介護現場の歴史
介護現場には、さまざまパターンがあります。
例えば、キャリア豊富な中高年と体力旺盛な若手のタッグ。
当初は中高年の介護士が現場を仕切っていたのでしょう。
しかし、体力の低下を感じるようになり、このままの体制では現場が回せなくなると察します。
そんな時、介護の仕事を覚えたいと志望した若手が加わり、1年や2年といった長い期間を掛けて、介護士としてのさまざまスキルを手取り足取り伝えます。
さらに、後輩の育成が実感できた頃に、現場での決定権を若手に委ね、中高年の介護士がサポートにつきます。
そんな流れを経てできたのが、中高年と若手のタッグなのです。
一方で、新規オープンの施設に多いのが、キャリアの浅い介護士たちが互いに協力しながら現場を手づくりしていくようなタッグの組み方です。
介護士の年齢はバラバラで、世代のギャップを超えてフランクな会話が行き交います。
みんなが1つの目標に進んでいる限り、アットホームな現場は居心地が良いはずです。
施設長や現場リーダーが異動したことで
組織を束ねていた人物が交代すると、組織全体がバランスを崩す瞬間があります。
1つの目標に向かっていたはずなのに、「もっと楽にできる介護があるはずだ!」とか、「自分ばかり頑張っている気がする!」など、これまで同士だと思っていたはずなのに、損得勘定が芽生えます。
そのきっかけは、組織のバランスを崩すような采配が上司に受けたからです。
介護現場は、書類も必要ですが、実作業も必要です。
ところが、管理を得意としている人だけを評価したり、現場だけを評価するような雰囲気が強くなると、それぞれに工夫していた介護士同士が協力し合わなくなってしまいます。
働き難いと感じて退職してしまう人も出てきます。
新たに加入したスタッフは、現場に馴染もうと現場で影響力のある人に従います。
すると、ますます均整が取れなくなり、いつの間にか組織のカラーが全く別の色になります。
一見すると地味な方法
それぞれが勝手に介護をし始めると、協調性に欠けた支援となってしまいます。
ある人の時は許されるのに、別の人の時は認めてくれない。
そんなメンバーによって異なる判断基準が、介護現場を混乱させます。
そうなってしまうと、急に大胆な方針転換は、組織そのものを崩壊させることにも繋がります。
介護現場に穴が開かないようにしたいのなら、急激な変更はご法度です。
地味ではありますが、作業をマニュアル化し、判断基準を明確化して、介護士に求めるスキルをリスト化しましょう。
「オムツ交換ができる」というような大まかな表記ではなく、入室から呼び掛け、さらには作業手順などを細かくマニュアル化していきます。
自己流に慣れてしまっている人からは反感も出るでしょう。
しかし、組織を維持管理するために不可欠な方法だと根気強く理解してもらうことが大切です。
場合によっては、マニュアル化に関して現場スタッフからも参加してもらうといいでしょう。
手作業で行う介護に比べると、マニュアル化された介護はドライに見えることもあります。
しかし、組織が大きく、長い時間を経てくれば、いずれ方針転換は必要になってきます。
もしもそのまま現場任せにしてしまうと、現場を長く知る一部のスタッフが仕切り、独特の雰囲気を作ってしまいます。
その結果、新しいスタッフの定着率が落ちてしまい、利用者にも現場スタッフにも心地よくない施設となります。
作業そのものをマニュアル化するのはもちろんですが、日勤帯勤務の人が行うべき業務の流れまでしっかりと踏み込むことが大切です。
よく、「今日の現場リーダー」というポジションを作り、その人がスタッフの指示を出すような体制があります。
しかし、多くの場合、リーダーの当たりはずれによって、現場の雰囲気が一変します。
リーダーと言っても、実作業も行いながら指示も出せる人でなければ務まりません。
ところが、リーダーと呼ばれると、「指示を出す人」と思い込み、後輩たちにパラハラ紛いな方法で操ります。
それでは現場も活気づくことはありませんし、むしろ冷めた雰囲気になってしまいます。
リーダーとは、最後に組織の責任を負う人で、誰よりも現場を回す意識が必要です。
少なくとも、フォローする気持ちがないリーダーになってはいけません。
そのあたりのついても、しっかとマニュアル化しておけば、組織の運営が安定します。