言うよりも、自分が見つけた介護支援の方法です。
きっと、その領域に到達するには、介護業務を5年も10年も続けた場合でしょう。
良い介護施設と良い介護士
現時点で言えることは、良い介護施設はどこにもありません。
良い介護士がいると、その施設は良くなります。
それは、どんなに設備が豪華でも、そこに住む人が幸せを感じなければ住み心地が良くないのと同じです。
つまり、利用者の満足度は、そこで働く介護士で決まります。
そこはやはり、「人」なんだと思います。
良い意味で介護に熱心な人が多ければ施設は良くなりますし、数字を追うような介護になればどこか冷めた雰囲気が見え隠れします。
介護士として、どんな介護を覚えるかはその人が決めること。
つまり、収入を得る手段として割り切るなら、そんな介護に徹するべきでしょう。
しかし、介護現場に出て、利用者と触れ合う中で、いろんな気づきもあるはずです。
自分は「こんな介護をしたい」と言う目標もできるかも知れません。
実はその時になってから、自分が選ぶべき施設も決まるのです。
「先ずは3ヶ月を目標に働いてみよう!」
それくらいの気持ちでいいはずです。
施設見学だけでその施設のすべてはわからないので、良さようだと思ったところに飛び込む勇気も必要です。