介護職の心得
介護未経験から入職を決めた現役介護士の立場で、いろいろと呟いてみたいと思います。
介護職といえば報酬面が気になるところですが、都心部であれば年収400万円くらいは十分に狙えるのではないでしょうか。
また、地方だとしても、役職がついてくれば話は変わってきて、そこは一般的な会社と変わらなくなってくるでしょう。
ポイントは、介護未経験はある程度スキルが身につくまで、「勉強させてもらう立場」。そんな中で、どれくらいの報酬を得られるのかという点です。
逆を言えば、施設は仕事のできる人を求めているので、介助スキルに加えて、ケアの質や家族対応、さらにはケアプランをはじめとした介護保険制度に精通した人材を冷遇することはないでしょう。
もしもそんな施設があるなら、別の施設を探せば希望する待遇を相談できるはずです。
こみちとしては、入職からの3年が重要だと思っています。
この3年の実務経験を積めば、「介護福祉士」になれる条件が1つクリアできるからです。
介護施設の立場になっても「介護福祉士」か否かは大きな問題で、こみちの少ない経験から言わせてもらうと、資格の有無は視野の広さと連動しているように思います。
例えば「初任者研修」だけを受けた人の中にも、コツを掴むのが上手で、仕事が早い人がいます。
しかし、介護はスキルだけでは対処できず、人間性が不可欠となる仕事です。
エリートの医師はいるかも知れませんが、介護士のエリートはまずいません。
たとえエリートと呼ばれる経歴を持っていても、「エリート介護士」であってはいけないからです。
それは、介護という仕事が、利用者の目線に立って行われることと深く関係しています。
理屈や理論のような卓上の話は、他職種の専門家に任せれば良いことで、介護士は現場で細かなニーズに対応することが仕事です。
しかし、そんな働き方を報酬面では評価してくれません。
そこで、資格を取って自身の経歴を磨いていく意識が欠かせないのです。
「言われた仕事ならできますよ!」
実はそんなスキルには、「付加価値」が付きません。
ズバリ言うと、夜勤手当をもらえるようになるかも知れないけれど、根本的な報酬アップに繋がらない働き方なのです。
どちらかと言うと、「体力」に頼った働き方と言えるでしょう。
そうならないためにも、「3年の実務経験」と「介護福祉士の資格」は、介護士として働くうえでの最低条件です。
つまり、未経験から入職して3年間をどう過ごすかがポイントです。
介護職の不安
介護職に就く前、こみちはいくつかの不安を感じていました。
その一つが「利用者の最期」です。
高齢者の生態を知らないので、もしも自分の些細なミスが原因で、生命や健康に支障が生じたらどうすれば良いのだろうと思っていました。
いわゆる、「介護事故」との向き合い方です。
こみち自身も、事故報告書を書いたことが一度だけあります。
やはり落ち込みましたし、介護へのモチベーションも下がりました。
実務者研修を受講している時も、講師の人が入職してすぐに「介護事故」を起こすと続かなかったかも知れないと言っています。
確かに、介護というものがどんなものなのか理解できれば、「事故」との向き合い方も変わります。
しかし、「介護」を全く理解できていなければ、不安や拒絶感の方が強くなるでしょう。
実際、こみちの施設で割と大きな事故を起こした介護士を何名か知っていますが、事故を理由に退職した人はいません。
正直なことを言えば、こみちが同じような事故を起こした時に、同じように割り切れるかは明言できません。
刑法などでは「予見可能性」という言葉を使いますが、事故をどれだけ予測できたのかを問われると、「100%やむを得なかった」とは言い切れないこともあるからです。
つまり、事故発生に介護士自身の慢心がなかったかと言うと、そこは微妙な領域で、もう少しで仕事が終わる時間だとか、作業の仕上げ段階に入っているという油断が誰にでも起こります。
介護をとても責任の重い仕事だと思うと、介護職の報酬は安いと感じるでしょう。
しかし、どう責任を感じるかが重要で、スキルや知識を補うしか方法はありません。
別に良い施設の条件にもなりませんが、スタッフが周りを思いやれる人同士ならば、仕事はとても楽しく、事故も最小限に抑えられるはずです。
しかし、どうしてもスタッフの中には、「ちょっとだけ」という気持ちを持つ人がいて、誰かよりも得したいと能力をセーブしたがります。
楽な仕事を選んだり、人の失敗を喜んだり、他人の噂を流したりと、人間関係が拗れることを好む人がいることで、施設内の人間関係はとたんに不安定になります。
その意味では、入職者は他人の悪口を言わないことはもちろん、誤解を招くような発言を慎むことが必要です。
3年後に取るべき行動
3年後、十分な経験を積んだ介護士に成長したら、そのまま同じ施設でリーダーなどの役職を目指して昇進するのも方法です。
昇進に伴い、施設側の立場になって意見できるようになれば、これまで気になっていた習慣や体制についても改善策を出せるようになるでしょう。
また、介護職に就いたばかりの人へ、どのような研修プログラムがあれば良いのか提案することも可能です。
別の施設に移り、さらに介護職としての経験を積むことも可能です。
医療的な側面の介護もあれば、エンターテインメントを重視した介護もあり、自身の希望に合った介護環境を見出すことで、さらにやりがいも高まるでしょう。
いずれにしても、「3年の実務経験」と「介護福祉士」という条件を満たしていることで、自身の考え方に説得力が生まれます。
これが1年程度の経験で、資格もアップしていないとなると、「排せつ介助」「入浴介助」はできますかという話が中心になります。
もちろん、どんなに経験を積んでもそこは重要なのですが、あれこれ業界に詳しい割に視野に広がりがなく、どこか断定的な発想になってしまいます。
マイナス思考は簡単ですが、プラスに考えて人から賛同してもらうには、行動に裏付けされる「経歴」も欠かせないのです。