介護士もメモを取る!?
意外に思うかも知れませんが、「メモを取る」とはどう言う作業なのか振り返ります。
個人的には、介護士もメモを取ることが大切です。
しかし、場合によってはメモを取るよりも重要なことがあります。
特に介護の仕事では、機械的な作業を覚えるだけでなく、利用者に合わせたケアが求められます。
そのためにも、利用者の性格や介助中の様子など、言葉では伝わらないニュアンスを目で見ておくことが重要です。
その意味で、「介護士はメモを取るな!」と言われるかも知れません。
しかし、やはり記憶には限界があるので、「メモを取る」ことが大切なのです。
何をメモするのか?
「メモを取る」ことは、簡単なようで難しい作業です。
なぜなら、作業の一部始終を全て記入しようと思えば、何時間も必要だからです。
また、メモしたことでも、作業している内に覚えてしまうこともあるでしょう。
限られた時間の中で、何をメモ(記録)しておくべきかは、個々の能力やスキルの度合いによっても異なります。
そこで、介護未経験の方がメモをするなら、時間軸に対して行うべき作用を箇条書きで書きましょう。
午前9時に「お茶の準備」「利用者への声かけ」と言った具合に、自身の勤務時間に何をしなければいけないかを書いておくのです。
そうすることで、職場でウロウロとすることはありませんし、何かをすることで次の指示を受けることができます。
そして、その時に指示された内容が一過性なのか否かで、「時間と内容」をメモしておきましょう。
つまり、一連の流れを自分なりに把握したうえで、さらにイレギュラーとしてできる作業が分かると、仕事に幅が生まれます。
また、一定時期ごとにメモを見直し、注意点として覚えておくべきこととメモがなくてもできることに分け、「メモをリフレッシュ」させることも大切です。
膨大に書きとめたメモは、結局何も書いていないのと変わらず、見たい時や必要な時に使えません。
仕事に慣れてきたらメモの使い方も変える!?
介護はベースがあって個々の利用者に応じた対応が求めれる仕事です。
時間軸を使った仕事は、ベースと言えるでしょう。
そこで、個々の利用者の性格や服薬、排便の有無など、一歩踏み込んだ情報についても知っておきましょう。
便秘状態にある利用者は、排便を促す薬を使うことがあります。また、薬を使う前に排便を催すかも知れません。
つまり、その利用者については「トイレ誘導」が介助する際のポイントになります。
また、湿布薬の交換や肌の痒みを軽減させる薬を塗るなど、利用者によって行う処置が異なります。
誰にいつ何をしなければいけないかをメモしておけば、今はできなくても他の介護士が何をしているのかが分かってきます。
また、気になる作業を目にした時は、何のために行われているのかもメモしておくと後から役立ちます。
特に自分の担当業務と関連制が高いものは、作業を覚えておいて無駄になりません。
メモしない介護士が陥りやすい失敗
逆にメモをしない介護士もいます。
しかし、作業が重複していたり、過不足の多い介助になっていることもあります。
特に、し忘れをするケースが問題で、薬の塗布や服薬の忘れなど、種類によっては生命に関わります。
また、介護を自己判断で進めてしまうので、介護プランや現場スタッフの統一した介助から逸脱してしまうことも問題です。
トイレ誘導時に薬を塗ることを忘れてしまえば、別の介護士が利用者を改めてトイレや個室に誘導しなければいけません。
作業効率も低下しますし、仕事ができる介護士とできない介護士に分かれてしまい、チームとしてのまとまりも損なわれます。
何をしなければいけないかを理解していないと、1つの仕事をダラダラと行ってしまい、スケジュールを理解している介護士だけが忙しなく動いているようになります。
メモの取り方次第で、介護現場が良くも悪くもなるでしょう。