介護施設は「安心できる場所」
寝たきりの人や車イスを使用している人も多くいる介護施設では、屋外に退去することも簡単ではありません。
まして、夕方を過ぎて日勤帯と呼ばれる介護士たちがいなくなる時間帯からは、限られた介護士たちが利用者の安全を確保するしかないのです。
幸いにして、雨風の音が施設内にも聞こえて来ますが、停電や断水でもなければ「ここが危険な場所」だと感じることもないほどです。
一方、利用者たちの反応もさまざまで、いつもと変わらない日常生活を送る人もいます。
中には、テレビで繰り返される過去の被害映像を見て、「オレの自宅は大丈夫だろうか? 家族から連絡はあったのか?」と聞くようなシーンもありました。
個人的に思うのは、常時認知機能が低下した利用者でもない限り、台風が接近していることも被害が起こる可能性も理解しています。
しかし、騒いでもどうにもならないことを理解しているので、普段と変わらない様子で生活を続けているように感じます。
我々も安全性を確保するために必要でなければ、利用者に危険性を伝えることはしません。
そうすることで、利用者の不安を煽らないように心がけています。
台風は過ぎてから被害が見えてくる!?
昼過ぎから日付の変わる時刻まで続いた猛烈な雨風ですが、午前3時頃になると風の音が気になる他、普段の落ち着きを取り戻したように感じます。
しかし、少し注意をしてみると、明け方から外の様子に変化があり、市区町村の屋外スピーカーから川の水位が避難レベルに近づき、早めの避難を促すアナウンスが流れ始めました。
幸い、該当する地域に入っていないことや、利用者の様子も多少の不穏を示すものの、特別に落ち着かない人もいません。
夜間帯の介護士たちだけでは、施設内の利用者を別の場所に避難させることが難しく、大掛かりな行動を取るには早番の介護士たちが出勤するのを待つしかないでしょう。
それでも危険が迫っていれば、限られた介護士たちだけで行動するしかありません。
現状、我々の場合には大きな被害はなく、今後明らかになっていく施設周辺の被害状況を確認することになります。
一見すると被害がないように思う場合でも、詳しく見れば破損していることもあります。
二次的、三次的な被害については、施設長等の判断を待つしかないでしょう。
何より、施設内の利用者が落ち着いていてくれるのが嬉しいです。
もちろん、ちょっとしたトラブルは起こります。それらは今回の台風が関係しているというよりも、介護施設内で起こる通常業務の範疇です。
介護士に課せられた業務や責任を知ることになりました。