現職だから考える「介護士の育て方」

「初任者研修」は必須!


これから介護士として働くなら、従来の「生活支援」という意識を持ち続けるべきではありません。

初期段階としてのトイレ誘導を始めとした「生活支援」だけが介護士の業務だと思い込むのは施設運営側としても避けたからです。

実際に、介護現場には介助ができないスタッフも働いています。

そんなスタッフの主な仕事は、翌日の入浴準備やお茶くみ、レクリエーションや体操の声出しなどです。

もちろん、他の介護士も同じ業務を担当するので、そのスタッフが専任している訳ではありません。

それどころか、トイレに行きたい利用者がいる時、「〇〇さんが、トイレに行きたいみたいですよ」と近くにいた介護士に伝えます。

そうなるとどうしても非効率ですし、利用者が重なると対応できなくなることも考えられます。

実際、スタッフの育成は短期間ではできません。

そう考えると、「初任者研修」は早い時期に受講し、「介護」の基本を学習しておくべきです。

介護施設で求められる介護技術


先ずは、「トイレ誘導」ではないでしょうか?

施設には、独歩が困難で車イスや杖を使う利用者も多くいます。

そんな方々は、1人でトイレに行くことはリスクを伴います。

そこで、介護士が「見守り」「一部介助」「全介助」と段階的に介助する割合を増やします。

新米介護士の場合、慣れるまでは「見守り」で十分な利用者から始めるのがポイントです。

つまり、「見守り」から「全介助」まで担当するには、「車イスから便座への移乗」ができなければいけません。

そこで、「トランス」と呼ばれる技術を覚えることになります。

「トランス」ができると、介護施設では担当できる業務がグンと増えます。

しかし、体重の重い利用者を担当するには、両者の信頼関係と利用者の身体機能を熟知している必要があるので、筋力の弱い女性介護士は負担もあります。

そこ後は、排せつ介助へと進むことになります。

技術的なことを言えば、ベッド上で横たわる利用者の「体位変換(=仰向けから横向き、横向きから仰向けなど)」マスターしたうえで、オモツの扱い方を覚えましょう。

介護施設で、特に日勤帯で働くような場合なら、ここまでの作業を担当できれば、十分に介護士として役立ちます。

しかし、介護業界流れを言えば「スキルアップ」を強く求めているので、入浴支援まで関われると心強いことでしょう。

入浴支援で問題になるのは、利用者の身体が濡れていること。

通常よりもバランスを崩しやすく、衣類の着脱がとても難しくなります。

しっかりと身体の水分を拭き取るにも「体位変換」や「トランス」が必要になるので、介護士としてこれまでのスキルが完全にマスターできていないと「入浴支援」に関わることができません。

「共感」や「寄り添い」はあとからでも


介護学ぶと、「共感」や「寄り添い」という言葉が頻繁に出てきます。

その意味や内容に関心持つのは素晴らしいことですが、「入浴支援」までマスターしてから取り組んでも遅くありません。

なぜなら、トイレ誘導さえもできない状況で「共感」や「寄り添い」を始めたくても、何にどう利用者が苦労しているのか察することができないからです。

足腰が弱くなると「立ち上がりでどんな危険やリスクが考えられるのか?」を知識と技術面から理解しなければ、「声かけ」も利用者に意味あるものではないでしょう。