無断欠勤した新人介護士

介護現場は人材不足しているけれど


慌しい朝食を終えて、入浴介助組みは浴室へ移動して行きました。

残されたのは、夜勤組と早朝・日勤組。

とは言っても、夜勤組は記録簿を記載して、最終報告を済ませて勤務終了直前を迎えています。

朝方の眠気から妙なテンションとなり、今は目が冴えている時間帯。

ただそこから急に眠気が押し寄せてくるはずです。

「新人の子、来ていないよね!?」

誰かが言うまで、来ていないことにも気づきませんでした。

と言うのも、まだ研修中の身で、誰かと一緒の作業が多く、居なくても支障がない状況だからです。

言い方は適切ではありませんが、個人主義の職場ほど、自分の役割を確立させなければ存在感を保つことはできないのです。

時間を割いて教えるのは施設の都合という面もありますが、新人介護士にとっては自身のスキルを磨ける状況でもあります。

教えるのが当たり前という感覚で仕事をするべきではありません。

特に中高年の方が未経験者として入職した場合、相手が介護士だからといって、過度に優しくしてくれるとは限らないことも知っておくべきでしょう。

さらに言えば、介護士同士の相性や派閥もあって、大人数の職場ほど、立ち振る舞いには気を使います。

男性介護士であれば、それほど顕著ではありませんが、女性介護士は看護師との関係でも気配りが大変そうです。

そんな状況なので、「無断欠勤」をしたらどうなるでしょうか。

もしかすると、「怒ることさえしない」かも知れません。

「やっぱり介護の職場だからみんな優しい!」と勘違いするのはとても危険です。

その逆で、自分は自分。人は人。

そんな感覚で、怒ることも注意することもないでしょう。

そうなった時は、自分から「ご迷惑をお掛けしました。これから頑張りたいのでよろしくお願いします!」と1人ずつ謝罪します。

許してくれるかどうかは、そのからの働き具合で示すしかありません。

中高年になって、「どうしたの?」と「無断」だったことの理由を聞いてくれる方が珍しいくらいです。

実は無断欠勤した新人介護士について言いたいのではありません。

無断欠勤があったことで、今のこみち自身について思ったのです。

今、メンバーや勤務時間帯を見れば、ある程度の仕事量や内容が把握できるようになりました。

まぁ、無断欠勤で予定が変わり、人数が薄くなった分、忙しくなったこともありますが、それでもイメージしていた仕事をこなしていけば、大きなトラブルも起こりません。

仕事に慣れたと言えばそうかも知れないのですが、段々と仕事対して「これくらいで良いだろう」とどこかで手加減を感じます。

無断欠勤した新人介護士も、段々と研修が進む中でプレッシャーや戸惑い、不安を感じていたのかも知れません。

もっとも連絡するのは社会人として常識ですから、「無断」による風当たりの強さが増したとしてもやむを得ないでしょう。

ただ、仕事を覚えるということは、簡単なことではありません。

それは年齢や社会的立場も関係なく、未経験者なら一層の覚悟が必要です。

言い換えれば、職場環境が不満なら自分自身で変えて行くか、別の職場を探すしかないでしょう。

こみちとしては、何を学び身につけるのかを常に意識して、仕事をするべきだと思っています。

そうすることで、現場での些細な出来事に心乱すことはありません。

また、「無断欠勤」ほどどっちつかずで、会社にも自分自身にも勿体無い行為はないでしょう。

以前、もっと上達して頑張りたいと言っていただけに、辞めてしまったり、懸命さがなくなってしまったりしないことを望んでいます。

今にして思えば、プレッシャーを感じる時や上手くできなかったことで、壁を乗り越えられないかもしれないと何度も思いました。

さらに、掃除のおばさんやベテラン看護師から「もう少し頑張りなさい!」と母親のようなアドバイスを受けたこともあります。

実際、男性用ロッカーに名前が書いているのですが、何度か名前が変わったロッカーもあるほどです。

どんな人だったのかも知れませんが、自分なりの決断で見切りをつけたのでしょう。

仕事選びの観点からすれば、適性や将来性を考慮して、時に上手くいっていても決断するべきこともあるはずです。

一方で、次の展開が想像できない状況で、見切りをつけると時間的なロスも増えてしまいます。

中高年の方はできるだけ避けたい状況でしょう。

介護施設で考えると、少なくとも排せつ介助までは覚えておかないと、次に移ればまた振り出しに戻ることになります。

ステージもランクもアップしないので、同じ課題に挑むしかないでしょう。

そうならないためには、大きな区切りを迎えて移動するべきです。

例えば介護福祉士を取るとか、その前提となる実務者研修と3年以上の実務経験など、区切りで方向修正するのが理想的でしょう。

本当に耐えられないくらいならそこで頑張る理由はありません。

まだ頑張れるなら、どこまでならできるか目標設定してみましょう。

中高年の方は、あれこれと転職するよりも、展開を見据えたキャリア形成も考えたいものです。

無断欠勤という出来事から、こみち自身の将来像まで考えてみました。