やっぱり違う!?施設介護と自宅介護
現役介護士として介護施設に勤務していると、週末や平日の昼下がりに利用者家族の姿を見かけます。
それぞれのライフスタイルに合わせて、時間帯や曜日に特徴があります。
利用者の要望した食べ物などを持って来ることもあれば、季節に合わせた衣類などを届けたりもします。
こみち自身も中高年なので、親の年齢を考えると「介護」が必要になっても不思議はありません。
なので、そんな時を迎えたら、自宅介護と施設介護のどちらを選ぶだろうかと想像してみることもあるわけです。
こみちなりの結論ですが、介護される本人にとっては、「自宅」は何物にも変え難い場所です。
特に住まい周辺の住人との付き合いは、「介護」では補えない「幸福」でもあります。
そうは言っても、行動範囲が狭くなるに従って「自宅」を尊重するメリットも減ってきます。
同時に、「安全」や「十分な支援」が不可欠になって来るでしょう。
そう考えると、先ずは自宅での支援から始まり、その後は自宅から巣立った子どもたちとの同居、さらに施設入所という流れが一般的です。
しかしながら、こみち自身もそうでしたが、「シモの世話」というのはするのもされるのも抵抗があるのは事実です。
実際、施設入所された利用者のトイレ介助を率先する家族もいれば、「何だかおトイレみたいなんです!」と介護士に声を掛けてくれる家族もいます。
オムツ交換やトイレ誘導を日常業務とする介護士にとって、「シモの世話」に特別な感情はありません。
利用者が声を掛けてくれればトイレに誘導しますし、時間毎に定期のオムツ交換も行っているからです。
「できるかなぁ」と入職する前は不安でしたが、「覚悟」さえ決めれば「シモの世話」も難しいことはありません。
しかし、家族にとって「シモの世話」に特別な感情があるのも事実で、できるかどうかではなく自分自身がよく知っている「親」の「シモ」となるのは感慨深いものでしょう。
なので、利用者家族から声を掛けられた時も特別な気持ちにはなりません。
「〇〇さん、おトイレに行きましょう!」
声掛けさえいつもと同じです。
中には、家族の方が心配で見に来ることもあります。
介助の様子を見たいようであれば、手順を説明したり、声掛けのポイントや利用者の残存機能について分かる範囲でお伝えしています。
というのも、こみち自身が何も分からなかったので、「手順」を聞くだけでも「シモ」に対する抵抗感が減ると思うからです。
施設と自宅では広さも装備も違うと思うので、勝手の良し悪しはかなり差があるでしょう。
さらに言えば、自分の親が施設でどのように扱われているのかも気になるはずです。
急にとってつけたような振る舞いをするよりも、「いつも通り」を見てもらった方が安心してもらえると思っています。
その意味では、利用者家族がいない時に、「その介助を家族にも見せられるか?」をいつも考えて従事しています。
言葉づかいや、身体の触れ方、さらには安全面への配慮でも意識を持つように心がけます。
幸にして、利用者家族からお叱りを受けたこともなく、「ありがとうございます」という労いの言葉に介護士としてのやりがいを感じることも多いのです。
中高年から介護士に転職するのは…
初任給を考えると、将来性のある仕事でもなかなか中高年世代が転職で介護職を選ぶのは難しいかも知れません。
特に一家の大黒柱となる人は、子育てや住宅ローンなど、まだまだお金が必要となるからです。
金銭面の話をするに希望に沿えないこともありますが、人手不足を考えても介護職への転職は現役介護士のひとりとしても嬉しい決断です。
稼ぐという面では夜間勤務が欠かせませんが、少数精鋭の部署よりもある程度人数のいる部署に配属されれば、未経験からでも最短で3ヶ月で勤まると思います。
その時までに「排せつ介助」が完全にできることが条件となるでしょう。
「完全」とは、量や状態が変化しても対応できることを指します。
1つの目標は、「〇〇さん、よろしいですが?」と声掛けして、「ありがとうございました」と退室するまで5分以内です。
こみちの場合、最近は同じ作業で2分以内。起こしまで含めて5分以内を目標としています。
起こしというのは、ベッドから車いすに乗り移ってもらい、鏡の前で髪の毛を少し解かし膝掛けなどを掛けて部屋を出て行くまでを指します。
こみちでもできるようになったので、このくらいの時間なら誰にでもできるスピードです。
こみちとしては、介護の難しさは現場の作業よりも寄り添いにあると思っています。
作業スピードは本当に慣れの部分なので、器用不器用はありますが、正しいレクチャーを受ければ必ずできるようになります。
一方で寄り添いは「人間性」が大きく関係し、相性や好みもありでしょう。
また、寄り添いに自信を持つ人でも、他人の寄り添いを目の当たりにすると、時に考えさせられることがあるほどです。
というのは、利用者の反応が自分の時と異なっていて、生き生きとした表情を見てしまうことがあるからです。
介護士によっては、そんな違いに気づかない人もいます。
介護の仕事を割り切っていて、興味がないのかも知れません。
ただ、親を預ける立場になれば、「割り切っている介護職」よりも「寄り添いに心掛けている介護職」の方が心強いでしょう。