介護の仕事が合う人と合わない人の差
このブログでは、さまざまな視点から中高年の方に「介護職」をオススメしています。
しっかりと実力を付けると、70代になっても仕事を続けられることが大きな魅力だからです。
難関の資格を取得した人や、天性の才能にめぐまれてた人であれば、40代や50代になってから未経験の業界に転職する必要などないかもしれません。
そんな方は、自身の知識や技術をフル活用してこの先の人生設計を邁進されることを願います。
一方で、中高年の方が何らかの理由で人生を見直したいと思ったのだとすれば、「介護の仕事」は十二分のやりがいを与えてくれると思います。
タイトルにもありますが、介護の仕事はどんな人に向いているのでしょうか?
少なからず、中高年になれば自身の老化を感じることでしょう。高齢者もまた若いつもりでいる瞬間もあれば、老化現象を強く感じてしまう瞬間もあるわけです。
つまり、自身のことを顧みず、高齢者に対して「上から目線になってしまう人」は、介護の仕事に適性はないでしょう。
そして、もう一つが「自分は仕事ができると思っている人」です。
結局のところ、その2つに当てはまらなければ、介護の仕事に挑戦してみる価値があるでしょう。
疲れた時や逆境に立たされた時に見えてくる人間の本質
想像してみてください。
今、目の前に10人の利用者が3つのテーブルに分かれて座っています。
転倒リスクの高い利用者の1人がモゾモゾと動き出したと思ったら、急に立ち上がろうとしました。
咄嗟の判断で、介護士のあなたはその利用者のもとに駆け寄ります。
「立ち上がったら危ないでしょう。とにかく座ってください!」
そんなやりとりをしていると、別のテーブルでは数名の利用者が大声で言い争いを始めました。
また、別のテーブルでは、数名の利用者が同時に別々のことをして欲しいと介護士のあなたに訴え掛けています。
例え話と思われるかもしれませんが、そんな状況になることもあるのが介護現場なのです。
介護の知識や技術も大切ですが、それだけでは絶対に超えられない場面に介護士は何度も遭遇します。
この記事の前半で、「上から目線の人」と「仕事ができると思っている人」は介護に向かないと言いました。
きっと、先の状況に出くわした時に、なぜできないのか原因や理由を考えると思います。
人手不足。配置の不適切さなどなど。
しかし、そんなことは正直言ってどうでもよくて、その場面で何をすれば良いのかを実際に判断して行動することが大切です。
介護の研修では「利用者への寄り添い」を学びます。
そして、利用者の目線に合わせることを強調されます。
上から命令するのではなく、同じ目線に立って納得してもらうようにすれば良いのかと思っていました。
しかし、実際の介護現場に立つと、同じ目線では超えられない状況があります。
つまり、スタッフ間の連携やシフト管理、介護に対する目的や目標を共有すること。さらに、損得勘定をしないことも重要です。
面倒な仕事や手間の掛かる仕事は、別の人に回したい。
実際に、何ヶ所から同時に言われそうになると感じたら、その場を離れてしまう介護士もいるくらいです。
フタを開けてみたら、見えない仕事はほとんどしていないということも少なくありません。
しかし、相手がそうならとこちらもしないようになったら、介護現場は目的も存在意義も失います。
時には黙って他の介護士のカバーをし、さり気なく2つも3つも余計に仕事をして、「当たり前」なくらいです。
その意味では、一般的なサラリーマン時代とは働き方も違います。
前職の仕事ぶりがそのまま出てしまう!?
中高年の介護士は、多くの方が異業種の経験者です。
営業マンだった人もいれば、役所に勤めていたり警察官だったりと、仕事への価値観もさまざまな人たちが介護士として働きます。
規則やルールに従う人がいれば、ニーズに応えようとあれこれ策を練る人もいます。
何が正解でもなく、間違いでもありません。
しかし、状況やタイミングで、自分の信念を曲げなければおさまらない時もあるでしょう。
結局は、人間関係に行き着く訳ですが、自分が正しいと思い込んだら進歩もありません。
また、自分の都合で考えるから、相手に腹をたてるのです。
介護の仕事をしていて、スムーズに進まない焦ったさや、焦りを何度も経験してきました。
「もうできないかも知れない!」
でも、現場で奮闘することで、思わぬ助っ人が現れたり、状況が改善したりして大きなトラブルにならなかったことも少なくありません。
一人ひとりと話してみれば、言い分も理解できることばかりです。しかし、それがいくつも重なれば、どこかで整理をして、順序や方法を考えなければうまくは行きません。
介護の仕事は本当に大変です。
何より、今までの働き方をいったん忘れて、新たに挑戦するくらいの気持ちが必要です。