介護は本質で見ると理解しやすい!?

なぜ、同じ話を繰り返すのか?


介護施設で働いていると、以前に利用者が聞いたことのある話をし始めることがあります。

介護経験の乏しい人は、「また同じ話をしている!」と表面的な現象に反応するでしょう。

しかし、介護とはなんだろうと考えることと、話の内容ではなく、話をしたい利用者の気持ちに寄り添うことができるはずです。

ある利用者を見ていると、どんな介護士にも話をするというものではありません。

利用者は話を伝えたい相手を選んで話すのです。

つまり、話の内容はともかく、同じ話を何度もしてくれるというのは、「話してくれてありがとう」というスタンスで、初見のように聞いてあげれば良いはずです。

なぜなら、話の内容が知っているかどうかではなく、利用者が伝えたいという気持ちを受け取ることがポイントだからです。

なぜ、不明瞭に話す利用者の話が聞き取れるのか?


利用者をペットと比較するのは不適切かも知れませんが、動物は人間には理解できない言葉や行動で感情を表します。

中には、ペットが「おはよう」や「いただきます」など人間の言葉を話すと訴える飼い主を知らないでしょうか。

多くの場合、その様子を全くの他人が見ても聞き取れないケースもあるでしょう。

だからと言って飼い主がウソを言っているのかというと、そうではありません。

人間の脳は、聞こえる音を耳で聞き取り、聞きたい音をさまざまな情報と融合させて補完し意味ある言葉として捉えています。

これは、植物などを上手に育てる方にも通ずる話で、言葉では上手く説明できませんが、音や表情のような目に見えるもの「以外の情報」を使って意味を感じ取ります。

口や舌の動きが衰えると、音声を明瞭に発することができなくなります。

それを、「ちゃんと話して!」と言い返せば、その内に話すことをやめてしまい、さらに機能低下を招くでしょう。

介護士としては、そんな利用者といかにコミュニケーションをはかるかも大切で、そのためには何より「話してもらうこと」が不可欠です。

そして、聞き取れない場合でも、言葉以外の状況や発した背景を振り返るなど、話の内容をある程度絞り込むことがポイントです。

オープンクエッションではなく、クローズドクエッションを使って、「ハイ」か「イイエ」で確認しながら内容を確認しても良いのです。

「料理の話?」

「嗚呼、今日の朝食の話ですね?」

そんな風に聞き返しながら、相手の伝えたいことを探るのです。

不思議なもので、最初こそそんなやり取りが必要になりますが、ある程度慣れてくると日常的な会話なら事前のやり取り無しで聞き取れるようになります。

利用者にすると「この人は分かってくれる人」と感じるようになり、さらに信頼感をアップしてくれるでしょう。

言葉を理解するには、理論や理屈ではなく「聞き取ろうという姿勢」が大切です。