介護現場は根性論なのか?

平成、令和に「根性論」は受け入れられるのだろうか?


昭和に生まれたこみちにとって、パソコンからタブレットやスマホへの進化は夢のような出来事です。

インターネットが自宅で使えるようになり、urlを直接打ち込みながら文字と写真だけのシンプルなwebページを閲覧してきました。

やがて、ポータルサイトと呼ばれる検索サイトが誕生し、urlを打ち込むのではなくキーワードを入力することで探していたwebページにアクセスできるように進歩したのです。

一方で、日本国内では、終身雇用への期待もまだまだ残っていた時代で、社会的に優位なポジションを得るためには「大学進学」が1つの方法でもあったように感じます。

やがて平成へと時代が移ろい、インターネットの普及で「場所と時間」から解放されました。

さらに付け加えれば、職場に足を運ぶことが「必須」ではなくなったのです。

海外にいても日本国内のニュースをいつでも確認できるように、物理的、時間的な壁をインターネットを使えば越えられます。

では、そんな時代を迎えたことで、働き方にも変化が現れたのは自然な流れです。

パソコンの普及で、システムエンジニアやプログラマー、webクリエーターなどのカタカナ職業が新たに誕生するのです。

しかし、興味深いことは、「場所と時間」から解放されたはずのこれらの職業ですが、平成を迎えた頃はまだまだ「根性論」が一般的でした。

ここでいう「根性論」とは、「人の頑張り」が結果になるということを指しているのですが、アイデアや手法そのものではなく、それらをベースにした現場での労働が仕事となっていました。

それでも平成の終盤を迎える頃には、アイデアや手法によって「仕事」に変えられるシステムも至る所で誕生しています。

その最たるものが、「YOUTUBER 」ではないでしょうか。

思い起こせば、バイク少年だったこみちは、バイク雑誌に掲載されたツーリング記事を強い憧れと共に眺めていました。

街中で見かけたことがないような大型バイクに跨った旅人が、風光明美な場所を訪ね、写真やイラスト、さらに文章を添えて紹介してくれます。

その後、彼が被っていたヘルメットをバイクショップで見つけた時には、何だか自分も「旅人」に近づけたように感じました。

当時、バイク雑誌の担当者になって記事を書かなければ「書き手」にはなれませんでした。

そのためには、大学にも進学しなければ行けなかったでしょう。

つまり、夢を叶えるためには、「逆算したいくつものステップ」を越えて行くことが必要でした。

そこには、自分自身の想いの他に、他者からの要望にも応える姿勢が求められたのです。

つまり、「根性論」がまだ生きていたことになります。

では令和になって「根性論」は失われてしまったのでしょうか?

こみちは、そんなこと無いと思っています。

むしろ、「根性論」が明確になったのでは無いでしょうか。

令和時代の「根性論」


介護の仕事をしていると、人が何を求めているのかとても敏感になります。

介護施設に入所している高齢者の多くは、全てのことを自分1人で行えません。

その度に介護士が介助に加わり、彼らのお手伝いをします。

また、介護士同士でも、「これをしてくれたらなぁ」と思うのは「本の些細なこと」です。

しかし、その場にいて手を貸してくれたり、片付けてくれたりすることは、「場所や時間」に密接なものばかりです。

言いかえれば、令和を迎えたことで、「場所や時間」にとらわれない仕事が増えた一方、密接に関わりながら働く方法も残っていて、さらに密接なものには人が人らしく生きて行くために欠かせない仕事が含まれます。

介護の仕事が今後もなくならない理由があるとすれば、「場所や時間」と密接だからではないでしょうか。

逆に完全に「場所や時間」と切り離された仕事は、別の方法でも再現可能で、統合や合理化によって消えてしまうこともあるでしょう。

体力気力ともに低下を感じる中高年なら、「場所や時間」にとらわれない仕事を探したいところですが、将来的に失われるリスクを考えるなら、「根性論」が含まれる仕事の中から選んでおいた方が安心です。

さらに、介護の仕事はスキルを重視します。

同じ仕事でも、無資格と介護福祉士の差を設けることで、モチベーションや報酬に差ができる仕組みとなるからです。

そして、「実務経験3年以上」の壁が、さらに延びて来ることも無いとは言えません。

なぜなら、介護福祉士になっても、介護現場では特別なポジションが約束される訳ではありません。

介護福祉士は、看護士や理学療法士などとは介護現場でも少し立場が異なります。

それ故に、「介護福祉士になっても…」という評判も耳にします。

確かに看護士や理学療法士の立場から言えば、専門性の弱い介護福祉士をそんな風に評価するのも一理あるかも知れません。

しかし、現場経験から資格を取っていけるのも「介護福祉士」だからこそ。

そもそも学費の掛かる看護士や理学療法士とはプロセスが異なります。

今では「実務者研修の修了」と「実務3年以上」となりましたが、それでもキャリア形成の意味では心強いものです。

介護の仕事は、「根性論」が至る所で体感できます。

合理化しようにも、利用者の個別なニーズを一括することはできません。

必要とされる時に、求められる場所で介助することが仕事だからです。

一方で、だからこそ今後も必要とされますし、中高年ほど身になるキャリアだと思うのです。