利用者との関係はゆっくりと築いていける!
介護サービスが必要になった高齢者は、我々と同じようにこれまで自宅などで暮らしていました。
想像してみてください。
加齢により今までの暮らしに不安があり、自分で買い物に出るのさえためらうようになることを。
まして、住み慣れた自宅から介護施設での暮らしに切り替えるとなれば、さまざまなことが他人のペースで変わっていきます。
実際、介護施設に入所した利用者の多くは、暮らしに慣れるまで落ち着きがありません。
表情や態度に現れることもありますし、自分の部屋に閉じこもりがちになることもあります。
一方で、別の施設から移動した利用者は、暮らしに慣れやすいようです。
施設での生活をある程度イメージできるので、「飲み物の用意ができました!」と声かけすると、「行きます!」と答えてくれます。
これが初めての利用者の場合には、施設での生活を説明し、何時だから飲み物を提供しているのだと案内しなければいけません。
どんな飲み物があって、温かさを選べることも知らないでしょう。
ともあれ、利用者となった高齢者は、施設で生活することにある意味で覚悟も持っています。
「よく、いつもありがとう」と言ってくれる利用者がいますが、逆の立場を想像すれば、お願いしなければいけない日常生活は大変でしょう。
先輩介護士の残念な介助を目撃してしまう!?
不穏さからコール(個室と介護ステーションを繋ぐ内線)を何度も押す利用者がいます。
何々をして欲しいとか、何時なのかと、今すぐに必要ではないことを繰り返し要求するのです。
思うに、それらの要求には、もっと別の理由があって利用者も気付いていなかったりします。
つまり、根底となる不安感を解消すると落ち着く場合も少なくないのですが、いつでも介護士が気づくとは限りません。
「また同じことを!」
怒りや苛立ちが先行し、利用者に対しても強い言葉で返してしまうのです。
こみちが見たのは、個室にあるコールボタンを手の届かないところに隠してしまう行為。
以前も禁止交換として指導されていたはずですが、頻回のコールを聞くとそんな方法で抑え込む介護士もいます。
これが、同僚や後輩なら理由や対策を話すことができるでしょう。
一方で、ベテラン介護士の場合には、それなりの手順が必要です。
まして、そんな介護士が多いほど、自身の介護方法とのギャップに苦しむかも知れません。
逆な言い方をすれば、各介護士が提供している介護技術の問題ではありません。
アセスメント(利用者を観察して介助方法を検討する)方法が異なっているのです。
さらに言えば、不適切なアセスメントをしてしまう介護士は、別の部署に移ることも少なく、いかに人間関係を良好に保つかが問われます。
こみちの経験としては、相手の介護を否定してはいけません。
むしろ、良いところを高く評価しましょう。
アセスメント方法が異なっていても、介護技術としてはしっかりできる人もいるからです。
どこの介護施設を選んでも、さまざまな介護士がいて、幅広い介助を行なっています。
そこで、初めて介護施設を見学する際は、すれ違った介護士がどんな態度を示すかがポイントです。
当然ですが、挨拶や笑顔のない介護士なら注意が必要です。
笑顔や挨拶があっても、「優しそうだなぁ」と感じられるか否かも観察しましょう。
なぜなら、その時の表情で普段も介助しているはずです。
利用者にどんな介護を提供しているのか、ちょっとした態度でも分かります。
特にこれから介護施設で働こうと思う人は、楽しそうに働く介護士がいる施設を選びましょう。
利用者と介護士が別々の場所でいるような施設は、高い介護技術を提供しているかも知れませんが、施設のペースで予定が進んでいることもあり、利用者も本音を言いづらい場合も出てきます。