「介護」は「介護保険制度」でできている!?

「介護」における「介護保険制度」の役割


「介護」を家族内で行う場合でも、「介護保険制度」の役割を知っていることが大切です。

まして、介護施設や訪問介護など、公的な介護支援を利用する場合、この「介護保険制度」が密接に関わってきます。

「介護保険制度」という言葉は、「介護保険法」が1997年に制定され2000年から施行されたことにより、介護を必要とする人にとって欠かせない存在となりました。

では「介護保険制度」によって、具体的にどんな恩恵を受けられるのでしょうか?

多くの方が知っているのは、特別養護老人ホームなどの介護施設を利用することができるということでしょう。

もちろん、いつでもどこでも利用できるというものではなく、一定の条件と申し込みによって利用することになります。

それ以外にも、自宅での介護で嬉しい、「訪問介護」や「訪問看護」、「デイサービス」なども「介護保険制度」で利用が可能です。

施設介護に限らず、自宅で介護する場合にも、「介護保険制度」を積極的に利用することで本人だけでなく介護する人も精神的肉体的不安が軽減されるでしょう。

介護保険制度を利用するまでの簡単な流れ


介護に関する支援が必要になったら、まずはお住いの市区町村の窓口で「要介護(または要支援)認定申請書」を提出します。

この「認定申請書」によって、「介護認定調査」が実施されることになります。

市区町村の担当者が実際に本人宅を訪れ、本人の状態や住まい環境などを確認し、公的な介護支援が必要なのかを聞き取り調査します。

この後、持ち帰った調査書をもとに一次判定(コンピュータによる分析と審査)が行われ、さらに医師の意見書も添えられ、二次判定へと送られます。

この二次判定を5名ほどの「認定調査員」が「介護認定審査会」を開き、「要介護認定」を行います。

要介護認定により、もっとも介護支援が必要だと判断された要介護5から1までの五段階に分かれ、その予備軍である「要支援」が二段で追加され、計7段階で介護状態を決定します。

段階が異なることで、「区分支給限度額」つまり支援される金額が違ってきます。

例えば、要介護3と認定されると、月額約27万円までの介護支援を1割から3割の範囲で負担することで利用できます。

仮に1割負担の場合、2万7千円で、その10倍に当たる介護サービスを各人の暮らしや好みに合わせて受けられます。

自宅での入浴は、慣れていないと家族も負担です。だったら、自宅まで来てもらえる訪問入浴サービスを利用すればいいのです。

また、デイサービスでも、入浴支援を受けられるので、それを利用してもいいでしょう。

介護保険制度の良いところは、利用者本位で組み合わせられることです。

実際に介護保険制度を利用するには


介護認定を受け介護度が決まったら、「ケアプラン」を作成しましょう。

「区分支給限度額」を実際に利用するには、この「ケアプラン」にどのような介護サービスをどこの介護施設に申し込むのか記入します。

しかし、どこの施設でどんなサービスを提供しているのか調べるのは大変です。そこで、ケアマネジャーと呼ばれる専門家がアドバイスや作成を行ってくれます。

介護保険制度を理解するうえで、「ケアマネジャー(通称:ケアマネ)」というポジションがあることを覚えておきましょう。

ケアプランを作成すれば、いよいよ計画に従って介護サービスを受けることになります。

このように、公的な介護を受けるには、「介護保険制度」を利用することが不可欠です。

また、介護職員として働く際も、この「介護保険制度」は何かと関係してくるので、しっかりと確認しておく必要があります。