介護士に求められる仕事を解説します

介護がとても奥が深いと言われる理由!?


介護の経験がないと感じる人の中には、高齢者と呼ばれる年代との付き合いが乏しいのかも知れません。

優しいおじいさん。ガンコなおじいさん。盆栽や家庭菜園が趣味のおじいさん。旅行などが趣味のおじいさん。

もちろん、おばあさんである可能性もあるでしょう。

今、例に挙げたすべてのイメージが、高齢者と呼べれる年代に当てはまります。

しかし、我々中高年でも、趣味や仕事など、ライフスタイルは1つではありませんし、もっと別の理想があるかもしれません。

結局のところ、我々中高年のイメージと同じで、「高齢者」もまたいろいろなタイプの人がいて、好みや相性の良し悪しも一概には割り切れません。

模範的な介護をすれば、多くの人から評価を得られるのは事実でしょう。

しかし、規則やルールに縛られた生活は、少し息苦しさも感じる人もいます。

つまり、介護の難しさは「基本」を提供するだけでは「十分な満足」を与えることはできず、状況に合わせた「応用」が求められることにあります。

ここでいう「応用」の内容には、知識や技術的なものだけでなく、人生観まで含まれます。

人生観は千差万別なのですから、何をどう提供すれば良いのかもワンパターンでは補い切れません。

中高年の方が介護を始めると、確かに仕事は大変だと感じるでしょう。

しかしながら、介護の奥深さに気づくと、どんな風にアプローチすれば良いのかといろいろ試してみたくなり、小さくても結果が出ればさらにやりがいに繋がります。

個人的には、そんな介護の魅力に気づいてもらい、仕事を始めてもらいたいと思います。

体位変換が介護の基本


別に記事に介護の基本は、「食事」「排せつ」「入浴」だと紹介しました。

もちろんそれは間違いではありません。しかし、それらに共通するのは「体位変換」です。

では、体位変換とはどんなことをいうのでしょう?

介護では、仰向けに寝ることを「仰臥位(ぎょうがい)」と言います。

また、横向きに寝ることを「側臥位(そくがい)」と言い、座った姿勢を「座位(ざい)」と呼びます。

「体位変換」は、そんな仰臥位や側臥位から別の体位へ移ることを指します。

仰向けに寝ている人を横に向けるのも、「体位変換」なのです。

この体位変換は、ベッドに仰向けに寝ている人を起こして、車イスに乗り移ってもらう動作を例え話に使います。

なぜなら、介護士が1日に何度も行う動作であり、これが正確にできれば、食事や排せつなどの介助もスムーズに行えます。

オムツ交換は体位変換の出来がポイント

オムツ交換をする場合、ズボンを脱がせるのも側臥位と仰臥位を使います。そして、肝心なオムツの交換はもちろん、肌を清潔に保つ動作も体位変換が出来なければ十分には行えません。

特に寝たきりの利用者は、背中にシワがあると、それが肌のかゆみを感じます。

衣類のシワを無くすのも、体位変換が影響します。

入浴介助ではどうでしょうか?

まず、入浴介助では、衣類の着脱があり、オムツの交換も必要になります。

さらに、座位から立位へと体位変換も行います。

どこを支えながら介助するべきかで、安全性や安定感が異なるでしょう。

食事の介助では、食べる姿勢が正しくないと誤嚥などの事故に繋がります。

つまり、介護は、体位変換の出来で結果に大きな影響を与えます。