生涯の仕事として介護士を選ぶメリット

職場は生活という馴染み深い場所


介護を系統的に考えると、医学や医療の先にあるものだったり、我々中高年の老後や両親の介護と言った近い未来のものだったりと、一見すると難しく思えますがとても身近な存在でもあります。

つまり、介護を仕事にする場合、今までの暮らし方がベースになるので、未経験からでも自然に馴染むことができます。

転職で成功するには、一般的には過去の実績やキャリアが問われます。特に即戦力が求められる中高年世代は、なおさらでしょう。

しかし、介護職への転職は、年齢不問というケースも珍しくありません。

その理由は、介護が生活を基盤とした仕事で、中高年世代が無意識に感じたさまざまな経験を職場で活かせられるからでしょう。

実際、介護施設にはさまざまタイプの介護士がいます。

レクリエーションが好きで、人前で場を盛り上げるトークやダンスを好む人がいたり、病院などの医療現場で長く働き、医療的ケアに精通した人がいたりと、タイプが異なります。

介護を大きな山だとすれば、どこからどんな風に登って行くかは人それぞれです。

山頂まで目指すことなく、中腹付近で十分だと思う人もいるでしょう。

つまり、介護はどんな関わり方も受け止めてくれるかなり融通の利く仕事なのです。

中高年世代が転職先を探すなら


40代といえば、途中でブランクがあったとしても、職歴が十分にあるはずです。学校を卒業してから、一度も転職を経験していない人もいるでしょうが、何社も転職して今に至る場合もあります。

正直に言えば、中高年世代は「起業する」べきです。

インターネットが普及し、副業が当たり前になった時代、「起業」が特別なことではないからです。

だからといって、何も「株式会社」を設立するべきだと言いたいのではありません。

もちろん、「株式会社」の設立もインターネットで検索すれば、とても簡単にできることが分かるでしょう。

大切なのは、「形」ではなく、「中身」なのです。

例えば、介護経験の浅い人は、介護が儲からないと言うでしょう。

少し経験があれば、介護の用語や概念を説明するでしょう。

しかし、そのどちらもインターネットで検索すれば、すでに多くの介護経験者が同じようなことを発信しています。

言いかえれば、今さら語っても意味がないのです。

では、「起業」という目線で「介護」を見たら何が見えるでしょうか。

こみち自身は、「ホーム」だと思っています。

「ホーム」を別の言葉にすれば、「根拠」や「背景」とも言い換えられるでしょう。

この記事の前半で、介護は中高年に向いている仕事だと紹介しました。

その理由は、転職しやすいことがポイントです。

もしも、特別な経験があるなら、介護士にならなくても収入を得ることができます。

しかし、中高年世代と呼ばれるようになって、自分がこれからどんな仕事をしていけば良いのか分からないなら、「介護」を選ぶのは間違いではありません。

自身や家族の介護を考えられますし、将来的な展望も見えてくるからです。

つまり、介護が自身の「ホーム」であり、何かをスタートさせる「根拠」や「背景」になります。

仕事を楽しくしている人に共通するのは、基礎固めをどこかでしていることです。

飛び抜けたセンスがないあれば、ほとんど下積みなしで成果をあげられるかもしれません。

しかし、そんな恵まれた人でも、視野が広がってくるにつれ、勉強の大切さや異業種の取り組みなど、さまざまなことに関心を持つはずです。

そうなった時に、自分の「ホーム」が明確な人は、原点に立ち返り自分が進むべき道を見直すことができます。

介護の仕事は無くならない!


中高年の方が仕事を選ぶ時、これから経験したことが無駄になってしまうことこそ、勿体ないことです。

定年を迎える年齢になれば、体力も劣りますが新しいことへ挑戦することも、今以上にハードルが上がります。

また最初からという事態は避けたいものです。

そんな場合にも、介護はとても優れた選択肢なのです。どんなに機械化が進んでも、介護の仕事が完全に人手を必要としなくなることはありません。

実際、介護士は笑顔で接することが多く、接客業という一面もあります。

何かをすればいいのではなく、どんな風にしたのかが問われる仕事なのです。

AIで言えば、「会話ができる」ではなく「会話で相手を癒してあげられる」ことが求められています。

会話をするだけなら、言葉を理解して組み立てることができれば実現するでしょう。しかし、話す相手を和ませるには、相手を理解しなければいけません。

さらに、相手がどんな言動に安心感を抱くのかもポイントでしょう。

そこまでくると、発展が目覚ましAIもまだまだ開発に時間がかかるのではないでしょうか。

少なくとも、それだけ「介護」という仕事には、多くのポイントが隠れていて、経験や技術を積めばこの先も自分を助けてくれる「手に職」と言える存在になります。