街で見かける介護士たち
平日、デパートやショッピングセンター、図書館などで利用者を連れた介護士たちと遭遇します。
もちろん、面識のない人たちなのですが、同業者として介助方法などが気になります。
感覚的な話をすれば、街で見かける介護士の大半は女性です。利用者に関しても、4対6の割合で女性が多いように感じます。
施設の入居者が、家族などの連れ出し許可に基づく外出や外泊することは珍しくありません。
男女で違いがあると言うよりも、家族からのサポートによる違いが大きいでしょう。
しかし、散歩に行きたいと訴える利用者の多くは女性のように感じます。
実際、介護現場でも男女の違いがあり、男性利用者は異姓の他人と深く関わらない傾向なのに対し、女性利用者は他人との距離感や程よいコミュニケーションが得意です。
見慣れた室内空間でも満足できる男性利用者に対し、女性は同性同士でおしゃべりを楽しむ他、外出することで施設での生活で蓄積されたストレスを解消しているのでしょう。
もう一度、介護士に目を向けると、数名がチームとなって、ミニバンタイプの自動車を使い外出しています。
リフト機能の付いた福祉車両を使う施設もありますが、リフト機能のない車両を使うこともあるでしょう。
通常、車イスを利用している利用者であっても、立位が維持できるなら、サポートがあれば外出も可能です。
その点、立位が難しくなると、それなりの装備がある車両を用意して外出に備えたいものです。
同業者としてチェックしてしまうポイント
街で業務中の介護士に遭遇すると、介助方法だけでなく、誘導の仕方や利用者とのコミュニケーションをどんな風に行っているのか見てしまいます。
特に介護士が無表情だと、側で見ていて大丈夫かなと心配です。
なぜなら、利用者の立場になった時に、介護士の気持ちが分からず、不安感が増してくるからです。
施設の利用者の大半の方は、とても介護士に気を使っています。
「介護士は大変な仕事だなぁ」とか、「いつも悪いなぁ」といろいろな利用者が会話の途中で口にします。
こみちは「ありがとう」とか、「優しいですね」とか、言葉を返すのですが、介護士としても利用者から感謝されるとやりがいに繋がります。
その意味でも、笑顔がなく作業を淡々とこなす介護士の存在は、利用者の気持ちを萎縮させるかも知れません。
「本当は迷惑なのではないだろうか?」「怒っているのかも?」
楽しいはずの外出が、利用者の気持ちを冷めさせてしまいます。
さらに、介助方法はケースバイケースだとしても、利用者との距離感は気になるポイントです。
足腰が弱い全介助の利用者はもちろん、ある程度サポートが必要な場合には、ボディメカを活用した介助を心がけたいからです。
先日見かけた介護士は、車イスに乗った利用者の両腕を引っ張るようにして立ち上がらせていました。
しっかりと前屈みにすることなく、少し力づくの介助だったので、利用者の負担だけでなく介護士の腰痛なども気になります。
ある程度の体格差があれば、力づくでも介助はできますが、それでも身体的な負担は少ないに越したことはありません。
イチ介護士として、自身の介助が他人からどんな風に見られているのか気になります。
また、声かけの少ない介助も、利用者に不安を与えてしまいます。
「立ち上がりましょう」「出発しますね」
他の介護士を見て思ったのは、こみちは少しボディータッチが多いかも知れません。
腕や肩など、ポンポンと叩くことで、利用者との心理的な距離感を縮めたいのですが、やり過ぎにも注意が必要だからです。
しかし、他人の介助方法を見ることで、自身との違いや改善点を見つけられるので、迷惑にならない程度に今後も街で見かける介護士たちを観察させてもらえたらと思います。