介護士が気をつけるポイント

声のトーン


初任者研修や実務者研修を受けると、「声かけ」の大切さを教えてもらえるでしょう。

その際、「目線を合わせる」ことも伝えられるはずです。

立ち仕事の多い介護士と車いすなどを使う利用者とでは、目線の高さが異なっています。

利用者と話をするとき、どうしても介護士は上から見下ろす格好になります。

そこで、腰をかがめたり、車いすの脇にしゃがんだり、利用者の目線と同じか少し下になるように気をつけましょう。

無意識とは言え、見下ろされると心理的な圧迫感を持ちます。

利用者によっては責められていると思うかも知れません。

また、もう一つ注意したいのが「声のトーン」です。

「高齢者=耳が遠い」という固定概念から、介護士が大きな声を出しやすくなります。

しかし、どれくらい聞き取りにくいかは利用者によっても異なりますし、声の大きさの違いで言葉の聞きやすさも変化します。

大き過ぎる声は、とても耳障りで、耳の側であればうるさくて聞く気にもなれません。

また、穏やかで静かな暮らし方を好む人にとって、ガヤガヤした振る舞いは好まれないでしょう。

そこで、声の大きさや発するスピードに注意して、利用者に合った話し方を探ります。

あまりにゆっくりで言葉を区切り過ぎても、聞きづらいからです。

立っている人と座っている人の違い


多くの介護士は立って仕事をしまう。一方で、利用者は座っていることが多くなります。

つまり、目線の高さが変わるので視界も違います。

立っていると気にならないことも、座っていると気になることがあるのです。

例えば、お茶を配った時、急ぐあまりテーブルに音を立てながら置いてしまうことがないでしょうか。

それくらいと感じるかも知れませんが、座って待っている利用者には、目に前でコップを「コトン」と置かれてしまうのは心地よいものではありません。

小指を上手に使えば、音を立てないように置くこともできるので、ちょっと工夫してみましょう。

そのひと手間は、慣れれば時間的なロスもありませんし、利用者にとっても嬉しい心づかいです。

介護士はホテルマンとは違う!?


高級なホテルでサポートをするホテルマンは、来客にストレスを与えないサービスが得意です。

言葉使いはもちろんですが、必要な内容をいかにコンパクトにして伝えられるかにも気を配ります。

来客は多忙な人もいますし、手続きや待ち時間を省きたいと思うからです。

一方で、介護士の場合、利用者に合わせてサービスを提供するのは同じですが、スピーディーであることよりも、ある程度の時間が必要な時もあります。

利用者の中には、介護士が脇で待っていると焦ってしまうことがあり、したいこともできないで我慢していたりもするからです。

そんな時に「お済みですか?」とクールに声かけするよりも、雑談などで気分を和らげることも大切です。

「ご飯は美味しかったですか?」

「いい天気ですね」

話題はなんでもいいので、利用者が気軽に答えられる話題を提供しましょう。

必要以上に近づき過ぎないホテルマンの気配りに対して、介護士は状況に応じて距離感を変化させます。

接客業として介護士の仕事を再確認すると、異業種のテクニックが参考になったり、介護の奥深さに気づかされたり、利用者との関係をさらに良くすることができるでしょう。