営業マンの常識は通用しない!? 介護業界の特異性

営業経験がある人なら


オーソドックスな交渉テクニックとして、ABCの3パターンを相手に提示します。

営業マンとして契約に持ち込みたいのは、Bのプランです。

まずはAプランから相手に切り出しましょう。

その内容は、有るといいなが全部入ったベストグレードです。

もちろん、価格は相手が準備している予算を超えています。

「内容は良いんだけど、価格がねぇ…」

相手がそう反応してくれたら、ガッツポーズです。

だってそう感じて欲しくてプランを作ったのですから。

次に見せるのが、本命のBプラン。

Aプランを見直して、これなら合格点だろうという見通しで作ったグレードです。

「フゥ〜ン。そうかぁ…」

ほとんど反応はないものの、結構真剣にプランの内容を見てもらえたら狙い通りでしょう。

「こんなプランも用意してみたんですよ!」

最後のCプランは、さらに値段を落とした内容です。

しかし、ABプランとの違いは、契約が「サブスクリプション」になっていること。

別にサブスクリプションでなくても良いのですが、契約内容そのものに変化をつけています。

初期費用を抑えられるなど、サブスクリプションの利点を紹介しつつ、場合によってはBプランの利点も匂わせながら交渉を進めます。

さらに、高額だと思ったAプランについても、利点に触れ、価格に応じた内容だと伝えましょう。

なぜなら、本命のBプランにどこか気になる部分があった時に、Aプランが有効になるからです。

「例えば、ベースをAプランにして、当面は不要なサービスをカットしてみることもできますよ!」と言った具合です。

介護保険制度とは


極端な話をすると、介護士があるお宅を訪問して「30分身体介護をすれば〇〇円」という具合に価格が決められています。

魚を美味しく焼いたからプラス〇〇円アップというオプションはありません。

つまり、先に紹介したABCどのプランも作業時間が同じなら報酬も同額になります。

Aプランには、高度なテクニックや手間の掛かる作業が含まれているので高額な設定にしたとしても、介護保険制度では反映されません。

ココがこの制度の大きな特徴なのです。

ある意味で、介護は基準となるサービスがあって、それ以上であれば問題視しません。

介護士としては、より高度なテクニックを提供したと思っても、それが報酬に繋がらないのです。

そうなると、時間ベースで効率的な介護サービスを提供しなければ、利益を上げることはできません。

また、効率的に作業しても、一定時間が経過しないと報酬とならないので、必要以上に時短にこだわることもなくなります。

もちろん、「好きでたくさんサービスするのは構わないけど、報酬は同じだからね!」という話です。

もしも介護士がより高度なテクニックを提供したいと考えるなら、「看護士」や「理学療法士」のような専門職の資格を得るのが近道なってくるのです。

介護施設の中には、介護士のスキルを公平に評価するシステムを導入しているところもあります。

例えば、オムツ交換をどれだけ高い質でできるのかを研修や社内テストで判断します。

より高いスキルを習得すれば報酬に反映されるとしたら、介護士だってスキルアップに前向きになるでしょう。

もしもそんなシステムを導入すれば、評価される技術は一生懸命で、評価されない作業には無関心ということになっても本末転倒です。

つまり、介護士の働き方をどう評価して、やりがいや報酬に反映させられるかが問われます。

営業マンであれば、より多くの契約を結び、高い売り上げが実績となるでしょう。

その辺りの違いを踏まえ、介護士の働きをどう評価するのかによって、介護士の辞職も減らせるかもしれません。