「coaching(コーチング)」を学ぶ
介護士として働き始めると、「寄り添い」や「共感」というワードが出てきます。
「寄り添い」とは何か?
「共感」とは何か?
介護系の研修を受ければ、必ずと言っていいほど、考えなければいけないテーマです。
しかし、「介護」の難しさは、「答えがない」ということ。
本当は無いのではなくて、「臨機応変に変化する」というのがより正確な表現でしょう。
だからこそ、介護未経験が戸惑う部分であり、実際に現場で働いていても「介護とは何か?」がよく分からない原因です。
逆に、「介護とは〇〇だ!」と言い切ってしまえる介護従事者がいたら、その根拠を聞いてみたいと思います。
話は逸れましたが、今回の話は「coaching」です。
「今さら?」と思われる人もいるでしょうが、ちょっとお付き合いいただけると嬉しいです。
「teaching」という言葉もある!?
「teaching」とは、教えること。
「coaching」は、指導とか導くことを指します。
とても似た言葉ですが、「正確」にたどり着くまでのプロセスが異なります。
学校に居たのは「teacher」であり、生徒たちに「正しい答え」を教えてくれる存在です。
一方で「coacher」はスポーツ選手などの側に居て、その選手の個性を引き出すことが仕事です。
そう考えると、両者の役割は随分と異なるのが分かるでしょう。
介護士にとっての「coaching」
本来なら介護士だけでなく、経営者や政治家、スポーツ選手に他の介護従事者など、幅広い立場で活躍している方々に不可欠なものが「coaching」です。
今回は、介護士にとっての「coaching」に限定して書き進めます。
「介護」に答えがないのは、周知の通り。
ある介護士が行う方法と、別の介護士の方法が異なるのも当然です。
特に「寄り添い」や「共感」に関しては、利用者との付き合い方や信頼関係の深さで「アプローチ」方法も異なってきます。
また、現場の介護士に対して行う「coaching」という意味でも、それぞれのモチベーションをどう引き出せば良いのか、考える際にも大切です。
そこには、「coaching」が何をするものなのかを理解しておく必要があるでしょう。
簡単に言ってしまえば、「状況を分析して行動に起こす」ということを学ぶものです。
介護士として働き始め、オムツ交換や入浴介助ができるようになると、現場で使う基本スキルはマスターしたことになります。
しかし、ただオムツを交換するだけが介護士の仕事ではなくて、利用者の生きがいや自立心とも向き合っていかなければなりません。
また、積極的に理想を語る利用者もいれば、ほとんど自分からは何も言わない利用者もいるでしょう。
その意味で、勝手に目標を決める「teaching」ではなく、「coaching」として利用者とどう向き合っていけば良いのかが次の目標です。
しかし、難しいのは、人生観はさまざまで、利用者との会話から導き出すのは専門家でも力量が現れる部分です。
だからこそ、介護士として「coaching」に目を向けることで、現場目線とは異なる視点で利用者やその家族、さらには介護についても見え方が異なってきます。
「認知症の人が騒ぐのはなぜでしょか?」
脳に萎縮という医学的な説明もできるかもしれませんが、「自分が納得できる原因」を見つけることで介護士としても精神的に安定して業務に当たることができます。
なのに、「何度も言わないでください!!」と声を張り上げることで応戦していては、介護士と利用者の信頼関係は崩壊します。
ある介護士は認知症の利用者は忘れてしまうと言いましたが、それは万能な答えではありません。
1週間経っても覚えていることはありますし、嫌な記憶は感覚として残ります。
つまり、「coaching」は、こちらから一方的に押し付けるものではなく、どう接すれば「利用者の潜在能力」を活かせるかを考えるステップです。
しかも、ビジネス系のコンサルタントが経営に強いのに対して、介護士が「coaching」を学ぶことで自宅介護や公的介護サービスを利用したい利用者やその家族に新たな視点から関わることができます。
介護士が「介護福祉士」を取った後、どう活躍していけば良いのか、先日もケアマネか現場に残るか、異業種かと提案しましたが、「coaching」を加えることで活路を見出した気がします。
中高年者ほど専門分野をしっかりと確立して、そこに新たなスキルをプラスアルファをしながら生涯の仕事へと繋げるのが理想だと思います。
その意味でも、介護士として経験したことを、さらに飛躍させるには「coaching」というワードは覚えておいた方がいいでしょう。
さらに、「coaching」に長けると、ビジネス系の資格「中小企業診断士」などを目指せば、今度は介護施設を相手に仕事ができるようにもなります。
施設が抱える問題点も介護士としての現場経験が活かせるので、ビジネス系資格だけでは補えないナイーブな問題にも取り組める強みが魅力です。