現場作業に慣れて来たものの

「介護」って何だ?


介護に対する理解は、介護経験にも関係してくるように感じます。

オムツ交換のように、介護現場を代表するような作業の出来不出来が「介護」だと思う時期もあるからです。

今のこみちの思う「介護」とは、ズバリ「利用者の自立支援」です。

「自立支援」と言う表現はとても幅広いので、もう少し紹介すると、生活スタイル次第でその人の気持ちも雰囲気も大きく変化します。

ここで金銭的な話を持ち出すのは現実的過ぎますが、利用者の生き様は利用者家族とも深く関係しています。

認知機能が低下するなどの理由から自宅での介護が難しくなり、施設暮らしを始めたとしても、その後の家族支援によっても利用者の「幸福度」は異なります。

その部分では、介護士のスキルや施設環境では補いきれないと言ってもいいでしょう。

それだけに利用者家族との関係を抜きに「介護」を語ることはできません。

そこで、介護士として働くことは、利用者が家族との関係を明確にした結果、施設暮らしを選んだところから関わるのです。

事実、利用者家族が頻繁に足を運んで、「お世話になっています。これを母(父)に食べさせてください!」と持参されるオヤツなどは家族の愛情を感じられる光景です。

だからこそ、そんなに愛されている利用者をしっかり預かるのが介護士の仕事なのだと思うのも自然な流れでしょう。

同時に、何らかの理由でほとんど訪問客のいない利用者には、介護士として支える必要性を感じるのです。

利用者家族にすれば、週に数回の休みを使って施設を訪れることになります。

利用者の好きなものを購入して、その日に車や電車、バスを乗り継いで施設まで足を運ぶのですから負担も少なくありません。

こみちが知っている利用者家族には、往復6時間も掛けて来てくれる方もいらっしゃいます。

1日を潰すくらいの覚悟で、週に一度、施設通いを続けるのです。

時間もそうですが、施設の費用とは別に交通費や物品購入費など、毎月それなりの金額にもなってきます。

利用者家族自身の暮らしに余裕がないと、訪問する時間も確保できない現実はどうしようもありません。

介護現場での変化


ある利用者が問い掛けに反応するようになりました。

以前からこみち自身はその変化に気付いていたので、アプローチを変えながら可能性を見出してきました。

そんな中、問い掛けに声や仕草で応えられるようになり、他の介護士からも「〇〇さん、よく話すようになった」と聞きます。

それだけでなく、少し暴力的な振る舞いもあったので、他の利用者と距離を置いていましたが、今はいろんな利用者と同じテーブルでいることが多くなりました。

面白いのは、他の利用者からも「〇〇さんは話を分かっている」とか、「問いかけると返事をしてくれる」と言う言葉を聞きます。

そこには、教えてくれた利用者が何を見てどう感じられるかを知る糸口にもなっています。

「話ができる」と言う表面的な部分ではなく、「優しい」とか「笑った」と言う観察力は、我々介護士が一方的に押し付ける「作業」ではいけないことに気づかせてくれます。

実はこの変化、利用者の介護と言う視点もありますが、我々介護士の「介護」でもあります。

「介護」と言うとこれまで何らかのイメージを作りあげていた介護士自身が、「もしかしたら」と意識変化することで「介護」をブラッシュアップさせます。

さらに言えば、利用者家族へ影響を与え、利用者と家族の関係がより良くなれば「介護」の可能性も広がります。