「歯磨きしろ!」に怒り出す父親
多分、父親はもう自分で食後に歯磨きすることを意識できていません。
できていないのではなく、意識したくない(考えたくない)とも言えます。
事実、既に自分では髭剃りができないのを考えると、歯磨きしろと言われてもできないので苦痛でしかないのでしょう。
「歯磨き、歯磨き言うな!」
父親はそう怒りました。
側にいた母親に「(父親は)歯磨きしているの?」と聞いてみると「知らないヨォ〜」と他人事のように答えます。
例えば髭剃りができないことを把握していたら、別に介護の経験がなくても、勘が良ければ「歯磨き、できないのかも?」と疑うでしょう。
髭が生えている場所に髭剃りを当てて行く。
場所を認識し、機械を扱うことができれば、髭剃りできるはずです。
でもそれができないのは、認識も怪しいですが、細かく扱うことができなくなっています。
まだ自立心がある父親に「磨いてあげる」は無いにしても、母親が父親の様子観察をしていたら話も変わります。
ですが、「知らない」と答える母親は、やはり父親の状況や気持ちに介護者として歩み寄れてはいないのでしょう。
でもそれを問題にしても現状は何も改善されることはないので、どこかのタイミングで歯磨きしているのか、どう磨いているのかを確認しないと対策の立てようがありません。
また、軽くネットで歯ブラシを使わない口腔ケアの方法として、ブクブクうがいがありました。
細菌除去という意味で、歯磨きよりも効果は薄くなるかもしれませんが、何もしないよりはいいと思うので、うがいできるかも確認しなければいけないです。
母親がもう少し父親に関心を持って接してくれたらいいのですが、それは個人の性格や能力なので、やはりそこが限界と思うしかありません。
朝の記事でも書きましたが、全部を受け止めるか、最低限のことだけで済ませるかの二つしかなく、母親によく見ていてと頼んでも、「磨いていた」とはいうかもしれませんが、正しく歯ブラシを扱えているのかなど、何のために観察して欲しいのかを察することができないので、結局は頼んでも思うような答えは期待できません。
残念ですが、その辺りの関わり方が介護の始まりになるので、このままでは見える部分やトラブルだけを対処する最低限の介護になってしまいます。
高齢者にとって歩行はトイレでの排せつと大きく関係し、できなくなるとオムツが必要です。
でもそれを交換するには、ベッドの方が介護者の腰への負担を緩和させます。
そして、口腔は食べものを食べて栄養を摂る手段の入り口なので、ケアを怠ると誤嚥性肺炎などのリスクにも繋がります。
転倒などで入院した場合同様に、歩行力の低下を招いてしまうとリハビリで再び歩ける高齢者は経験的に半数もいませんでした。
再度の転倒を考えて、車椅子を使うケースが多かったからです。
そして、介護度が3程度に進んでしまうので、在宅介護を続けるのも簡単ではなくなります。
なかなか厳しい状況になるかもしれない父親の怒りでした。