介護現場で視点を変える!?
種類や人数に違いはありますが、多くの介護施設ではみんなが集まれる大きなフロアと寝室が用意されています。
寝室にはベッドや洗面台があり、トイレが備え付けられている場合もあれば、共同のトイレが別途用意されていることもあります。
利用者は、夕食を終えたあと、午後8時までには寝室で過ごします。
その後、日を跨いで午前6時頃には朝の身支度を迎えます。
一日中、パジャマ姿の人もいますし、しっかりと着替えて髪まで整える人もいます。
利用者家族の存在
利用者の多くは、何らかの支援を必要としています。
生活の一部だったり、ほとんどすべてということもあるので、施設入所に関する契約書を利用者だけで結ぶケースはほとんどないでしょう。
多くは子どもや配偶者、兄弟などが契約書となり、書類にサインをします。
そんな家族が施設を訪れるのは、週に1回というケースもあれば、ほとんど姿を見せたことがないというケースもあります。
自宅での介護を一度は検討したうえで、介護施設への入所へとなったのですから、利用者自身もある程度施設暮らしを理解しているようです。
入所して一週間は、落ち着かないこともありますが、利用者同士が支え合って、介護士の支援とは別にサポートしてくれることも多いのです。
実際、1ヶ月が大きな山場で、それを乗り越えられると半年1年も耐えられるでしょう。
時々来所する家族に気づくと、多くの利用者は機嫌が良くなります。
中には、「何を話せば良いのか分からなかった」と教えてくれる利用者もいます。
しかし、それは照れ隠しかも知れませんし、あまりに久しぶり過ぎて共通の話題がなかっただけかも知れません。
なぜ施設入所なのか?
実際、介護を必要となると、自宅では難しいかも知れません。
一日中、介護をする人は付きっきりになることも多く、これまでの生活を一変させる覚悟も必要になるからです。
また、期間は長いと10年を超えるケースもあります。
その意味では、公的な介護施設の利用を検討してみることもオススメです。
しかし、地域によってはまだ施設入所に抵抗を感じる場合もあるようで、その時は日帰りサービスの「デイサービス」から利用してみるといいでしょう。
利用者たちは、施設を終の住処と感じています。
そこで、利用者同士も互いのプライベートを尊重しながら、それでいて共同生活を楽しめるように彼らなりの工夫があるようです。
もちろん、誰とも親しくしない利用者もいます。
そんな利用者には、介護士が声を掛けるように努めています。
また、孤独な利用者の中には、家族の訪問が少ない人も多いようです。
普段は自身のことを話さない利用者も、ふとしたきっかけで話し出すことがあり、利用者の孤独が施設だけでなく家族間にも及んでいることに気付かされます。
「インフルエンザって何ですか?」
「病名ですよ。それがどうしましたか?」
「インフルエンザは注射のことですか?」
「そうですよ。予防接種しましたね」
たわいない会話ですが、そこには「自身を含めた承認欲求が働いている」と理解しています。
「承認欲求」とは、自身の居場所を見つけるための行為で、誰からも認められないことはとても苦しいものです。
介護士は利用者が使うベッドに寝てみるといいでしょう。
そこにいると別世界が見えてきます。
介護士の仕事
足腰が弱り、誰かに支えられないと何もできない自分に気づけば、考えることもいろいろ出てきます。
もちろん、答えなど無い話なので、どこかで「老い」を受け入れて毎日を過ごすしかありません。
利用者が明るく笑えるのも、多くの壁を乗り越えたからこそなのです。
それだけに、利用者を否定するような振る舞いは不必要です。
「今は時間がないので、あとで時間を作りましょう!」
そんな前向きな会話がオススメです。
介護とは何か?
寄り添いとは何か?
難しく考える必要はありません。
自身が同じ立場になったと想像し、何をして欲しいと思うか考えればいいだけです。
多くは望まないはずです。
私生活の手助けを嫌な顔せずにサポートして欲しいくらいです。
だとすれば、介護士は笑顔で明るく振る舞いことが大切になるでしょう。
そうやって逆算していくと、介護士の仕事も自然と分かってきます。