先ずは一通りの作業ができるようになること
まだ新人介護士だった頃、利用者にお茶を配るのさえ一人ではできませんでした。
なぜなら、利用者によっては飲み込みに注意が必要で「トロミ」を付けた飲み込みを提供したり、乳製品が禁止になっているなど飲み物の種類に注意が必要だからです。
しかし、1日2日と日数が経過して、いつに間にか作業にも「慣れ」てくると、先輩介護士の指示に素直だった頃を忘れてしまいます。
もちろん、先輩介護士だからと言って完璧な人はいません。
中には介護職をサービス業と捉えずに、利用者に対して「上から」目線な人もいます。
作業に慣れてくると、「そんな方法で良いのかな?」という疑問も出て、先輩介護士からの指示にも生返事をしてしまうことだってあるでしょう。
介護には唯一の「正解」というものがありません。
場合によっては、ある介護士の行為には従う利用者も、別の介護士には拒絶することだって少なくないのです。
しかも従う介護士の介護支援が必ずしも介護技術的に優れているとは限らないのも、不思議なところでしょう。
つまり、結局は利用者も介護士との信頼関係で感情が動きます。
話せない利用者でも、身体を動かせない利用者でも、しっかりと介護士の行為を見ているのは変わりません。
オムツ交換をする時、「ハイ、向こう向いて!」と命令口調になっていないでしょうか。
「もう、動かないでください!」
面倒そうなコメントを口にした介護士に、利用者はとても傷ついています。
それを告げ口しないだけなのです。
「介護の仕事は大変何だ」だから「少しくらい利用者に負担を強いても仕方ない」と思ってしまうのは注意したいポイントです。
確かに、その瞬間、ジッとしていてくれたら作業が効率的に進むという状況も起こり得ます。
夜勤帯など、介護士の人数が少ない時には、より実感するかも知れません。
しかし、利用者に負担を強いてしまうのは施設介護では避けたい事態です。
なぜなら、本来は施設サイドで介護方法を見直すべき課題だからです。
現場が無理をすることで、利用者に負担が掛かり、いつの間にかそれが常識になってしまうのはサービス業である介護施設の評価を下げてしまうでしょう。
契約上与えられた「休憩時間」は、きちんと取れているでしょうか。
効率的を優先するあまり、休憩に入る後輩介護士に「ついでにコレもお願い!」とちょっとした仕事を与えたりしていませんか。
実はその仕事で5分や10分簡単に休憩時間が減ってしまい、リフレッシュどころか仕事から離れられない状況にしていることも多いからです。
本当に忙しい時ならまだしも、誰かが動けばできるのに、断らないからと後輩介護士や立場の弱い介護士に仕事を押し付けるのは長い目で大きなロスです。
仕事に慣れてくると休憩時間でも働く介護士が良いような幻想を作ってしまいますが、そんな労働環境を強いてしまうと、労働環境ばかりが悪化していくでしょう。
介護士は境界線が曖昧になりがち!?
介護士として働いてみると、気がつく人に仕事が集まります。
場合によっては、動く人と動かない人が固定されて、労働環境にアンバランスが生じます。
特に仕事慣れした頃になると、初心を忘れて「楽な働き方」を選択しがちです。
新人介護士もベテラン介護士も、大変さは変わりません。
ただ新人介護士は、時間が掛かりますし、同じ仕事量を熟せないこともあるでしょう。
だからといって、先輩介護士が新人をこき使うべきではありませんし、新人介護士も何をしなければいけないのか考えながら動くことが大切です。
結局、介護士が手を抜いた代償は利用者に来るので、いつだってそのことを忘れてはいけません。