介護は一般的な仕事とは異なる!?
サラリーマンをしていた頃、台風などの自然災害の影響が予想される場合、就業時間を待たずに帰宅した経験があります。
都心まで電車などで通勤していれば、交通機関が止まってしまうと帰宅できなくなるからです。
取引先の会社も余程の急ぎでなければ、予定をずらしてくれるでしょう。
介護の仕事ではどうでしょうか?
介護施設の利用者は、ある意味で安全性の保たれた環境下で暮しています。
三度の食事はもちろん、寝泊りも確保されているのです。
一方で、介護士など介護施設で働く職員は、スケジュールに従い勤務しなければいけません。
緊急事態が予想される場面では?
まず考えなければいけないことは、介護施設の利用者は生活の支援が必要な人たちです。
自分で料理することができなかったり、トイレを使えなかったりと、誰かの支えがなければ日常生活が営めません。
そんな彼らを支えるのが介護士の役割なので、天候不順で交通機関に影響が予想される場面でも、出勤をするかしないかは「良心」に委ねられます。
もしも、勤務を終えて帰宅できない状況になったら、介護士はどうすれば良いのでしょうか?
そんなことを考えた時、サラリーマン時代に急な徹夜仕事になって、会社持ちで近くのホテルを予約してくれたことを思い出しました。
しかし、介護施設がそんな計らいをしてくれるとは想像できず、良いところ施設の空き部屋を使わせてくれたら御の字でしょう。
さらに緊急性の高い場面では?
台風の接近によって大雨が予想され、さらに自宅の浸水が考えられる場面ではどうでしょうか?
最近の天災は規模が大きく、被害も拡大傾向にあります。
勤務中に自宅が浸水し、さらに帰宅が難しい状況でも、勤務を継続しなければいけないのでしょうか。
もちろん、ここでも「良心」によって行動することになるのですが、一般企業とは異なり介護施設サイドから早退を促されることは考え難いでしょう。
なぜなら、利用者はどんな時でも施設で生活をしています。生活を支える介護士が不可欠です。
いずれにしても、全員の介護士が帰宅することはできません。
そのような状況を踏まえれば、自分が帰宅するべきか勤務するべきかは自己判断に委ねられるでしょう。
自宅が浸水したり、屋根瓦がめくれたりすれば、早退や休暇もある意味で仕方ないことです。
しかし、それでも勤務する人がいるので、最後まで「自己判断」でいいのか心が痛む訳です。
介護の仕事をしていて、「無理しているなぁ」と感じることがあります。
利用者はいつでもどんな時でも介護士にお願いしたいことがあります。
それはお茶を欲しいということだったり、オムツを替えて欲しいだったり、さまざまです。
介護士は常に緊張感を持って利用者の対応に臨むのですが、長時間になれば疲れも出てきます。
一人で何十人も相手していれば、尚更のことでしょう。
こみちは、介護士になって数ヶ月で数キロ体重が落ちました。
もともと太っていなかったので、かなり絞れた体型です。また、移乗などで体力も使うので、筋力も付いています。
それだけ激務なことに変わりありませんし、そこまでしても利用者に満足してもらえるとは限りません。
同僚の中には、腰痛持ちもいます。
騙し騙し業務を続けていますが、本人は介護の仕事が好きなのだと言います。
分かる部分もあるのですが、「介護」って何だろう?と感じるのも事実です。
話が逸れましたが、介護は多くの良心によって支えられていて、自己犠牲も必要になって来ます。
効率的に稼ぐという気持ちが強いのであれば、もっと割り切って働ける仕事を選んだ方が良いのかもしれません。
2019年10月10日現在、台風19号が関東に上陸する可能性が濃厚です。
交通機関が止まってしまうかもしれません。
しかし、関東圏にある介護施設には利用者がいて、我々介護士を待っています。
どこまで介護士として自己犠牲を払えるのか?
家族や自宅の被害よりも勤務を優先するのか?
介護は、頭で考えると簡単ですが、実際に何かを失いながら進んでいることを感じてくると、奥の深い仕事だと改めて思います。
知識やテクニックなどは、後からどうにでもなるでしょう。
まずは、1つしかない体を使うことがポイントです。
本当に家族や自宅は大丈夫なのか?
施設の利用者同様に心配だからこそ、自分がどう動くべきなのかも求められるのでしょう。