中高年からの介護職とは?

問題は体力にある?


比較的フロアーが狭いグループホームのような施設もあれば、地上3階以上もある有料や特養のような巨大な施設もあります。

こみちの勤務している老健でも奥行きは50メートル以上あります。まして別棟まで足を伸ばそうものなら、往復だけでも足が疲れてしまうほどです。

担当するフロアーも、それなりの広さがありますし、一日中歩き通しなのを考えれば「1万歩」という大台にも簡単に届いてしまうでしょう。

しかも、利用者を相手にしながら何度も行き来することになるので、肉体的な疲労はかなりのものです。

特に未経験に場合、介護職として何をすれば良いのかも分からないことも多く、時に目的もなくウロウロしてしまいます。

こみちも仕事に慣れるまでは、帰宅してどっと疲れが出ていました。

職場にいる時はまだ緊張しているので疲労感も鈍っていますが、自宅に着いてホッとした途端、そのまま仮眠してしまうこともありました。

なぜそんなに疲れてしまうのかというと、利用者のぺーに合わせなければいけないからです。

人は自分のやり方を持っていて、それは独特のリズムで構成されています。

ゆっくりと進む方が落ち着く人もいれば、少しテンポアップして早め早めを好む人もいるでしょう。

ところが、利用者のペースに合わせとなれば、乗って来たところで停滞したり、丁寧に進みたい時に急かされたりします。

つまり、相手に合わせることで、普段以上に体力を消耗するのです。

問題は目的意識にある?


自宅復帰を目的とした老健でさえ、特養や有料のような性質を担っています。

というのは、入所して数年になる利用者で、すでに自宅復帰の目処が立たない状況になっていることもあるからです。

特に老健は、特養のような「要介護3」という縛りもなく、しかも看護師などの医療的な支援も受けられる意味で、入所を希望される方もいます。

デイサービスほど、アクティビティーに富んだイベントが多くはありませんが、それでも週に数回は体操や歌、習字や工芸などの催しがあります。

外部のボランティアが演舞を披露してくれたり、幼稚園から可愛い園児tたちが訪問することもありました。

施設としては、受け入れ体制を確認し、担当スタッフが進行や準備に追われます。

イベントも盛り上がれば楽しいのですが、担当者に選ばれると、勤務時間外の作業もある程度は覚悟しなければいけません。

そんな時に、「介護の仕事が楽しい!」と思えれば良いのですが、「せっかくの休みなのに…」と感じる時はちょっとブルーにもなるでしょう。

特に介護は明確な区切りがありません。

細かないみでは、入所者の「退所」は感慨深いものです。

老健では自宅復帰していった利用者を見送る時に「寂しさと嬉しさ」が混在した気持ちになります。

退所して自宅復帰する場合もありますが、中には「特養」などの施設に移る人もいます。

多くの場合、経費の違いや「終の住処」としての考え方の違いで、施設を移って行くようです。

もちろん、老健でも終末期のケアを行う場合もありますし、実際、入所者の最期を見送ったこともあります。

その意味でも、介護士として何を目指すのかが、仕事を続けて行く時に大きなモチベーションになってきます。

というのも、楽しいから続けられるという人は少なく、介護業界しか知らないとか、介護以外に転職できないからと思っている現役介護士も結構います。

施設によっても異なりますが、介護職の場合、パソコン操作ができなくても良いこともポイントです。

また、高齢者施設では、最新の情報よりも昭和時代の流行など、中高年でも馴染みやすいものが多くあります。

その意味では、若者文化や最新の技術などが苦手でも働きやすい職場です。

ただそのことで、目的意識を見失ったりもします。

問題は報酬額?


介護は好きでないと続きません。

中には性格に問題のある利用者や介護士もいますが、本当に稀だと思います。

もちろん、いろんな人がいるので、相性が合う合わないということはあるでしょう。

しかし、半年続けられたら、後は何年でも継続できるほどです。

ただ、これまでピックアップしたような問題もあって、腰痛で休職している人や、実家の両親の介護のために退職された人もいました。

また、多くの常勤職員は、朝も昼も夜も呼ばれれば仕事に来るというようなところもあって、自分の生活よりも「介護職」を優先している人がほとんどです。

それだけ「介護」が好きというなら問題ないのですが、中高年からの転職組なら、「そこまでは…」と感じてしまう場合もあるでしょう。

夜勤を月に8回もする人は、昼夜逆転の生活になるかも知れません。

だったら、むしろ夜勤専門になった方が、働きやすいこともあるでしょう。

問題は結果が見えないこと?


その日、頑張って仕事をした人も、適当に過ごした人も、1日分の日当に変わりはありません。

サラリーマン時代のように「成果給」は採用されていないので、「労働時間」が重視されます。

アレコレと急いで仕事を片付けても、それに評価はありません。

場合によっては、手を抜く介護職の姿に自身の葛藤が生まれます。

何のために、誰のために、と考えなければ、アンバランスな職場でモチベーションは保てません。

何のために介護技術を覚えるのかというと、単純に「仕事ができないと思われないため」になってきます。

本来、できないと思われたくないだけなら、もっと別のところに意識を持っていっても良いはずです。

その意味では、介護職にどれだけの意義を見出せるかもポイントになってきます。