施設介護とは全く別物
高齢者介護の大変さは、想定外の事態をどこまで容認するのかで決まります。
実際に施設介護の経験者であれば、介護負担の重い要介護5よりも、要介護2、3辺りで歩き回って転倒リスクの高い利用者の方が大変だと分かるでしょう。
機能として、日常生活のどこまでを一人で行えるか。
当然ですが、要介護5よりも要介護2の方の方がずっといろんなことができます。
故に、洗濯物を一緒に畳んだりとか、ちょっとしたお手伝いをしてくれる可能性も、要介護2の人の方が高いはずです。
しかし、話を理解できない場合、「2分だけここで座っていてね」と伝えても、全く聞く耳を持たないということも起こり得ます。
特に夜勤帯で介護士も少ないと、そんな利用者を連れて、他の業務を行うこともあります。
ですが、要介護5の寝た切りの利用者の場合、ある意味で想定外のことは起こりません。
つまり、予定がしっかりしていれば、圧倒的に寝た切りの利用者の方が通常の業務は見通しが立ちます。
なので、介護の大変さは、要介護の数値では決まりません。
なぜこんな話を持ち出したのかというと、在宅介護では施設介護のような介護計画が立てづらく、いろんな面で最後までできない場合にどう関わるべきかが問われます。
こみち家でも父親の運転が問題になりました。
運転が好きな父親は、自由を奪われたと言います。
でも、事故を起こした時に、家族としてもう少し慎重に考えるべきだったと後悔したくはありません。
しかも車を維持する費用を父親が関わっていないこともあって、最終的な負担は家族全員になります。
しかし、「車を維持するのにどれだけ掛かると思っている?」と聞いたとしても、父親は「問題ない。俺が払う」というのです。
「仕事をしていないのに?」
もちろんそんな現実的な話では解決できません。
「俺の自由を奪うのか?」
そんな答えが出せない部分で揉めるのです。
父親も父親なりに頑張っている部分もあるのですが、100%はできません。
してもらうと、必ずどこか手直ししなければいけないので、見方によっては介護の一環です。
対等では進まないのに、対等として扱う難しさが在宅介護にはあります。