「誰がやったの?」「俺じゃない!」という父親

 リビングに敷いたラグに謎の黒い汚れが…

夕方、こみちが夕飯を作っている時、父親はいつも通りリビングでテレビを観ていました。

料理も終盤になった頃、急に父親が掃除を始め、掃除機で床のゴミを吸い始めます。

「何で今?」

わざわざ訊いたりしませんが、あまりに唐突な行動に驚きます。

その後、料理も終えて、こみちは自分の部屋に戻りました。

それから1時間くらい経過して、母親も帰宅したみたいですが、リビングで父親と何か言い争っています。

ケンカではありませんが、母親が怒って声を荒げています。

「どうしたの?」

「リビングに黒いシミが出ているの。お父さんがやったのにやっていないと言い張るの」

それでリビングに行ってみたら、墨汁ほど濃い黒ではありませんが、紅茶やコーヒーくらいの濃さで白基調のラグに直径30センチくらいのシミが出ています。

「(お父さん)どうしたの?」

「オレは知らない」

本当に知らないのか、本当に覚えていないのか、本当は怒られたくないのか、正直、父親の意識レベルはもうよく分かりません。

「知らない」という記憶なのか、そう信じたい気持ちなのか、コレは今回だけの話ではなく、日常的に起こっています。

「ご飯食べていない」

よくある笑い話ですが、その内、本当に言い出しそうです。