社会福祉法人を掲げる介護施設とは?

介護施設には2つのタイプがある!?


これから介護の仕事を始めようと考えている方が知っておくべきことは、「介護の仕事って何か?」という点。

さらに踏み込めば、介護の仕事を提供している組織には、「社会福祉法人」と「株式会社」があって(場合によっては医療法人も…)、それぞれは設立するに至った目的が異なります。

誤解を恐れずに両者の違いを説明をすれば、社会福祉法人は社会的福祉事業を展開し非営利団体です。

一方の株式会社を掲げる介護施設は、一般的な会社同様に利潤を追求した運営をモットーをしています。

つまり、それぞれの施設で働く我々介護士も、施設の運営方針に共感できないと違和感や不一致を感じることになるでしょう。

もっと高齢者に寄り添いたいのに…。

もっと報酬を得たいのに…。

それだけで両者を分けることは出来ませんが、数ある介護施設の中でも社会福祉法人の看板を国から受けるには、株式会社以上に満たすべき条件が多いのも事実です。

どちらが良いのではなく、両方とも必要!


特に高齢者介護において、「介護を必要としない健康的な暮らし」がますます重要となって来ます。

65歳を過ぎると、加齢による影響もあり、足腰だけでなく目や耳、内臓など、何かと健康に問題が生じます。

さらに、日ごろから健康的な暮らしを意識しているのかもポイントで、社会との交流や趣味などの有無などによっても心身機能の維持と深く関わります。

例えば、デイサービスと呼ばれる施設では、利用者に頭や身体を使ったレクリエーションを積極的に取り入れ、多角的に介護予防と機能の維持管理に努めています。

他の施設でもレクリエーションはありますが、デイサービスの場合には利用者の社会的な交流にも配慮した活動が多く取り入れられていて、施設内はとても賑やかで楽しげなのが特徴です。

つまり、支援が必要になってからではなく、普段からの地域交流を含めた集まりを通じて、高齢者の運動意識や生活サポートに目を向け、「介護予防」に着目するようになりました。

自宅介護をベースとしながら、必要に応じて公的私的を問わずに「介護サービス」を利用する流れが今後の介護支援には欠かせないでしょう。

例えば、株式会社が運営することが多い「サービス付き高齢者向け住宅」では、自宅を残したまま、必要な介護サービスを一時的に受けられる住まいを利用できる手軽さが魅力です。

一方で、自宅での支援が困難になった場合には、社会福祉法人が運営している特別養護老人ホームのような施設を利用し、24時間体制でしっかりと介護支援を受けられるのも心強いでしょう。

このように、どちらにも強みがあって、役割を分担していることに大きな意味があります。

これから介護業界に転職する人は


社会福祉法人の経営方針が自分の介護スタイルに合っているのか、それとも株式会社の経験方針が好みなのか考えてみるのも就職先を決める際のポイントです。

株式会社でも介護スキルの向上に力を注ぐ会社は多く、システム化された分かりやすさが特徴です。

また事業資金が豊富で全国展開しているような大手介護施設もあり、新しい介護技術を学ぶチャンスにも恵まれるでしょう。

実は介護支援は日進月歩で進化していて、5年前、10年前の支援を行わなくなっていることも多いのです。

その意味でも、新しい技術に積極的な施設で働くことが重要で、最新の介護支援の在り方を身につけましょう。

一方で、社会福祉法人の中には、「医療機関」との連携が密な施設も多いようです。

それだけに、「介護」と「医療」の両方から支援を試みるスタイルを持ちます。

実際、介護支援をしていると、利用者の多くが医療的ケアも必要とします。

その意味では、「介護」だけでは不足することも多く、「医療機関」との連携が不可欠になります。

また、介護職として現場に立つ場合でも、医療的ケアを知ることで「介護的ケア」を見直すことができます。

そこで、まずは「気軽に介護業界で働いてみたい!」という人なら、日勤帯が基本のデイサービスがオススメです。

比較的身体的なケアが軽度な利用者が多く、初めての介護職であっても働きやすいでしょう。

一方、少し大変でもしっかりと介護技術を身につけたいと思うなら、「特養」や「老健」という施設もオススメです。

また、「病院」の介護スタッフという選択肢もあって、看護師の隣で利用者の介護的ケアを行う働き方もあります。

こみちの施設でも、病院の勤務経験のある介護士がいて、さまざまな身体的ケアを知っています。

自分に合った働き方を見直すことで、職場環境的にもしっくりと来る施設に出会えることでしょう。