未経験からでも介護士になれるのか?

介護士として身につけたいこと


介護士の仕事は、いろんな分野にまたがっています。

例えば、医療機関に勤務する介護士なら、看護師との連携も増えるので、医療的な用語にも精通し、求められる任務も独特でしょう。

一方で、介護施設では、リハビリが行われていて、それを専門に行う機能訓練士もいますが、介護士もまた利用者の心身機能回復に貢献します。

さらに、利用者の余暇にも繋がるレクリエーションでは、習字や貼り絵、さらに編み物や料理など、個々のできることを活かせる催しも行います。

それらは、「利用者の自立と尊厳」を活かしたい介護の基本方針があるからです。

初心者研修や実務者研修で学ぶことも同じで、「介護士は何のために仕事をするのか?」をメインテーマとしています。

そう考えると、「なぜ、正しいオムツ交換を学ぶのか?」という問いにも答えられるでしょう。

逆を言えば、自己流ではいけない理由にも気づくはずです。

自宅介護と施設介護の違いがあるとすれば、「介護の根拠」を明確にするか否かが挙げられます。

利用者は、一般的な生活に不便を感じていて、何らかのサポートを必要としています。

その意味では、事故や危険にさらされた状況にあるとも言えます。

つまり、介護士と言うのは、そんな利用者を安全に支援することも求められていて、万が一事故を起こしてしまった場合には、その原因を明確にしなければいけません。

どんな手順だったのか。その作業に問題点はなかったのか。

いろんな視点から事故を分析して、改善策などを検討しなければいけません。

つまり、施設介護では、自己流という介助は望ましいものではなく、一定水準に達した介助である必要があります。

コミュニケーション能力が必要!?


利用者を相手にサービスを提供するので、コミュニケーション能力が必要だと言われます。

しかしながら、それは介護職だけに限ったものではなく、どんな職業に就いたとしても必ず求められるスキルです。

仮に自分のペースでしか働けない人は、マネージャーや秘書を付けて、相手との間にワンクッションおく必要があるでしょう。

介護の仕事は人生経験を活かせる場面も多いので、中高年の転職組にもオススメですが、若い世代と比べて利点があるというよりも、何かと採用で苦汁を舐めることが多い異業種に比べて採用されやすいに過ぎません。

つまり、体力を求められる職場であれば、若い世代の体力にはついていけないことも多いでしょう。

その意味では、介護の基本をしっかりとマスターした上で、中高年の特徴を活かした介護を際立たせていくことが不可欠です。

中高年らしさの出し方として、落ち着いた対応や幅広い一般常識などで、利用者のニーズに応えるのも一案です。

歴史的な事柄に加えて、経済や政治、経営や旅行など、入所者の中には現役時代に会社経営や医師、政治家、さらには学校の先生など、幅広い知識を持った人もたくさんいます。

そんな利用者の気持ちに寄り添うには、介護施設で用意したサービスを単純に提供するだけでは補えないことも少なくありません。

時代小説に詳しいとか、音楽や舞台、映画などに長けているなど、介護職ではありますがそれだけではない知識も必要です。

その部分こそ、若い世代が不足しやすいので、中高年の介護士に期待されます。

つまり、精通した分野を持っていないと、中高年でも介護士として利点は乏しくなるのが本音でしょう。

まして、コミュニケーション能力を介護士になってから覚えるつもりなら、相当に勉強する覚悟も必要です。

なぜなら、利用者によっては、ある介護士の介助を拒んだりもします。

その理由は、未経験者だから受け入れてくれるとは限らないからです。

自身が利用者として入所していて、乱暴な介助や不適切な言葉使いをする介護士が来たらどう思うでしょうか。

その意味でも、「できてあたり前」というスタンスから始まることもポイントです。

こみちとしては、無資格でいきなり施設で働くよりも、初任者研修などを受けて、「多くの失敗」を経験するべきだと思っています。

研修中は講師に、気になることを積極的に質問するのはもちろんですし、実習では現場で使える技術を教えてもらうことです。

「何となくできたつもり」で卒業してしまうと、結局、施設で働く始めて苦労するからです。

実際、こみちの勤務する施設には、初任者研修を終えても不安だったらしく、その後に介護系の学校でさらに勉強して介護福祉士になってから入職した人もいます。

それを聞いて、こみちも「みんな同じ気持ちなんだなぁ」と感じました。

それくらい、介護を担うのは簡単なことではないからです。

しかし、未経験で飛び込んでみると、先輩たち、さらに利用者からも多くのアドバイスを受けられます。

その意味では、入職前に不要なプレッシャーを感じる必要はありません。

「どうしてもらったら、嬉しいだろうか?」

常にそんな気持ちで接すれば、必要なことも見えて来ますし、身につけるべきことも分かりはずです。

実際に経験を重ねることで、当時は必要に感じなかったことが本当は必要なのだと思うこともあるでしょう。

基本スキルを優先する理由


すべてを最初から準備する必要はなく、その時々で学んでいくことも大切です。

それだけ介護士の役割は幅広く、現場経験の中で分かることも多いからです。

冒頭でも触れましたが、介護士だから必要なスキルは基本的なものに限られます。

その上で、勤務する施設や自身の希望に沿って、身につけるべき方向性が見えてきます。

今にして思えば、夜勤ができるから一人前の介護士という判断もおかしなもので、逆に日勤帯だけの勤務でも利用者から信頼される介護士として活躍することも十分に可能です。

何ができるかではなく、基本を身につけたらその後は介護士の性格や特技によって、介護の幅を広げましょう。

レクリエーションで生演奏する元ストリートミュージシャンの介護士もいます。

とても楽し気に演奏してくれ、利用者だけでなく介護士たちをも巻き込んで盛り上げてくれます。

オヤツ作りが得意とか、書道の経験があるとか、絵が描けるのも、レクリエーションで重宝されるでしょう。

介護は人の生活に密着しているからこそ、食べるや寝ることが基本となりますが、それだけではありません。

介護の仕事にやりがいを感じる人は、利用者とのいろいろな接し方に気づいたからではないかと思います。

これが唯一の介護というものはなく、それだけに人生経験が豊かな中高年の方に、期待を寄せるのでしょう。